食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06410740475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、「豚と牛の混合農場の豚におけるD型インフルエンザウイルス遺伝子再集合株の特性評価」と題する研究論文を紹介
資料日付 2024年12月3日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は12月3日、「豚と牛の混合農場の豚におけるD型インフルエンザウイルス遺伝子再集合株の特性評価」と題する研究論文を紹介した。概要は以下のとおり。
 D型インフルエンザウイルスは、主に牛が罹患するインフルエンザのウイルスであるが、ANSES Ploufragan-Plouzane-Niort研究所は、フランスで初めて豚からこのウイルスを分離した。この種間伝播は、本ウイルスのヒトへの伝播リスクの可能性をより深く検討することを目的とした研究の重要性を物語っている。
 本疾病は、豚と牛の両方を飼養しているブルターニュ地方のある農場で検出された。何頭かの豚に咳やくしゃみの症状が見られたため、農場の担当獣医師が分析検査室に検体を送付した。これらの初期分析の後、ANSESの同研究所は、観察された臨床徴候の原因がD型インフルエンザウイルスであることを確認した。「D型インフルエンザは特に牛に害を及ぼす。このウイルスが豚に感染する可能性があることは知られていたが、フランスで豚からウイルスが分離されたのは今回が初めてである」と同研究所の豚ウイルス学・免疫学ユニット長であるGaelle Simon氏は説明する。本ウイルスはすでに米国、イタリア、ルクセンブルク、アイルランド、オランダを含む、いくつもの国で豚から検出されており、一般に豚に現れる臨床徴候はわずかである。ヒトへの伝播のリスクは非常に低く、現在までに記録された伝播の可能性例は不確定なままである。
・物理的な近接性が、ある種から別の種への伝播を容易にする
 ANSESの研究者らは、豚がどのように感染したのかをより深く理解するために、この農場を訪れた。農場内での牛から豚へのウイルスの伝播は確認できなかったが、豚舎の換気口が牛舎のすぐそばにあることを考慮すれば、伝播の可能性は非常に高い。さらに、この畜産業者によると、何頭かの若い雄牛が農場に到着して間もなく呼吸器疾患の症状を呈した。したがって、本ウイルスは空気伝播、或いは道具や衣服を介して伝播した可能性があった。異なる年齢の豚から採取した検体を分析した結果、ウイルスは除去される前に豚の間で伝播していたことがわかった。
・新たな種への適応を回避する
 研究者らは、豚から分離された本ウイルスのゲノムを研究して、ウイルスに2つの新しい変異があることに気づいた。その位置を考慮すると、これらの変異はウイルスの新たな種への適応を容易にする可能性がある。しかしながら、この仮説は依然確認する必要がある。「この例は、農場内で種を分け隔てること、及び消毒されていない資材をある地域から別の地域に移動させないように注意することの重要性を思い起こさせるものである」と同氏は述べる。D型インフルエンザウイルスの豚への適応は、動物衛生に対するリスクとなる。さらに、豚は、特に人獣共通感染症のインフルエンザの原因となりうるA型インフルエンザウイルスの場合と同様、インフルエンザウイルスのヒトへの適応を助長する中間宿主となることが知られている。したがって、綿密な監視が不可欠である。
 当該論文(Emerging Infectious Diseases(2024, 30(8):1672-1676、doi: 10.3201/eid3008.240089))は以下のURLから閲覧可能。
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/30/8/24-0089_article
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/influenza-D-une-transmission-possible-des-bovins-aux-porcs
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