食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06480230149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、農業用土壌におけるキチン推定量に関する科学的意見書を公表
資料日付 2025年4月3日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は2025年4月3日、農業用土壌におけるキチン推定量に関する科学的意見書(2025年3月5日採択、PDF版13ページ、https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9313)を公表した。概要は以下のとおり。
 本科学的報告書は、欧州議会及び理事会規則(EC)No,1107/2009の第23条(6)に従って意見を求めるという欧州委員会の要請に基づき、規則(EC)No.178/2002の第29条と併せて、キトサン及びキトサン塩酸塩を基本物質とする植物保護用途の認可に関して作成されたものである。
 欧州委員会の権限委託条件の1つとして、キチンとキトサンの構造上の類似性や環境中のキチンが天然に豊富に存在すること等も考慮し、キトサンが自然界に存在するか、あるいは他の用途から派生したものとして、環境中に存在する可能性のあるキトサンのばく露レベルを推定することが求められた。
 したがって、本研究では、(農業用)土壌における生物由来のキチン含有量の推定を報告した。この科学的報告書で考慮されたキチンを生成する生物は、菌類、昆虫、線形動物である。
 この科学的報告書で提示され、議論された計算と数値は、以下のような一般的な不確実性を考慮したものである。
・個体数の変動性、したがって、土壌中のキチン含有量が高いシナリオと低いシナリオがある。
・菌類の個体数については、1桁の不確実性の範囲を考慮して推定された(10の6乗~10の7乗個の菌類細胞/g土壌)。
・昆虫の個体数については、1桁の不確実性の範囲を考慮して推定された(10の7乗~10の8乗個体/ha)。
・線形動物の個体数については、2つの異なる研究に基づいて推定された。1つは地球全体のバイオマス推定値から導き出されたもので、もう1つは関連する生物群系(biome)における現地での定量化から導き出されたものである。
 菌類は細胞壁にキチンを恒常的に含むため、キチン生産の主な要因であると考えられた。今回の手法に基づくと、菌類によるキチン寄与は、最初の0~5 cmの層では20~204 kg/ha、0~20 cmの層では80~815 kg/haと概算された。
 昆虫も、クチクラ、外骨格、脱皮殻にこのポリマーが存在することから、キチン生産者とみなされた。本意見書に含まれる推定値から、節足動物によるキチン寄与は、最初の0~5 cmの層では7~71 kg/ha、0~20 cmの層では17~173 kg/haと概算された。
 最後に、線形動物の卵殻や咽頭にキチンが存在することから、線形動物もこの報告書で考慮されたが、土壌中の生物学的キチン総量への寄与はわずかであり、最大値でも5 kg/haであると予想される。
 土壌の甲殻類については、収集された情報の不足と存在の変動性により、評価の対象とはされなかった。甲殻類の個体数の規模を推定することは困難であるが、土壌中に予測されるキチン総量にわずかながら追加される可能性が高い。
 全体として、土壌中のキチンは、平均土壌嵩密度1.3 g/cm3に基づき、最初の0~5 cmの層では27~280 kg/ha、0~20 cmの層では99~901 kg/haの範囲にあると推定された。キチンを最も多く生産するのは菌類であり、次いで昆虫である。それぞれの個体数の規模は、農業用土壌中のキチン含有量の最も有力な予測因子である。
 最後に、この推定値は入手可能な科学文献に基づいて算出されたものであることに留意すべきである。一般的なモデルとするためには、異なる土壌の種類や条件におけるフィールド測定と誤差分析を用いた追加的な検証が必要である。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9313
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