食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06430030108
タイトル 米国環境保護庁(EPA)、無機ヒ素の統合リスク情報システム(IRIS)毒性評価の最終版を公表 (前半1/2)
資料日付 2025年1月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国環境保護庁(EPA)は1月13日、無機ヒ素(Inorganic Arsenic(iAs))の統合リスク情報システム(IRIS)毒性評価(Toxicological Review)の最終版を公表した。
 当該評価は、無機ヒ素(CAS登録番号:7440-38-2)へのばく露による潜在的ながん及び非がんのヒト健康影響について記載している。EPAのプログラム及び地域事務所は、当該評価を用いて、ヒトの健康を保護するための決定を通知する可能性がある。
(以下、エグゼクティブ・サマリーより抜粋)
 発生及び健康影響の概要
 無機ヒ素(iAs)は、水、食品、土壌、及び大気中に存在する天然の化合物である。更に、ヒ素は工業プロセスや排出物を通じて環境に放出される可能性がある。ヒ素は塗料、染料、金属、医薬品、石けん、半導体中に使用され、限られた範囲で木材防腐剤(商業用途及び海洋用途)にも使用されている。農業用途、採鉱、及び製錬も、環境へのヒ素放出の一因となっている。ヒ素は無臭無味の化学物質で、地中の天然堆積物又は農業・工業活動から、飲料水、食料、土壌、及び大気中に入り込む可能性がある。そのため、飲料水及び食品の摂取、大気の吸入、並びに経皮接触によってヒ素にばく露される可能性がある。
 当該統合リスク情報システム(IRIS)プログラムは、複数のEPAの国家及び地域プログラムの要請により、このiAsの評価を作成している。当該評価に用いられた方法は、当該iAsプロトコルの中にまとめられており、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)によって評価されている。方法及び問題の定式化の決定は、NASEMからの事前の情報に大きく影響された。この毒性評価は、以前のIRIS評価(1995年)を更新するものである。この評価の範囲設定及び問題の定式化は、他の機関(世界保健機関(WHO)、米国EPA、米国国家毒性プログラム(NTP)、国際がん研究機関(IARC)、米国食品医薬品庁(FDA)、米国毒性物質疾病登録庁(ATSDR))が実施した評価を広範囲に活用している。
 ヒト疫学研究では、iAsへのばく露と、がん及びがん以外の健康転帰(outcome)との間に多くの関連性が特定されている。iAsプロトコルに記載されているように、皮膚がん、膀胱がん、及び肺がん、並びに皮膚病変は、EPA及びその他の保健機関による以前の評価に基づいて、認められた(accepted)iAsのハザードの転帰である。EPAは、疫学的証拠に基づいて「ヒトに対して発がん性がある」としてヒ素を分類しており、その分類は今回の当該評価でも維持されている。これらの転帰について、この評価の焦点は、がんリスクの定量的推定値を更新することである。今回の当該評価では、NASEMによる推奨及び支持に従って、利用可能な疫学的証拠の評価に基づいて、循環器系の非がん影響、胎児、新生児、及び乳児の健康転帰、神経発達影響、並びに糖尿病に関する新しい証拠の統合及び判断の結論が導かれた。
 堅牢な疫学的証拠に基づいて、現在利用可能な証拠により、十分なばく露条件が与えられた場合、iAsがヒトにおいて循環器系疾患(DCS)及び糖尿病を引き起こすことが示されている。ヒトからの堅牢な証拠は、証拠が示す最も強力な証拠統合の結論につながる。循環器系の疾患については、このハザードの結論を裏付ける主な根拠として、虚血性心疾患(IHD)及び高血圧の増加、並びに関連する心血管疾患のエンドポイントである動脈硬化症及び再分極異常(QT延長等)の証拠が挙げられる。糖尿病については、2型糖尿病の発症率の増加が主な裏付け証拠となる。これら2つの非がん性ハザードについて定量的推定値が導出され、参照用量(RfD)を特定するために用いられた。
 胎児、新生児、及び乳児の健康転帰と神経発達影響については、中程度(moderate)の証拠統合判定が下され、現在入手可能な証拠により、無機ヒ素が十分なばく露条件を与えられた場合、ヒトにおいて胎児、新生児、及び乳児の健康転帰と神経発達影響を引き起こす可能性が高い(likely)ことを示している。胎児、新生児、及び乳児の健康転帰については、このハザードの結論を裏付ける主な証拠として、胎児及び乳児の死亡率の上昇と、胎児及び出生後の成長、妊娠期間又は出生体重の逆相関(inverse)が挙げられる。神経発達影響については、主な裏付けとなる証拠として、小児及び青年における認知行動障害が挙げられる。胎児、新生児、発達神経認知(developmental neurocognitive)、及び乳児の健康転帰についてはRfDが導出された。
非がん及びがんの影響に対する毒性値
 従来の非がん毒性値(すなわち、RfD及び臓器/系特異的(organ-/system-specific)RfD(osRfD))と確率論的毒性値(すなわち、用量あたりのリスク値(Risk-at-a-dose value))を提示することにより、iAs評価の利用者は、異なるiAsばく露レベル(例えば、最終RfDの数倍)におけるそれぞれのエンドポイントの生涯追加リスク(lifetime extra risk)を推定することができる。なお、RfDの定義は、「ヒト集団(感受性の高いサブグループを含む)に対する一日の経口ばく露量の推定値(不確実性係数はおそらく1桁程度の範囲)であり、生涯にわたって有害な影響が生じるリスクがほとんどないと考えられる量」である。従来の毒性値も確率論的毒性値も、特定の意思決定の文脈において有用である。モデリング結果についてはセクション4(略)で説明されている。EPAによる特定の決定は、法的要件に基づきこのような値の使用に依存しているため、従来のRfDを提示することは重要である。確率論的手法も、例えばリスクベネフィット分析において有用である。しかし、従来の値と確率論的値の策定には、異なる仮定、方法、不確実性が伴う。このような相違は、EPAなどによるリスク評価の策定時に、状況に応じて考慮されることになる。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06430031108)
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/環境保護庁(EPA)
情報源(報道) 米国環境保護庁(EPA)
URL https://iris.epa.gov/document/&deid=363892

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