食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06330860149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのヨーロッパ・イエコオロギ粉末の安全性に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2024年7月29日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月29日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのヨーロッパ・イエコオロギ(Acheta domesticus)粉末の安全性に関する科学的意見書を公表した(6月26日採択、PDF版24ページ、https://doi.org/10.2903/j.efsa.2024.8919)。概要は以下のとおり。 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのヨーロッパ・イエコオロギ粉末の安全性に関する科学的意見を表明するよう求められた。 2021年7月7日、NDAパネルは、規則(EU) 2015/2283第10条に準拠する新食品としてのヨーロッパ・イエコオロギ個体全体に由来する、冷凍及び乾燥調製品の安全性に関する意見を採択し、提案された用途及び用量において、当該新食品はヒトが摂取しても安全であると結論している。2022年2月10日公布の欧州委員会施行規則(EU) 2022/188により、冷凍、乾燥、粉末状態のヨーロッパ・イエコオロギの市場投入が認可されている。 2022年3月23日、NDAパネルは、規則(EU) 2015/2283第10条に準拠する新食品としてのヨーロッパ・イエコオロギの部分脱脂粉末の安全性に関する意見を採択し、提案された用途及び用量において、当該新食品はヒトが摂取しても安全であると結論している。2023年1月3日公布の欧州委員会施行規則(EU) 2023/5により、ヨーロッパ・イエコオロギの部分脱脂粉末の市場投入が認可されている。 1. 新食品としての安全性に関する結論 本申請の対象である当該新食品は、ヨーロッパ・イエコオロギの粉末であり、規則(EU) 2015/2283第3条(v)に記載される「動物あるいはその部位から構成される、それから分離される、それから製造される食品」のカテゴリーに該当する。 当該新食品は、「イエコオロギ(house cricket)」としても知られるヨーロッパ・イエコオロギの粉末からなる。ヨーロッパ・イエコオロギはコオロギ科、コオロギ亜科、ヨーロッパ・イエコオロギ属に属する昆虫の一種であり、当該種は、オーストラリア、アジア、アフリカ、北米、欧州等、世界中の多様な地域にて野生している。 製造工程は十分に詳述されており、安全性上の懸念を提起しない。NDAパネルは、当該新食品の特性は十分に評価されていると判断する。当該新食品は、主として、タンパク質、脂肪、食物繊維(主にキチン)、無機物から構成されている。当該新食品中に含有される汚染物質の濃度は、昆虫飼料中の汚染物質の含有量に依存する。飼料に適用されるEU法が遵守される限り、当該新食品の摂取は安全性上の懸念を提起しない。 当該新食品が、保存可能全期間中にわたり提案された規格基準に準拠する場合、安定性に関し安全性上の懸念は提起されない。 申請者は、当該新食品を複数の食用製品の原材料として市場投入することを意図している。対象集団は一般集団である。体重1 kg当たりの推定最高摂取量は、小児(3歳 - 10歳未満)に対して算出され、摂取量分布の95パーセンタイルである、1日当たり1,308 mg当該新食品/kg体重であった。 NDAパネルは、提案された用途及び用量における当該新食品の摂取は、分析された望ましくない物質類(重金属、毒素)の総食事性ばく露に大きくは寄与しない点に留意する。 当該新食品に由来するタンパク質のPDCAAS(Protein Digestibility Corrected Amino Acid Score)値は、6ヶ月齢から3歳までの小児において0.53と算出され、含硫アミノ酸(メチオニン + システイン)が制限アミノ酸となっている。NDAパネルは、非タンパク質性窒素であるキチンの存在により、当該新食品のタンパク質濃度が過大評価されている点に留意する。また、申請者は、精製タンパク質(true protein)ではなく、粗タンパク質(crude protein)の消化率から算出したPDCAAS値を用いて、当該新食品のタンパク質品質を評価した点にも留意する。したがって、提供された数値は、当該新食品のタンパク質品質を正確に反映していない可能性がある。当該新食品が食事性タンパク質の唯一の供給源ではなく、多様かつ複合的な食事に組み込まれる点、EU集団において平均タンパク質摂取量は高く、栄養摂取基準値(Dietary Reference Value(DRV))を超過することが多い点を考慮すると、当該新食品の摂取がタンパク質性の栄養摂取に悪影響を及ぼすことはないと予想される。 提案された用途及び用量を考慮すると、分析された微量栄養素類に対する既存の上限値を超過することはない予想される。 報告された当該新食品中の抗栄養因子の濃度は、他の食品類の濃度と同程度である。NDAパネルは、キチンはヒトの小腸にて有意となる程度には消化されないと予想し、大部分は変化せずに排泄されると想定している。当該新食品の成分組成及び提案された使用条件を考慮し、NDAパネルは、当該新食品の摂取は栄養学上の不利益はもたらさないと結論する。 NDAパネルは、申請者から遺伝毒性試験及び亜慢性毒性試験は提出されていない点に留意する。ヨーロッパ・イエコオロギの使用歴及び毒性学的情報、当該新食品の成分組成データからは、安全性上の懸念は提起されない。 NDAパネルは、当該新食品の摂取により、ヨーロッパ・イエコオロギのタンパク質に対する一次感作が誘発される可能性があると判断する。また、甲殻類、ダニ類、軟体動物類にアレルギーのある摂取者において、アレルギー反応が引き起こされる可能性があると判断する(交差反応性)。さらに、飼料由来のアレルゲン(グルテン等)が当該新食品に含有される可能性がある点にも留意する。 NDAパネルは、当該新食品は、提案された用途及び用量において、安全であると結論する。くわえて、摂取によりアレルギー反応が引き起こされる可能性がある点に留意する。 2. 規則(EU)2015/2283第26条に準拠する独自データの保護に関する結論 NDAパネルは、申請者が独自であると主張する以下に関するデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関し、結論に達することはできなかったと考える。 ・ 当該新食品のアイデンティティ ・ 製造工程及び飼料の成分組成 ・ 成分組成データのバッチ間分析 ・ 栄養情報及び消化率試験 3. 推奨事項 NDAパネルは、他種のアレルゲンとの交差反応性を含め、ヨーロッパ・イエコオロギのアレルゲン性に関し、研究の実施を推奨する。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8919 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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