食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06330770314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月25日、穀類製品中の麦角アルカロイドに関するQ&Aを更新 |
資料日付 | 2024年7月26日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月25日、穀類製品中の麦角アルカロイドに関するQ&Aを更新した。概要は以下のとおり。 2013年11月12日付け意見書の更新版であり、本文は全面的に改訂・更新されている。 麦角アルカロイドは、麦角菌(Claviceps purpurea)など、特定の真菌類の代謝産物である。これらのアルカロイドは、用量にもよるが、軽度から重度の健康被害を引き起こす可能性がある。ドイツと欧州連合(EU)の研究により、ライ麦製品に限らず、他の穀物種から作られた穀物製品にも、高濃度の麦角アルカロイドが含まれている可能性があることが明らかになっている。各収穫年の栽培と気象条件によっては、穀類に真菌の永続的形態である暗色の固い壁の菌核(麦角)がますますはびこり、不利な状況下で穀類製品中の麦角アルカロイド濃度が上昇する可能性がある。BfRは、穀類製品中の麦角アルカロイドの健康リスクに関する質問と回答をまとめた。 Q1. 麦角アルカロイドとは何か? A1. (略) Q2. 麦角アルカロイドがヒトに与える健康上のリスクは? A2. 少量の麦角アルカロイドを経口摂取すると、吐き気、腹痛、筋収縮、頭痛、心血管障害(高血圧など)、中枢神経系(CNS)の障害などの急性症状が現れることがある。ヒトのデータでは、摂取量が少なくても子宮収縮が起こり、子宮出血や流産につながる可能性がある。多量の麦角アルカロイドを摂取した場合、急性毒性作用として、血管収縮作用による循環障害、特に心筋、腎臓、四肢の障害が報告されている。症状は幻覚、痙攣、感覚障害、麻痺を伴うことがあり、呼吸停止や心停止を経て死に至ることもある。 中程度の量の麦角アルカロイドを慢性的に摂取すると、生殖への影響も生じることがある(流産の誘発、出生体重の低下、乳汁分泌の欠如など)。高濃度の麦角アルカロイドを慢性的に経口摂取すると、高濃度の麦角アルカロイドを急性摂取した場合に相当する症状が現れる。この知見は、特定の麦角アルカロイドが医薬品の有効成分として使用された場合や、麦角アルカロイド含有量の高い穀類製品の摂取後に疾病が発生した場合の望ましくない影響の観察に基づいている。 Q3. 食品中の麦角アルカロイドの健康評価に使用できる健康ベースの指針値はあるか? A3. 2012年、欧州食品安全機関(EFSA)は、麦角アルカロイドの耐容摂取量に関する健康ベースの指針値(HBGV)を初めて導出した。短期的摂取については1 μg/kg体重/日の急性参照用量(ARfD)、長期的摂取については0.6 μg/kg体重/日の耐容一日摂取量 (TDI)である。HBGV はラットの動物実験から導出され、薬物使用による薬理学的所見と比較された。血管および子宮の収縮は、最も敏感な毒性学的エンドポイントとして使用された。 Q4. 消費者はどのような食品と通して麦角アルカロイドを摂取する可能性があるか? A4. (略) Q5. 麦角アルカロイドはどのようにして穀類に混入するか? A5. (略) Q6. 消費者は穀物製品に麦角アルカロイドが含まれているかどうかを見分けられるか? A6. (略) Q7. 食品中の麦角アルカロイドの危険に特にさらされている消費者グループは? A7. (略) Q8. BfRは穀物製品中の麦角アルカロイドによる健康リスクをどのように評価しているか? A8. BfR は2023年に、選択された穀物製品に含まれる麦角アルカロイドによってもたらされる健康リスクの評価を実施した。この評価では、消費量に比べて体重が低いため、影響を受けやすい消費者グループである生後6か月から6歳までの子どもを対象にした。BfRは、2013年から2021年までに実施されたドイツの公式モニタリングのデータに基づき、特にライ麦製品の摂取により、急性健康被害が中程度の確率で発生する可能性があると結論した。したがって、毒性学の観点から、食品中の麦角アルカロイドの含有量をさらに引き下げるためにさらなる努力が必要である。 Q9. 穀物及び穀物製品中の麦角菌核及び麦角アルカロイドの含有量について法的規制はあるか? A9. 2015年以降、欧州委員会規則(EU)2015/1940に基づき、未加工の穀類(トウモロコシとコメを除く)0.5g/kgの麦角菌核の最大基準値が適用されている。これは2022年1月1日に0.2g/kgに引き下げられた(欧州委員会規則(EU)2021/1399)。未加工のライ麦には、引き続き0.5g/kgの最大基準値が適用される。2025年7月1日からは、未加工のライ麦においても0.2g/kgへの引き下げが予定されている(欧州委員会規則(EU)2024/1808)。 Q5の説明にもあるが、麦角アルカロイドは損傷のない麦角菌核だけでなく、穀類の輸送・貯蔵・加工中に発生する麦角菌核の破片や粉塵を介してフードチェーンに混入する可能性がある。このため、穀物中の麦角菌核の含有量に関する法的拘束力のある規制に加え、欧州委員会規則(EU)2021/1399では、毒性学的に最も関連性の高い12種類の麦角アルカロイド(エルゴタミン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴメトリン、エルゴコルニンおよびそれらのエピマー)の合計の最大基準値を初めて設定した。これらは2022年1月1日に施行された。 食品の摂取による麦角アルカロイドの吸収をさらに減らすため、欧州委員会規則(EU)2024/1808では、個々の最大基準値の引き下げを決定、または予定している。 大麦、小麦、スペルト小麦、オート麦の挽き割り製品(灰分含有量900mg/100g未満)については、従来の100 μg/kgから50 μg/kgに引き下げる。 ・大麦、スペルト小麦、オート麦については、2024年7月1日以降、50 μg/kgに変更 ・小麦は2028年7月1日以降、50 μg/kgに変更 ・ライ麦挽き割り製品およびエンドユーザ―向けに上市されるライ麦については、2028年7月1日以降、従来の500 μg/kgから250 μg/kgに変更。 さらに、大麦、小麦、スペルト小麦、オート麦の挽き割り製品(灰分含有量900mg/100g以上)、エンドユーザ-向けに上市される大麦、小麦、スペルト小麦、オート麦の穀物、小麦グルテン、乳幼児向けの穀物加工食品についても、最大基準値が設定されている。 Q10. 麦角アルカロイドの発生を抑制するためにどのような措置が講じられるか? A10. (略) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zu_ergotalkaloiden_in_getreideerzeugnissen-188362.html |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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