食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06500830535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、妊娠前・妊娠中・授乳期におけるカルシジオール補給の効果に関するディスカッションペーパーを公表 (前半1/2) |
資料日付 | 2025年5月14日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国毒性委員会(COT)は5月14日、5月20日会合用の協議事項及び文書として、「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるカルシジオール補給の効果に関するディスカッションペーパー」を公表した。(TOX/2025/21、PDF版52ページ)。概要は以下のとおり。 《序説》 2019年、栄養に関する科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee on Nutrition(SACN))は、妊娠中・出産時・出産後24ヶ月までの母体の転帰に焦点を当て、栄養摂取及び母体の健康に関してリスク評価を実施することに合意している。これには、食事中の化学汚染物質や過剰な栄養素の影響も含まれ得る。 SACNは、必要に応じて他の専門家委員会に諮問して、食品安全勧告の分野等の関連するリスク評価を完了するよう要請し、SACNのレビューの一助とすることに合意した。これを受け、食品・消費者製品・環境中の化学物質の毒性に関する委員会(COT)は、当該レビューの一環として、ビタミンDへの過剰ばく露が母体の健康にリスクをもたらすか否かを検討するよう要請された。2022年、COTは、「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるビタミンD過剰摂取の潜在的影響に関する声明」を公表している。2022年12月のCOT会合における「発生している問題(matter arising)」の議題を討議した結果、COTは、「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるビタミンD過剰摂取の潜在的影響に関する声明」の附属書として、カルシジオールも考慮されるべきであることに合意した。これは、カルシジオールがビタミンD2及びD3のより強力な形態であり、かつ、市場にて入手可能性が高まっている点が理由となっている。 ビタミンDの毒性と生物学的機能、および妊娠中のビタミンDの状態については、「妊娠前、妊娠中、授乳期におけるビタミンDの過剰摂取の潜在的影響」に関する声明で述べられているため、本稿では詳述しない。 《背景》 カルシジオールはビタミンD3(コレカルシフェロール)の新たな供給源であり、コレスタトリエノールより化学合成を経て製造される。カルシジオールは、カルシジオール一水和物、25-ヒドロキシコレカルシフェロール一水和物(25(OH)D3一水和物)、カルシフェジオール、25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)としても知られており、後者の2物質はサプリメントにて使用される形態である。カルシジオールは25(OH)Dの合成形態であり、1,25-ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)として知られる生物学的活性を有するビタミンDの不活性前駆体であることから、一般にプレホルモンと呼ばれる。 カルシジオールはビタミンD3より2.5倍生物学的利用能が高いと推定されている。カルシジオールはコレカルシフェロール(ビタミンD3)よりも親水性が高く、半減期は短く、血清中25(OH)D濃度を急速に上昇させる。これは、ビタミンD3とは吸収及び肝臓における水酸化に差異があるためであり、カルシジオールは胆汁酸を必要としないため、より速くかつ効率的に吸収され全身循環に入る。 カルシジオールはサプリメントに含有されるビタミンD3よりも、血清中25(OH)D濃度を上昇させる効果において、3 - 6倍強力であるとの報告があり、これは、ビタミンD3と同一の血清中25(OH)D濃度を達成するために必要となるカルシジオールは、より低用量となることを意味する。血清中25(OH)D濃度を同等の濃度まで上昇させるには、カルシジオールの10倍量のビタミンD3が必要であることを示す報告もある。しかしながら、COTは、これらのビタミンD誘導体は双方ともに活性型ビタミンD(1,25-ジヒドロキシビタミンD)ではないことから、カルシジオールとビタミンD3のどちらかが他方よりも強力であるとは判断していない。 ビタミンDとカルシジオールは等効力ではなく、カルシジオールからビタミンD3国際単位(IU)のへの変換係数に関し、規制当局間において普遍的な合意は形成されていないが、1.4 - 5倍という変換係数を推定する報告がある。欧州委員会は欧州食品安全機関(EFSA)に対し、カルシジオールからビタミンD3への変換係数の算出を要請し、栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、変換係数5を導出した。これは、動物用飼料に使用する添加物・製品・物質に関する科学パネル(FEEDAPパネル)が動物飼料中のカルシジオールをビタミンDに変換するために設定した係数である。EFSAは、「ビタミンD活性を有する物質の生物学的値」を示すビタミンD当量(vitamin D equivalents(VDE))も検討しており、VDE 1 μgはカルシジオール0.4 μgに相当すると判定し、これは、40 IUに相当する。 公表した科学的意見書の改訂を求める製薬会社からの要請への対応としてばく露評価を更新した結果、2023年12月、EFSAは、無作為化臨床試験(RCT)10件を対象とするシステマティック・レビューに基づき、カルシジオール摂取量からVDEへの変換係数2.5を提案した。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06500831535) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Introduction%20and%20Background%20-%20Effects%20of%20calcidiol%20supplementation%20during%20preconception%2C%20pregnancy%20and%20lactation |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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