食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06510090314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、トリフルオロ酢酸(TFA):新たな危険有害性クラスへの分類のための評価書の提出を公表 |
資料日付 | 2025年5月26日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は5月26日、トリフルオロ酢酸(TFA):新たな危険有害性クラス(ハザード分類)への分類のための評価書の提出を公表した。概要は以下のとおり。 ドイツ当局は、TFAを生殖毒性があり、難分解性が非常に高く、移動性も高いと評価している。 概要 連邦労働安全衛生研究所(BAuA)傘下の連邦化学庁(BfC)は、欧州化学物質規制REACH及び危険物質の分類・表示に関するCLP規則のドイツにおける管轄当局である。BfCは、連邦環境庁(UBA)及びBfRと協力し、CLP規則に基づくTFAの危険有害性クラスへの分類の整合化を図るための関連書類を欧州化学品庁(ECHA)に提出した。TFAは、パーフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)のグループに属する。ドイツ当局は、TFAが生殖毒性及び環境への懸念があるとみなしているため、TFAはそれに応じて分類される必要がある。現在、ドイツの提案に関する意見公募と専門家による評価が進行中である。 2016年にネッカー地域(Neckarregion)の飲料水からTFAが検出されて以来、当局はこの物質への対策に学際的かつ集中的に取り組んできた。TFAは大規模な工場から発生するだけでなく、2016-2017年には様々な農薬有効成分の分解生成物としても特定されている。また、冷媒R1234yfのような特定のフッ素系温室効果ガスは、大気中でTFAに完全に分解されることが知られている。TFAは長年にわたりドイツの水域で検出されており、その傾向は増加している。 「調和のとれた分類は、リスクコミュニケーションにおける重要なツールであり、リスク管理の基盤である。我々の提案は、この難分解性で有害な化学物質の環境への放出と、それに伴うリスクを削減するための重要な基礎を築くものである」と、BfCの責任者であるKerstin Heesche-Wagner博士は述べている。 BfRは、TFAを生殖毒性物質に分類している。提案されている公式の危険有害性クラスは「生殖毒性、カテゴリー1B」であり、危険有害性情報H360Dfは「胎児に害を及ぼす可能性があり、生殖能力への悪影響が疑われる」である。この分類は、あくまでも危険有害性に関する分類であることに留意することが重要である。摂取量も健康リスクの判定に重要な役割を果たすため、この分類は実際の健康リスクを示唆するものではない。 「毒性作用は、動物モデルにおいて、TFAの濃度が環境中に存在する濃度よりも著しく高い場合でのみ実証された。したがって、TFAに汚染された水や食品の摂取による健康への悪影響は、現時点では予測されない。この新たな分類は、将来においてもこの基準を維持するためのさらなる対策を準備する上で重要な一歩となる」と、BfR所長のAndreas Hensel博士は述べている。 UBAは、TFAを難分解性が非常に高く、移動性の非常に高い物質(vPvM)に分類している。vPvMの特性を持つ物質は、環境中で分解されにくく、堆積物や活性炭フィルターにほとんど吸着されない。飲料水処理では、これらの物質を除去するには高度な技術的努力が必要である。この新しい危険有害性クラスは、飲料水資源の保護を目的として、UBAの主導により2023年に欧州化学物質規制に導入された。これには、危険有害性性情報EUH451は「水資源に非常に長期的かつ広範囲な汚染を引き起こす可能性がある」が付されている。UBAのDirk Messner長官は、調和のとれた危険有害性クラスへの分類の緊急の必要性を次のように考えている。「TFAに分解する化学物質の種類と量は増加の一途をたどっている。環境及び飲料水資源の持続可能な保護を確保するためには、環境への放出を可能な限り迅速に削減する必要がある。」 TFAに関する新たなデータは、多くの国及び欧州の適用分野に影響を与えている。たとえば、TFAを生成する農薬の承認が見直されている。その結果、農業からのTFAの排出量が大幅に削減される可能性がある。また、冷媒からのTFA排出も、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、空気など、市場ですぐに利用可能な代替物質が既にあるため、冷媒からのTFA排出量も速やかに削減できる可能性がある。 分類の調和をとるためのドイツの提案の今後の進展 ECHAは現在、調和のとれた分類及び表示(CLH)に関するドイツの文書を公開しており、6週間以内にコメントを受け付けている。その後、ECHAのリスク評価科学委員会(RAC)が、ドイツ当局の提出文書と寄せられたコメントについて審議する。RACの意見は、18か月以内にEU委員会に提出され、それをもとにCLP規則(技術的進歩への適応のための規則(ATP))を改正するための草案が作成される。 詳細情報 ・進行中のCLH協議に関するECHAのウェブサイト https://echa.europa.eu/harmonised-classification-and-labelling-consultation ・UBA発行の背景資料:2021年版「水域への化学物質流入の削減-多くの発生源を持つ難分解性・移動性の高い物質としてのトリフルオロ酢酸(TFA)について」 https://www.umweltbundesamt.de/publikationen/chemikalieneintrag-in-gewaesser-vermindern |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/presseinformation/trifluoressigsaeure-tfa-bewertung-fuer-einstufung-in-neue-gefahrenklassen-vorgelegt/ |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。