食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06410700322
タイトル スイス連邦保健局(BAG)、「スイス抗生物質耐性報告書(SARR)2024年」を公表
資料日付 2024年11月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  スイス連邦保健局(BAG)は11月18日、「スイス抗生物質耐性報告書(SARR)2024年」を公表した。概要は以下のとおり。
 2015年に開始されたスイス抗生物質耐性戦略(StAR)は、抗生物質の責任ある使用を促進し、耐性のまん延を抑えることを目的としている。新しい行動計画「ワンヘルスStAR 2024~2027年」は、これらの取り組みを強化することになる。スイス抗生物質耐性報告書(SARR)は2年ごとに、この分野の現状を分析し、最新の進展状況を総括する。
(※以下、当該報告書「2. 要約」より抜粋)
・動物における耐性モニタリング
 2つの異なるシステムによって、動物の抗生物質耐性の監視が行われている。ヒトに対するリスクを評価するために、健康な食肉用の動物及び食肉において、指標共生細菌(commensal indicator bacteria)と人獣共通細菌が監視の対象となっている。通常、指標共生細菌はそれ自体では病原性を示さないが、他のいくつかの細菌(ヒトにおいて病気の原因となりうる細菌を含む)に耐性を伝播する可能性がある。したがって、食用肉の動物及び食肉における指標細菌、特に大腸菌の監視は、耐性の変化を観察するための有用な手段である。人獣共通細菌は、動物や食品を介してヒトに伝播する可能性があり、人獣共通感染症と呼ばれる感染性疾患を引き起こす。
・食肉用の動物及び食肉における抗生物質耐性の変化は一様ではない
 肥育鶏、肥育豚、食肉用の子牛の腸内に存在する大腸菌に関しては、耐性率は2021年~2023年に異なる変化を遂げた。鶏では、フルオロキノロン系に対する大腸菌の耐性率の低下が確認された: 鶏での耐性率は34%に低下したが、豚と子牛では10%未満で安定していた。テトラサイクリン系とスルファミド系に対する耐性率は、全ての家畜種で低下している。基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)/AmpC産生大腸菌は、ヒトの医療にとって重要な抗生物質であるセファロスポリン系に対して耐性を示すが、多くの場合、別の抗生物質に対しても耐性を示す(多剤耐性)。これらの大腸菌の耐性率は、鶏では再び著しく低下したが(2022年: 4.3%)、豚では停滞し(2023年: 6.2%)、子牛では上昇した(2023年: 32.7%)。
 2020年以降、小売店由来の鶏肉検体に含まれるESBL/AmpC産生大腸菌が再び低下していることが観察された。2022年には、この割合はスイス産鶏肉で4.2%であったのに対し、外国産鶏肉では47.4%であった。したがって、検出された割合は2014年以降、スイス産鶏肉(2014年: 65.5%)と外国産鶏肉(2014年: 85.6%)の両方で大幅に低下している。
 小売店で販売される七面鳥肉は、2022年に初めて分析の対象となった。ESBL/AmpC産生大腸菌は外国産七面鳥の検体の25.7%から検出されたが、スイスの検体からは検出されなかった。何年にもわたり、これらの値は小売店で販売される豚肉や牛肉では非常に低い(約1%)。輸入牛肉からはESBL/AmpC産生大腸菌は検出されなかった。
・家きんにおけるカンピロバクター属菌の耐性は安定している
 スイス及び他の欧州諸国における人獣共通感染症の大部分は、カンピロバクター属菌によって引き起こされる。カンピロバクター属菌は食品、特に生鮮鶏肉を介して伝播することが多く、胃腸障害を引き起こす。キッチンでの簡単な衛生規則を守ることで、食品に含まれる当該細菌による感染症を回避することができる。
 スイス産肥育鶏で調査されたフルオロキノロン系に対するカンピロバクター属菌(Campylobacter jejuni)の耐性率は、2022年には45.7%であり、2018年以降、高水準ではあるが安定している。マクロライド系(カンピロバクター属菌によって引き起こされる重症感染症の治療に使用される抗生物質)に対する当該細菌の耐性率は、依然として低く5%未満である。
 当該報告書(232ページ、英語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.star.admin.ch/dam/star/de/dokumente/sarr-24.pdf.download.pdf/241108_SARR24.pdf
地域 欧州
国・地方 スイス
情報源(公的機関) スイス連邦保健局(BAG)
情報源(報道) スイス連邦保健局(BAG)
URL https://www.bag.admin.ch/bag/fr/home/das-bag/aktuell/news/news-18-11-2024.html
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