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資料管理ID syu06350860160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、食物過敏症の反応発生の傾向、医療受診の状況及び重篤度に関する外部機関による調査結果を公表
資料日付 2024年8月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は8月29日、食物過敏症の反応発生の傾向、医療受診の状況及び重篤度に関する外部機関(※訳注)による調査結果を公表した。概要は以下のとおり。
 英国人口の約3%がIgE介在性食物アレルギー患者であり、生命を脅かす可能性があるアレルギー反応のリスクにさらされている。真に重篤なアナフィラキシーのリスクが特に高い人を特定できないことや、そういった反応につながる状況を特定できないことは、重要な知識のギャップの表れである。本プロジェクトでは、これらの問題をより深く理解することを目指した。
「背景」
 食物アレルギー患者は、偶発的なばく露により食物アレルギー反応を経験する可能性がある。これらの反応は一般的に、「重篤でない(non-severe)」、「致命的な食物アナフィラキシー(fatal food anaphylaxis)」、及び「ほぼ致命的な食物アナフィラキシー(near-fatal food anaphylaxis)に分類される。食物に対する重篤でないアレルギー反応は一般的なものであり、その発生率は致命的な食物アナフィラキシーの1,000倍に及ぶ。しかし、国民健康サービス(National Health Service:NHS)において使用されている現在の診断コーディング・システムでは、これらの反応が発生した状況に関する正確なデータを得ることが困難である。
 このプロジェクトでは2つの重要な疑問に取り組んだ。
1. 食物過敏症(FHS)反応発生の傾向、並びに医療受診(病院受診及びプライマリ・ケア受診の両方)の結果はどのようなものとなっているか?
2. 生命を脅かすような重篤な食物反応を取り巻く状況は、どのようなものとなっているか?
「目的及びアプローチ」
 このプロジェクトは2つの作業パッケージ(WP)に分類された。
1. WP1
 NHS データセットを使用して、1998 年から 2018 年までの英国におけるFHSに関連する医療受診の発生率を説明する。
アプローチ:
・調査員らは、調査期間中、FHSによる医療受診を評価するために、現存するNHSデータセット(入院、救急受診、集中治療入院、CPRD(※訳注: 英国臨床診療研究データリンク)を介したプライマリ・ケア受診)を使用した。ヘルスケア・システムを通した患者パスも、これらの異なるデータセットと合わせて評価された。
2. WP2
 英国アレルギー・臨床免疫学会(British Society for Allergy and Clinical Immunology:BSACI)を介して、既存の欧州アナフィラキシー・レジストリ(European Anaphylaxis Registry:NORA)に完全に調和した、英国アナフィラキシー・レジストリを将来的に確立する。
アプローチ:
・NORAの英国パートは現行の欧州レジストリと同じプラットフォームを使用して設けられている。
・関連した情報を得ることを目的とした、医療従事者や患者による参加は、英国及びアイルランドにおける小児救急研究所(PERUKI)ネットワークとの連携のもと、BSACIによって調整された。
・回答率を上げるために様々な質問バージョンが作られた。(1)非急性期医療部門の医療従事者が記入しやすいように、既存のNORAデータフィールドにマッピングした包括的なフォーム、(2)よりプレッシャーの大きな急性期医療部門でのデータ報告が増やせるように、主要なデータフィールドを備えたより短いフォーム、(3)患者又はその保護者が記入するためのフォーム。
「主な結果」
1. WP1
・食物誘発性アナフィラキシーは、報告されたアナフィラキシーによる入院例の29.4%を占め、調査期間における人口10万人当たりの推移をみると、年間1.23例から4.02例へと有意に増加した。
・しかし、1998年から2018年の間に食物誘発性アナフィラキシーによる入院が年間5.7%増加したにもかかわらず、症例致死率(致死的転帰に至った入院例の割合)は1998年の0.7%から2018年には0.3%未満と半分以下に減少した。
・調査期間中の死亡152例は、食物誘発性アナフィラキシーが原因である可能性があった。
・少なくとも死亡86例(46%)はピーナッツ又は木の実によるものであった。
・16歳未満の子供における致命的なアナフィラキシーの最も一般的な原因は、牛乳であったと報告された。
・アドレナリン自己注射器(AAI)の処方は、食物誘発性アナフィラキシーのリスクがある人々における重要なリスク管理介入であるが、AAIの処方不足が顕著となっている。データによると、過去に食物誘発性アナフィラキシーを経験した人の40%はAAIを処方されておらず、少なくとも59%はAAIの再処方を受けていなかった。
・食物アレルギーに関する医療受診のほとんどは、一般診療の形で行われていた。調査期間中の2008年から2018年の間に、食物アレルギーと診断された人のうち、救急外来を受診した人は3%未満であった。したがって、FHSに関する医療サービスの利用パターンの分析にあたり、病院データのみを使用するのでは、包括的な概要が得られない可能性がある。
2. WP2
 英国アナフィラキシー・レジストリの立ち上げが遅れた上に、COVID-19パンデミックによるNHSサービスへの大きな負荷も影響した。このため、クリニックや救急外来でのレジストリの採用は予想を下回った。その結果、レジストリに記録された偶発的なばく露による食物アレルギー反応はごくわずか(5%未満)で、そのほとんどは18歳未満の子供及び青年ということになった。
 臨床医及び患者の記録作業にかかる時間的負担を軽減する等、データの報告を最適化する方法を理解するには、更なる作業が必要とされるであろう。
 当該調査報告書「Food anaphylaxis in the United Kingdom: analysis of national data, 1998-2018 」(PDF版、10 ページ)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.bmj.com/content/372/bmj.n251
(※訳注)外部調査機関:Imperial College London
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/research/food-hypersensitivity/using-nhs-data-to-monitor-trends-in-the-occurrence-of-severe-food-induced-allergic-reactions

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