食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06330590149 |
タイトル | EFSAニュース:欧州食品安全機関(EFSA)、海産物中のビブリオ属菌がもたらす公衆衛生上のリスクに関するFAQを公表 |
資料日付 | 2024年7月23日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月23日、海産物中のビブリオ属菌がもたらす公衆衛生上のリスクに関するFAQを公表した。概要は以下のとおり。 1. ビブリオ属菌とはどのようなもので、人々はどのように感染する可能性があるか? ビブリオ属菌は、主に海洋沿岸水域や(河川と海が接する)汽水域に生息し、適度な塩分濃度の温水域で増殖する水生細菌である。ビブリオ属菌は、生又は加熱不十分な状態でのカキなどの海産物や貝類の摂取によって、ヒトに胃腸炎や重篤な感染症を引き起こす可能性がある。ビブリオ属菌を含む水への接触も、創傷部や耳の感染症を引き起こす可能性がある。 2. 欧州連合(EU)で海産物の摂取による公衆衛生上のリスクをもたらすのは、どのビブリオ属細菌種か?ビブリオ属菌感染の症状はどのようなものか? ビブリオ属の細菌群は、ビブリオ症を引き起こす可能性があるいくつかの種から構成されている。EUでは、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ・バルニフィカス(V. vulnificus)及びV. choleraeが、海産物の消費を通じて最も公衆衛生に関係している細菌種である。腸炎ビブリオは、健康な個人に胃腸炎を引き起こす可能性があり、ビブリオ・バルニフィカス及び非O1/非O139 V. choleraeは、脆弱な個人において重篤な感染症、敗血症、及び死につながる可能性がある。 3. EUで上市される/上市が意図される海産物中のビブリオ属菌の汚染率及び濃度レベルは? ・腸炎ビブリオは検査された海産物検体の約20%から検出され、陽性5検体中1検体に病原株が含まれていた。 ・ビブリオ・バルニフィカスは、検査された海産物検体の約6%から検出された。同定されたすべてのビブリオ・バルニフィカス株は潜在的に病原性であると考えられている。 ・コレラを引き起こさない種類の(non-choleragenic)V. choleraeは、検査された海産物検体の約4%から検出された。 4. ビブリオ属菌が水生環境で生存・増殖できるための要因は何か? いくつかの要因によって、さまざまな水生環境でビブリオ属細菌は生存・増殖可能となる。最も関連性の高いものは以下のとおり。 ・温度:ビブリオ属菌の増殖に最適なのは、温暖な状況である。水温が高いほど、ビブリオ属菌の出現・増殖は促進される。 ・塩分濃度:ビブリオ属菌は増殖に最適な条件として、一定の塩分濃度を必要とする。そのため、塩分濃度の低い水域や汽水域でのリスクはより高い。 5. 海産物及び海産物媒介感染症患者から分離されたビブリオ属細菌種における薬剤耐性(AMR)の現状は?欧州の消費者に対するリスクはどのようなものか? 海産物から検出され、ヒトに対する病原性をもつ細菌におけるAMRの存在は、公衆衛生上の潜在的な影響から懸念されている。EFSAの最新の評価では、海産物から検出されたビブリオ属細菌分離株、及び/又は欧州で食品媒介感染症を引き起こしているビブリオ属細菌分離株に関する研究において、最終手段となる抗菌性物質を含むいくつかの抗菌性物質に対する耐性が検出されたことが強調されている。入手可能なエビデンスが限られているため、専門家らは比較可能なデータを収集するための調査の実施を推奨している。 6. 気候変動は、海産物におけるビブリオ属菌の汚染率にどう影響を与えるか?どのエリアが特にリスクにさらされるか? 過去20年間に熱波のような異常気象が増加したため、欧州ではビブリオ属菌感染症が増加している。沿岸水域の温暖化により、ビブリオ属細菌が増殖可能なエリアが拡大し、汚染された海産物の摂取による感染リスクが高まっている。特にリスクにさらされている地域には、汽水域や塩分濃度の低い水域(バルト海、バルト海と北海の移行水域、黒海など)や、大規模な河川が流入する沿岸地域が含まれる。EFSAの今回の評価において、専門家は、沿岸の温暖化や熱波のような異常気象などの気候変動の影響により、海産物のビブリオ属菌による汚染率やそのレベルは、世界的にも欧州においても、特に塩分濃度の低い水域や汽水域において増加すると予測している。 7. 海産物中のビブリオ属菌は、どのように予防・管理できるか? 海産物中、特に非加熱摂取を意図した海産物中のビブリオ属菌の予防・管理には、加工・輸送・保管の間のコールドチェーンの維持が重要である。ビブリオ属菌を減少させることが可能な対策は、高圧処理、放射線照射、並びに(瞬間)冷凍及びそれに続く長期冷凍保存である。生きた軟体動物を、清潔かつ海水を循環させた水槽に入れ、微生物のろ過を行う浄化処理(Depuration)を、生きたまま消費するカキのために、管理された条件下で行うことが推奨されている。消費者に対する推奨事項には、海産物の適切な取り扱い及び調理を確保すること、特に脆弱な個人に対しては、生又は加熱不十分な製品の摂取を避けることが挙げられる。 8. 次は? 専門家は、追加的かつ調和されたデータを収集するための重要な優先事項として、一次生産及び小売の段階にある適当な魚介製品において、関連性のあるビブリオ属菌に関するEU全体のベースライン調査を開始することを推奨している。そうすれば、これらのデータは、気候変動が海産物のビブリオ属菌汚染率に及ぼす影響を研究するにあたってのリファレンスとして使用可能となる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/news/vibrio-bacteria-seafood-increased-risk-due-climate-change-and-antimicrobial-resistance |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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