食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06430480475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、新たなアプローチによる評価手法(NAMs)を用いたタンパク質の毒性特定のための戦略の提案を目的としたProtoxプロジェクトについて情報を提供 |
資料日付 | 2025年1月9日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は1月9日、新たなアプローチによる評価手法(new approach methodologies: NAMs)を用いたタンパク質の毒性特定のための戦略の提案を目的とした、Protoxプロジェクトについて情報を提供した。概要は以下のとおり。 ANSES Fougeres研究所は、NAMsを用いて、タンパク質の毒性を特定するための戦略を提案することを目的としたProtoxプロジェクトを統括した。食事性であれ環境由来であれ、現実として、ヒトは新たなタンパク質にばく露される可能性があり、その健康に対するリスクは、動物試験を最小限に抑制しつつ評価する必要がある。同研究所の毒物学者であり、本プロジェクトのコーディネーターを務めたKevin Hogeveen氏による説明は以下のとおり。 Q: Protoxプロジェクトとは? K. Hogeveen氏(※以下、KH): 2022年12月~2024年5月に行われたProtoxプロジェクトは、ANSES Fougeres研究所とルクセンブルク科学技術研究所が主導した。我々は、欧州食品安全機関(EFSA)による、現状とは異なり動物を用いない試験によるタンパク質毒性評価の可能性を探究するプロジェクトの公募に応じた。事実、特に倫理上の理由から、動物実験を抑制するNAMsを開発することが、このプロジェクトの目的である。しかし今までのところ、タンパク質の毒性を評価するためにこのような方法が開発され、規制上の承認を得たことはほとんどない。 Q: どのタンパク質が対象となるのか? KH: 本プロジェクトの文脈において、EFSAは主に、遺伝子組換え生物(GMO)と新食品を含む、食品や飼料に含まれるタンパク質(新たであるかどうかに関わらず)の安全性に関心を持っている。本プロジェクトは、食品の加工時に添加される酵素などの食品加工工程にて使用されるタンパク質や、一部の国で生物農薬として使用されたり、植物に害虫耐性を付与するために使用されるGMO由来のタンパク質も対象としている。しかし、この戦略は、真菌類、植物、藻類が産生する毒素など、食品や環境を汚染する可能性のあるあらゆる種類の毒性タンパク質にも適用可能である。実際、気候変動により、一部の種がより広い地域から見つかっている。そのため、毒性が必ずしも十分に特定されていないタンパク質にばく露されるリスクがある。また、労働従事者も職業活動の過程において生物農薬や毒素にばく露される可能性がある。したがって、我々の目的は、毒性タンパク質について知られている様々な作用機序を考慮に入れて、NAMsに基づいた試験の戦略を提案することであった。 Q: 研究の内容は? KH: 文献とタンパク質に関する利用可能なデータベースをレビューした結果、7,000種類の潜在的な毒性タンパク質を特定した。これらのタンパク質を、毒性メカニズムの種類とそれらを産生する生物間の類縁関係ごとにグループ化した。遺伝学的に近縁のグループは多くの場合、類似した毒性メカニズムを持つ。これらの毒性メカニズムは、細胞死の誘導、酸化ストレスの誘発(酸化による細胞内分子の攻撃)や、正常な細胞機能に不可欠なイオンチャネルの遮断など多様である。我々は、これらの多様な毒性メカニズムに焦点を当てた最適な試験群を特定した。提案された一般的な戦略に加えることのできるこの試験は、いくつものパラメータに依存する。それらは、規制に適用する際の検証可能な程度や受容性、検査可能なタンパク質の数、必要な時間、コスト、複雑さ、全ての研究室に対するアクセスの可能性などである。 Q: どのようなアプローチを提案するのか? KH: 我々は多段階の戦略を提案した。第一段階はタンパク質のin silico評価、すなわちコンピュータ解析によって得られる評価である。これは、新しいタンパク質の構造を、既知の毒性タンパク質の構造と比較することである。これにより、新しいタンパク質が毒性を有する確率を推定し、毒性である場合、どのメカニズムを優先的に検査すべきかを推定することができる。また、新しいタンパク質が、毒性化合物を産生することがすでに知られている種に由来する場合、これも新しいタンパク質の評価を促すことになる。 第二段階は、in vitro試験に基づいている。試験の数とその特異性は、現在入手可能な情報によって決まる。つまり、可能性の高い毒性メカニズムが特定されている場合、in vitro試験バッテリーでは当該毒性メカニズムを優先する。情報が存在しない場合は、正当化されない限り、考えられる全ての作用機序を検査しなければならない。次の段階では、ばく露経路にさらに特異的な試験が実施されることになる。例えば、ばく露源が経口経路である場合、タンパク質が腸に及ぼす影響が評価される。これらの二次試験により、新しいタンパク質が腸への毒性を誘発するか、炎症を引き起こすか、或いは腸管バリアを通過するかどうかが明確にされる。 内臓に分布する可能性のあることが知られているタンパク質について、腸管バリアの通過が観察された場合、適切な試験を用いて、心臓系や神経系などの他臓器への影響評価が実施される。同様の理論は、吸入又は皮膚接触を通じて人体に侵入する場合にも適用される。 Q: 研究にはどのような展開が予定されているか? KH: 本プロジェクトの最終報告書はEFSAによって検証され、2024年11月5日に公開された。提案された戦略がタンパク質の毒性評価のために、欧州の規制に採用されうるかどうかを判断するのは時期尚早である。しかしながら、本戦略は動物実験を用いる現行の戦略に組み入れられ、両戦略の有効性を比較することになる。 当該プロジェクトの最終報告書は以下のURLから閲覧可能。 食品及び飼料のリスク評価における(新規)タンパク質を対象としたin vitro毒性試験アプローチの特定(Identifying in vitro toxicity testing approaches for (novel) proteins in the context of food and feed risk assessment) https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2024.EN-9099 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/la-recherche-de-nouvelles-strategies-pour-tester-la-toxicite-des-proteines |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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