食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06330500378
タイトル 欧州委員会(EC)、硝酸塩汚染に対して十分な対策を講じなかったとして、ベルギーを欧州司法裁判所(CJEU)に付託することを決定した旨を公表
資料日付 2024年7月25日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州委員会(EC)は7月25日、硝酸塩汚染に対して十分な対策を講じなかったとして、ベルギーを欧州司法裁判所(CJEU)に付託することを決定した旨を公表した。概要は以下のとおり。
 ECは7月25日、硝酸塩指令(理事会指令91/676/EEC)の定めるところにより、ベルギーがフランドル地域(Flemish region)の硝酸塩汚染に対して十分な対策をとらなかったとして、同国をCJEUに付託することを決定した。本指令は、農業由来の硝酸塩汚染から地表水と地下水を保護することを目的としている。モニタリングによって硝酸塩による汚染が判明した場合、加盟国はそのような汚染を防止・低減するための行動計画を策定する義務がある。既存の対策で汚染が減少しない場合は、追加の対策を直ちに講じなければならない。
 汚染ゼロの目標を掲げる欧州グリーンディールは、大気、水、土壌の汚染を、ヒトの健康と自然生態系に有害と考えられなくなるレベルまで低減することを求めている。水中の硝酸塩は、健康への悪影響や、淡水や沿岸水域の損なわれた生態系の原因となっている。近年、フランドル地域では地下水と地表水の汚染が著しく悪化しており、これらの水域は欧州連合(EU)域内で最も汚染されている水域の一つである。フランドル当局による報告書は、フランドル地域の一連の硝酸塩行動計画は成果を上げることができず、これまで汚染レベルは非常に高いままであり、ヒトと環境にリスクをもたらしていることをはっきりと示している。
 ECは2023年2月、ベルギーに対し、フランドル当局が硝酸塩汚染に対する緊急対策をとるよう要請する正式な通知書を送付した。その後、2023年9月には理由を付した意見書が出された。ベルギー当局が緊急対策の必要性を初めて認識してから約5年が経過したが、フランドル地域はいまだに必要な対策をとっていない。したがって、ECはベルギー当局による取組みは現在まで不十分であると判断し、ベルギーをCJEUに付託する。
・背景
 硝酸塩指令は、地下水や地表水を汚染する農業由来の硝酸塩を防ぎ、適正な農業慣行の使用を促進することで、欧州全域の水質を保護することを目的としている。硝酸塩指令は水枠組み指令の不可分の一部を成しており、農業による圧力から水域を保護するための重要な手段の一つである。
 過剰な硝酸塩濃度は、湖や川で他の生物を窒息させ、魚を死に至らしめる藻類の過剰生長を促進することにより、淡水や海洋環境を損なう可能性がある。このプロセスは「富栄養化」として知られている。飲料水から過剰な硝酸塩を浄化することも非常にコストのかかるプロセスであり、そのコストは配水会社や、場合によっては家庭等の水利用者が負担することが多い。
 2023年2月、ECは、ワロン地域(Wallonia)における硝酸塩汚染による水質の悪化を理由として、ベルギーをCJEUに付託した。この事例は、2023年3月にワロン地域の改訂された硝酸塩行動計画が採択されたことを受けて終了した。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州委員会(EC)
情報源(報道) 欧州委員会(EC)
URL https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_3743
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