食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06480440149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、「欧州連合/欧州自由貿易連合(EU/EFTA)のフードチェーンにおけるカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)の出現と拡大(Part 1: 2025年更新)」と題する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2025年4月8日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は4月8日、「欧州連合/欧州自由貿易連合(EU/EFTA)のフードチェーンにおけるカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)の出現と拡大(Part 1: 2025年更新)」と題する科学的意見書(87ページ、2025年3月12日採択、doi: 10.2903/j.efsa.2025.9336)を公表した。概要は以下のとおり。 カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)は、欧州連合/欧州自由貿易連合(EU/EFTA)加盟30か国のうち14か国のフードチェーンで報告されている。報告された遺伝子の多くは、blaVIM-1、blaOXA-48及びblaOXA-181であり、次いでblaNDM-5及びblaIMI-1である。調査の大半で対象となっている大腸菌、及びエンテロバクター・クロアカ群(Enterobacter cloacae complex)、肺炎桿菌群(Klebsiella pneumoniae complex)及びSalmonella Infantisが最も多くみられるCPEである。大腸菌分離株は高いクローン多様性を示す。IncHI2プラスミド(blaVIM-1及びblaOXA-162)、IncCプラスミド(blaVIM-1及びblaNDM-1)、IncX3プラスミド(blaNDM-5及びblaOXA-181)、IncIプラスミド及びIncLプラスミド(blaOXA-48)が頻繁に報告されている。ほとんどの報告は、陸生の食料生産動物及びその環境(主に豚、次いで牛及び家きん、また時にそれらの食肉(EUのモニタリング及びフォローアップ遡及調査の対象))に由来する。水生動物由来及び非動物由来の食品を調査した研究は少ないが、CPEの高い多様性が認められている。 CPE検出数の顕著な増加が観察されており、それは主に豚に由来するもので、2021年(blaOXA-181(イタリア))及び2023年(blaOXA-48(スペイン)、blaOXA-181、blaOXA-48、blaOXA-244、blaNDM-5(ポルトガル))に特定の国で急増が見られた。フードチェーン内及びヒトから又はヒトへのCPE伝播、クローン株及び/又は遺伝子の水平的拡散の状況証拠を示すデータは非常に少ない。EU/EFTA加盟国では、フードチェーンにおけるCPEの検出とその特性評価のために様々な方法が用いられている。その感度の向上について検討する必要がある。EU/EFTA加盟30か国のうち10か国は、CPE管理のための特別な緊急時対応計画を有しており、疫学的調査(遡及調査など)はそれらの計画に共通して含まれる行動である。 全体として、体系的に監視されている対象以外の、細菌種や汚染源に関するデータは依然として乏しい。他の細菌種や汚染源、伝播経路や検出方法の最適化に関するデータギャップを埋めるための提言が示されている。フードチェーンにおけるCPE拡散の要因に対処するためのワンヘルスアプローチが必要である。 (以下、本意見書公表に係るEFSAのニュース記事から抜粋) カルバペネマーゼ産生細菌は、かつては主に病院関連の懸念事項であったが、現在では欧州中の食用動物や食品から検出されている。これは、EU/EFTAのフードチェーンにおけるカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)の出現と拡散に関するEFSAの最新の科学的意見書の知見のひとつである。 これらの細菌が食品を通じてヒトに伝播するという決定的な証拠はないが、同一の株が動物及びヒトの両方から見つかっており、両者の間での伝播の可能性が示唆されている。 CPEは、カルバペネム系抗菌性物質を不活性化する酵素(カルバペネマーゼ)を産生する細菌である。これらの抗菌性物質はヒトの重篤な感染症の治療に使用されている。これらの薬剤に対する耐性は公衆衛生上の重大なリスクであり、有効な治療の選択肢がほとんどなくなる可能性がある。 EFSAの最新の意見書は、2013年の評価を基に、2025年2月末までのデータと文献をレビューしたものである。これは、欧州疾病予防管理センター(ECDC)からの情報と、EU及びEFTA加盟国から収集した情報に基づいている。 1. 主要な知見 ・2011年以降、EU/EFTA加盟30か国のうち14か国のフードチェーンからCPEが検出されている。 ・最も頻繁に報告されたCPEは、大腸菌、Enterobacter属、Klebsiella属、Salmonella属菌であり、主に陸生の食料生産動物(豚、牛、及び程度は低いが家きん(これらはEUの薬剤耐性に関する所定のモニタリングの対象動物種である))に由来する。 ・CPEの報告数は、特に豚、牛及び家きんで増加しており、いくつかの加盟国で2021年及び2023年に大幅に増加している。 ・EU/EFTA加盟30か国のうち10か国が、これらの細菌の管理と調査のための緊急時対応計画を策定している。 2. 主な提言 CPEの出現と拡散を防止又は最小化するために、EFSAは以下を推奨する: ・現在監視対象となっていない他の食品源(水産物や野菜など)、及び追加の細菌種(Klebsiella属など)への監視活動の拡大 ・作業者や飼料を介した拡散の可能性を含め、伝播経路を明らかにするための検出方法の改善、遡及調査、及び細菌の分子タイピングの実施 ・これらの細菌がフードチェーンでどのように拡散するのかについて、理解を深めるための的を絞った調査の設計に対する研究の重点化 3. 次のステップ EFSAは、国や動物種によって見つかる遺伝子にばらつきがあることを考慮し、EU及びEFTA加盟国がCPEの出現と拡散についてさらに調査し、新たなデータを作成することを支援する。最新の知見を反映した更新版の意見書は2027年に公表予定である。 同ニュース記事は以下のURLから閲覧可能。 https://www.efsa.europa.eu/en/news/carbapenem-resistance-food-chain |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9336 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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