食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06470450105
タイトル 米国食品医薬品庁(FDA)、生乳チーズの熟成が活性のあるH5N1ウイルスを低減又は排除可能かどうかを調べる進行中の研究についての最新情報を公表
資料日付 2025年3月14日
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概要(記事)  米国食品医薬品庁(FDA)は3月14日、乳牛における鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの調査のページで、生乳チーズの熟成が活性のある(viable)H5N1ウイルスを低減又は排除可能かどうかを調べる進行中の研究についての最新情報を公表した。概要は以下のとおり。
1. FDAの60日間熟成した生乳チーズ(60-day Aged Raw Milk Cheese)の研究の中間結果では、これまでに収集した検体においてH5N1は検出されなかった
 FDAは2024年12月から、60日間熟成した生乳チーズの検体採取業務を開始した。最初の検体は2025年1月2日に採取され、検体収集は2025年3月末までに完了する予定である。2025年3月10日現在、計画されている299検体のうちの110検体が収集された。これらの110検体のうち、96検体はPCR検査で陰性(分析された検体中にはH5N1が検出されなかったことを意味する)であり、14検体はまだ分析中である。今春後半には最終結果が出ると予想される。
2. コーネル大学の研究結果により、熟成工程のみでは生乳チーズ中の活性のあるH5N1を排除するのには効果的ではない可能性が示唆されている
 FDAは、連邦及び州の関係機関と協力して、乳牛における高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)A(H5N1)の進行中の集団感染への対処を継続している。FDAは、乳、チーズ、バター、及びアイスクリーム等の合計464点の加熱殺菌処理(pasteurized)乳製品について検体採取した。これらは全て、活性のあるH5N1に対して陰性であった。さらに、複数の調査研究において、加熱殺菌処理により当該ウイルスが不活性化されることが確認されている。
 FDA及びニューヨーク州はコーネル大学で実施された研究に資金提供し、生乳チーズを少なくとも60日間熟成させることが、活性のあるH5N1の低減又は排除に効果的であるかどうかを評価した。
3. 熟成生乳チーズの研究
 生乳チーズの熟成が活性のあるH5N1の低減又は排除に効果的であるかどうかをより深く理解するために、FDAはコーネル大学での特定の研究に資金を提供した。熟成とは、特定の生乳チーズが州間商取引に入る前に、識別規格(standard of identity)の規則を満たすために行う必要がある最低限の工程である。当該研究は、生乳チーズを製造するための全ての商業プロセスを表しているわけではないが、プレプリント(査読前原稿)でプレビューできるその結果は、生乳チーズを60日以上熟成させることは、チーズ中の活性のあるH5N1を排除するのに効果的ではないことを示唆している。H5N1は、加熱処理していない生乳チーズ中で、60日間の熟成工程を経ても生残した(つまり、活性があった)。ただし、本研究において生乳を54℃(華氏130度)で15分以上、あるいは60℃(華氏140度)で10秒以上加熱することにより、H5N1は不活化された。
4. 消費者向けの情報
 FDAは、加熱殺菌処理がH5N1の不活性化に効果的であり、市販の加熱殺菌処理乳の供給は安全であると確信している。現在までに、小売を意図した加熱殺菌処理乳製品及び熟成生乳チーズのFDAの検査では、感染性を有するH5N1を検出していない。そのチーズが生乳で作られたかどうかを知りたい消費者は、製品のラベル表示を確認する場合があるであろう。製造で使用されている乳が生又は加熱殺菌処理されているかどうか、チーズのラベル表示において、原材料リストに明示する連邦の要件はないが、多くのチーズは、使用される乳が加熱殺菌処理又は生であるかどうか原材料リスト(又は製品ラベルの他の場所)に開示している。FDAは、現在までのところ、熟成生乳チーズ製品の摂取によるH5N1患者を把握していない。FDAは、HPAIの状況を継続的に監視し、米国農務省(USDA)、米国疾病管理予防センター(CDC)、州の関係機関、学術界、及び産業界と共に、H5N1を理解し、低減するためのワンヘルス・アプローチを用いて、この進行中の集団感染の影響を軽減する方法について協働している。
5. 産業界向けの情報
 FDAは、乳製品生産者がUSDA又は州の検査プログラムに登録することにより、H5N1感染について乳牛群を監視するよう引き続き勧告している。乳牛群がH5N1に感染した場合、USDAは乳製品生産者に対し、臨床的な病状のある畜牛を他の搾乳牛群から隔離するよう勧告している。FDAは、生乳チーズ等の生乳製品の生産に感染牛由来の乳を使用しないよう勧告し、熱処理又は加熱殺菌処理が共にH5N1を不活性化する効果的な手段であることを製造業者に注意喚起している。これまでの研究では、生乳を54℃(華氏130度)で15分以上、あるいは60℃(華氏140度)で10秒以上加熱することにより、生乳中のH5N1を不活性化できることが示されている。さらに研究者らは、非加熱処理生乳チーズをpH6.6又は5.8で製造してもH5N1は不活性化されないのに対し、pH5.0ではH5N1は急速に不活性化されたことを明らかにした。pH調整が実用的な介入であるかどうかを判断するには、さらなる研究が必要である。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/食品医薬品庁(FDA)
情報源(報道) 米国食品医薬品庁(FDA)
URL https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/investigation-avian-influenza-h5n1-virus-dairy-cattle
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