食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06360050314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、文書「アクリルアミドは体内でも生成される」を公表 |
資料日付 | 2024年7月10日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月10日、文書「アクリルアミド(acrylamide)は体内でも生成される」を公表した。概要は以下のとおり。 アクリルアミドはでんぷん質の食品を加熱すると形成され、例えばフライドポテト、ポテトチップス、コーヒーなどに含まれている。タバコの煙も、その発生源の一つである。この物質には発がん性の疑いがあるため、欧州連合(EU)の食品製造業者やレストランは、食品中のアクリルアミド含有量を最小限に抑える措置を講じなければならない。BfRの研究チームは、今回興味深い発見を確認した。アクリルアミドは体内でも生成され、その量はこれまで予想されていたよりも多いという明確な証拠がある。研究者らは、この研究結果を学術誌「Archives of Toxicology」(https://link.springer.com/article/10.1007/s00204-024-03798-z)に発表した。 この研究では、混合食主義者(mixed food eater)、完全菜食主義者(vegan)及び生食主義者(raw food eater)の体内に存在するアクリルアミドの量を比較した。尿と血液の検体が、アクリルアミド反応生成物ついて分析された。生食主義者は少なくとも4か月間にわたって加熱食品を摂取していないため、体内の量は非常に少ないことが予測された。しかし、彼らの体内のアクリルアミド反応生成物の量は、混合食主義者における量に対して、25%(尿)と48%(血液)であることが判明した。これは体内におけるアクリルアミドの形成により説明される。本研究によって、完全菜食主義者の食事は、混合食主義者の食事と比較して、アクリルアミドの摂取量が大幅に多いことも示された。 当該論文の概要は以下のとおり。 アクリルアミドは有機(炭素含有)化合物である。当該化合物は、産業界では、プラスチック(ポリマー)や顔料の原料として使用されている。約20年前、炭水化物が豊富な食品を高温で、例えば焙煎、焼き、揚げなどの調理中にアクリルアミドが形成されることも発見された。特に高濃度で含まれるものドは、フライドポテトやポテトチップスなどのポテト製品、朝食用シリアル、パン(特にクリスプブレッド)、コーヒーなどである。もう一つの発生源はタバコの煙である。 動物実験では、アクリルアミドには遺伝毒性、変異原性、発がん性があることが示されている。一方、疫学研究(集団研究)では、この物質の摂取と発がんリスクの増加の間に明確な関連性はまだ確立されていない。 BfRの調査には、混合食主義者と完全菜食主義者36名、厳格な生食主義者16名が参加した。生食主義者は自然食品のみを食べるため、アクリルアミドの摂取量はごく少量であると推測される。体内におけるアクリルアミドへの短期ばく露量を推定するため、代謝産物であるアクリルアミドメルカプツール酸(acrylamide mercapturic acid)の排泄を24時間わたって採取した尿で測定した。数か月にわたる中期ばく露量は、アクリルアミドと赤血球色素ヘモグロビンの反応生成物(付加物)を分析することによって決定された。 生食主義者のアクリルアミド付加物の割合が混合食主義者の48%であるという事実は、人体によるアクリルアミドの「自己生成」が相当起こることを示しているが、その程度まではこれまで測定されていない。外部から供給されていないのであれば、このアクリルアミドの発生源は何なのか?一つの可能性は酸化ストレスである。酸化ストレスは、細胞内に攻撃的な活性酸素化合物を生成する。これらがアクリルアミドの形成を促進する可能性がある。もう一つの可能性は、腸内細菌による形成である。また、エタノール(飲料用アルコール)やニトロソアミン(nitrosamine)などの他の毒性物質も、体内で生成されることも知られている。アクリルアミドに関しては、リスク評価のために、この内部(内因性)形成からどのような結論が導出されるのかを議論する必要がある。 完全菜食主義者は、混合食主義者よりもアクリルアミドを多く摂取する。 この研究では、完全菜食主義者は混合食主義者よりもアクリルアミド摂取量が多いことも判明した。アクリルアミド付加物のレベルは、完全菜食主義者の方が約40%高いことも判明した。これはおそらく、揚げた野菜、豆腐やグルテンミート(seitan)で作った肉代替品、パンの平均摂取量が多いためであると推測される。ドイツの栄養に関するBfRミール・スタディ(MEAL Study)のデータからも、野菜チップス、ポテトパンケーキ、フライドポテトには比較的高いレベルのアクリルアミドが含まれている可能性があることもわかった。 BfRのウェブサイトにおけるアクリルアミドのその他の情報は以下のURLなどより入手可能である。 アクリルアミドに関するQ&A https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_about_acrylamide-128397.html 食品中のアクリルアミドに関する見解 https://www.bfr.bund.de/cm/349/acrylamide-in-food.pdf https://www.bfr.bund.de/cm/349/effects-of-acrylamide-on-humans-not-entirely-clear-yet.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/cm/349/acrylamide-is-also-produced-in-the-body-itself.pdf |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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