食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06390450475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、微生物叢への影響評価のレビュー(RIMICIA)プロジェクトの研究成果を紹介 |
資料日付 | 2024年10月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月29日、微生物叢への影響評価のレビュー(Review Impact MICrobiome In Assesment (RIMICIA))プロジェクトの研究成果を紹介した。概要は以下のとおり。 特定の細菌や化学物質の存在が、豚や鶏の腸内細菌叢を変化させる可能性がある。これらの因子の研究は、カンピロバクター属菌やサルモネラ属菌等、ヒトに病原性のある微生物を飼養段階から抑えるのに役立つ可能性がある。 消化器系に定着する微生物は、宿主の健康に影響を及ぼすことが明らかにされているが、微生物叢を変化させる因子については、依然として不明である。ANSESは、欧州食品安全機関(EFSA)の資金提供を受けたRIMICIAプロジェクトに参加した。本プロジェクトの目的は、動物衛生とヒトの健康のリスク評価に微生物叢を含めるために考慮に入れることのできるパラメータを特定することであった。ANSES Ploufragan-Plouzane-Niort研究所の研究者らが動物衛生の研究を実施し、スペイン高等科学研究評議会がヒトの健康面を担当した。 研究者らはまず科学文献を調べ、先行研究ですでに明らかにされている微生物叢を変化させる因子(栄養素、化学物質、食品添加物、微生物の存在)を調査した。次に、補足研究で掘り下げるべき特定の因子に重点的に取り組んだ。 1. サルモネラ属菌とカンピロバクター属菌が鶏の微生物叢に及ぼす影響 「文献レビューにより、特定の微生物の存在が鶏の腸内細菌叢の構成を変化させることがわかった。そのためプロジェクトの残りの部分では、カンピロバクター属菌とサルモネラ属菌の存在が鶏の微生物叢に及ぼす影響の研究に重点的に取り組んだ。この2つの細菌は、欧州における主要な食品由来疾患の原因菌であり、キッチンでの取扱い時や食品の加熱が不十分な場合にヒトに感染する。当該細菌は、ヒトに対して病原性があるが、動物には病原性がない」とANSESの家きん・豚製品衛生品質ユニットの責任者であるMarianne Chemaly氏は説明する。 鶏にこの2つの細菌のうちの一方又は両方を同時に接種した後、カンピロバクター属菌の存在が微生物叢の構成にほとんど影響を与えないことが観察された。一方、サルモネラ属菌の存在は、腸内細菌叢の種の豊富さと多様性を減少させたが、鶏の健康に観察できる影響はなかった。 2. 同時感染の場合に細菌の量が増加 この2つの細菌が同時に存在する場合、微生物叢への影響はほとんどないが、サルモネラ属菌とカンピロバクター属菌による同時感染は、それぞれ単独の場合と比べて、2つの細菌の量を腸内で増加させる。「これらの細菌が食肉を汚染する確率は、鶏の腸内におけるそれらの量に比例するため、ヒトの健康に対するリスクが高まる」と同氏は説明する。 3. サルモネラ属菌と関連してかび毒が豚の成長を遅らせる 科学文献によると、豚の腸内微生物叢に大きく影響を与える因子の一つは、かび毒であるデオキシニバレノール(DON)の存在である。真菌によって生成される本毒素は、これらの動物の飼料を汚染する可能性がある。RIMICIAプロジェクトの研究者らは、本かび毒の影響に関するデータを補完し、それがサルモネラ属菌の増殖を促すかどうかを調べることを目的として研究を行った。そのために、豚の飼料にDONを添加し、そのうちの何頭かにサルモネラ属菌を接種した。実験の終了時までに、DONは豚の腸内においてサルモネラ属菌の量を変化させなかったが、DONとサルモネラ属菌の両方を投与された豚は、同じ量の飼料を摂取していたにもかかわらず、他の豚よりも体重が少なかった。DONが腸内細菌叢に及ぼす影響は個体によってさまざまであり、このばらつきは、より詳細な研究によって説明する必要がある。 当該論文「Effects of Major Families of Modulators on Performances and Gastrointestinal Microbiota of Poultry, Pigs and Ruminants: A Systematic Approach」(Microorganisms(2023, 11(6):1464、doi: 10.3390/microorganisms11061464))は以下のURLから閲覧可能。 https://www.mdpi.com/2076-2607/11/6/1464 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/microbiote-intestinal-des-porcs-et-poulets |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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