食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06480980475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、イソフラボン含有食品の摂取による健康リスク及び集団給食施設でそれらを提供する際に生じ得る事例を評価した意見書・報告書を公表
資料日付 2025年3月24日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は3月24日、イソフラボン含有食品の摂取による健康リスク及び集団給食でそれらを提供する可能性を評価した意見書・報告書を公表した。概要は以下のとおり。
・大豆はイソフラボン類の主な供給源である
 食品総局(DGAL)と保健総局(DGS)の要請により、ANSESはイソフラボン含有食品の摂取による健康リスク、及び集団給食施設でそれらを提供する際に生じ得る事例を評価した。イソフラボン類は、エストロゲン様ホルモン作用があることが知られている分子群である。イソフラボン類は豆類(マメ科植物)や野菜類に自然に含まれるが、大豆から作られる特定の食品に特に多く含まれる。イソフラボン類を最も多く含む食品はすべて大豆を主原料としている。したがって、ANSESは実施した研究の結果、全ての年齢層に対して、大豆を主原料とする食品の集団給食施設での提供は推奨しない。
・生殖器系への毒性作用のリスク
 この結論に達するために、ANSESはまず摂取に対する毒性参照値(TRVs)、すなわち、その値以下であれば実質的に健康に対するリスクはないという閾値を定義した。ANSESはそのために、ヒト及び動物を対象とした入手可能な科学的知見を根拠とし、生殖器系に悪影響を及ぼす毒性作用に基づいて以下の2つのTRVを設定した。
 ・ 一般集団: 0.02 mg/kg体重/日
 ・ 妊婦、出産年齢の女性及び思春期前の子供: 0.01 mg/kg体重/日
 次にこれらの値を、ANSESが実施した諸調査(第三回目の全国規模の個人の食品摂取調査(INCA3)、第二回トータルダイエットスタディ(TDS2)、子供を対象としたTDS(iTDS))から収集されたデータに基づいて算出したフランス国民の食事性ばく露量と比較した。
 結論: 大豆を主原料とする食品の摂取者の内にはTRVを超過するリスクがある。これらの食品を摂取する3歳~5歳の子供の76%ではTRVを超えており、11歳~17歳の女子の53%、18歳以上の男性及び18歳~50歳の女性の47%も同様である。これらの結果から、ANSESは、集団給食施設で摂取される食事がTRV超過リスクの原因とならないようにするために、これらの食品を集団給食施設で提供しないよう推奨するに至った。
・大豆のイソフラボン含有量を減らすことは必要であり、かつ、可能である
 ANSESは、大豆以外の豆類はイソフラボン類が明らかに少ないことを踏まえ、植物由来食品を多様化することを推奨する。また、大豆を主原料とする製品のイソフラボン含有量を低減するための対策をとることも可能である。現在、大豆を主原料とする食品の間で、イソフラボン含有量に大きなばらつきが見られる。例えば、大豆を主原料とする塩味のビスケット(アペリティフ・ビスケット)には、醤油の100倍のイソフラボン類が含まれている。このばらつきは同じ種類の食品にも見られ、例えばフランス市場に出ている大豆入りデザートでは、含有量は2倍もの開きがあることがある。これは複数の要因によるものである。大豆の品種、栽培条件、植物の成熟の度合いの要因がある一方、製造方法や調理法における配合の要因もある。そのためANSESは、製造企業及び農産物生産者に対し、イソフラボンの含有量を抑えつつ食品の製造を可能にする農学的技術や製造方法を実施するよう推奨する。
 当該「イソフラボンの長期経口摂取に対するTRVsの設定に関する意見書及び報告書」(130ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.anses.fr/fr/system/files/VSR2022SA0221RA.pdf
 当該「イソフラボン含有食品の摂取による健康リスク評価の要請に関する意見書」(53ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.anses.fr/sites/default/files/NUT2022SA0221.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/eviter-les-isoflavones-dans-les-menus-des-restaurations-collectives
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