食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06410050464 |
タイトル | オーストリア保健・食品安全局(AGES)、飲料水中のヒ素に関する研究の概要を公表 |
資料日付 | 2024年11月13日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | オーストリア保健・食品安全局(AGES)は11月13日、飲料水中のヒ素に関する研究の概要を公表した。内容は以下のとおり。 2024年1月に欧州食品安全機関(EFSA)が無機ヒ素の評価の基準値を変更したため、飲料水中のヒ素に関する以下のリスク評価が作成された。 オーストリア飲料水条例では、飲料水中のヒ素のパラメーター値(訳注 基準値)は10 μg/Lに設定されている。無機ヒ素は遺伝毒性のある発がん物質である。無機ヒ素の再評価において、EFSAは安全な範囲を定義することができなかった。ばく露量計算の結果、現在有効なパラメータ値に相当する10 μg/Lの無機ヒ素濃度は、特に乳児や幼児において多いばく露量に関連していることが示された。さらに、無機ヒ素は、食物や吸入(タバコの煙など)によっても吸収される。 このため、現在有効なパラメータ値に例外を設けるのではなく、ヒ素レベルを下げる措置を講じ、必要に応じて影響を受ける人々に通知して、特に感受性の高い人口グループのリスクを軽減することが推奨される。 危険性の特定 一般 ヒ素は半金属(メタロイド)であり、有機ヒ素と無機ヒ素に分類される。有機ヒ素は通常、炭素と水素に結合しているが、無機ヒ素は通常、硫黄、またはほとんどの場合、酸素との化合物中に三価または五価の形態で存在する。これらのいわゆるオキソアニオン(酸素と結合したヒ素)三価または五価の形態は、亜ヒ酸塩(三価の無機ヒ素)及びヒ酸塩(五価の無機ヒ素)と呼ばれる。硫黄に結合したヒ素は、分析測定中にオキソアニオンに変換されるため、無機ヒ素は通常、亜ヒ酸塩とヒ酸塩の合計として測定される。飲料水中のヒ素は、主に無機形態のヒ酸塩として存在する。したがって、飲料水中のヒ素に関する今回の声明では、無機ヒ素に焦点を当てている。無機ヒ素の主な摂取源は食物と飲料水である。 飲料水中のヒ素の存在データ AGESが入手した飲料水中のヒ素の公式検体データによると、検査された956検体のうち907検体はヒ素の定量下限(2 μg/L)を下回っていた。高い値は散発的に見られ、公式検体で測定された最高値は29.6 μg/Lであった。 トキシコキネティクス 研究によると、動物とヒトの間では、トキシコキネティクスとその結果生じる無機ヒ素の影響に大きな違いがあることが示されている。したがって、無機ヒ素のリスク評価には、疫学研究やヒトのデータのみが使用される。 無機ヒ素は、かなりの割合(45~80%)まで急速に吸収され、その後はほぼすべての臓器に到達する。さらに、無機ヒ素は胎盤関門を通過することができる。対照的に、無機ヒ素はごく少量しか母乳に到達しない。 無機ヒ素の代謝は、一連の還元、メチル化、及び接合プロセスを通して行われる。代謝能力は、ヒ素の毒性に大きな影響を与える。 無機ヒ素及びそのメチル化代謝物は尿を介して排泄され、半減期は約2~3日である。 種間の変動が大きく、その結果、動物による毒性研究の結果をヒトに適用でないことに加え、性別、栄養状態、ライフステージ、及び遺伝的要因(代謝やトランスポーター遺伝子に関連する多型)に応じて、ヒトの間でも大きな変動がある。 無機ヒ素の健康への影響 無機ヒ素は遺伝毒性発がん物質であり、2012年に国際がん研究機関(IARC)によりヒトに対する発がん性物質(グループ1)に分類された。2024年1月の再評価において、EFSAは新たに発表された毒性学研究を考慮した。疫学研究では、EFSAは皮膚がんを最も重要な健康影響として特定した。EFSAによると、無機ヒ素への慢性ばく露によるその他の関連する健康影響には、肺がん及び膀胱がん、皮膚病変、出生体重減少、自然流産、死産、乳児死亡率、先天性及び虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化、及び神経発達への影響が挙げられる。 本記事の詳細は以下のURLより入手可能である。 https://www.ages.at/download/sdl-eyJ0eXAiOiJKV1QiLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9.eyJpYXQiOjE2MDk0NTkyMDAsImV4cCI6NDA3MDkwODgwMCwidXNlciI6MCwiZ3JvdXBzIjpbMCwtMV0sImZpbGUiOiJmaWxlYWRtaW4vQUdFU18yMDIyLzZfRk9SU0NIVU5HL1dpc3Nlbi1Ba3R1ZWxsL1Jpc2lrb2Jld2VydHVuZy9CZXJpY2h0X0Fyc2VuX2luX1RyaW5rd2Fzc2VyX1x1MDBmNmZmZW50bGljaC5wZGYiLCJwYWdlIjoyMzkwfQ.nD2haOc038jZ7h6XMe2mXeLgDRo2iM8Q2zGBxZlrAKc/Bericht_Arsen_in_Trinkwasser_%C3%B6ffentlich.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | オーストリア |
情報源(公的機関) | オーストリア保健・食品安全局(AGES) |
情報源(報道) | オーストリア保健・食品安全局(AGES) |
URL | https://www.ages.at/forschung/wissen-aktuell/detail/arsen-in-trinkwasser |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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