食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06330020314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、野生のイノシシのレバーの摂取がPFASの高摂取に寄与するとの意見書を公表
資料日付 2024年8月2日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は8月2日、野生のイノシシのレバーの摂取がPFASの高摂取に寄与するとの意見書を公表した。概要は以下のとおり。
 ・パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、広範囲に存在し、環境中に拡散している非常に難分解性の高い工業用化学物質である。これらの物質は、特に食品を介しても体内に入り込む。
 ・欧州食品安全機関(EFSA)は、4種類のPFASの合計について、耐容週間摂取量(TWI)を4.4 ng/kg体重とした。この値は、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロノナン酸(PFNA)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)の4種類の化合物の合計に適用される。
 ・本意見書において、BfRは、野生のイノシシのレバーの摂取を通したPFAS摂取に起因する可能性のある健康リスクを評価した。本意見書の背景には、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州のデータがある。同州で分析されたイノシシのレバー12検体すべてで、PFOSまたは4種類のPFASの合計について適用されるEUの最大基準値を超えていた。(※補足1)
 ・BfRは、リスク評価において、報告された野生イノシシのレバー中のPFASレベル(平均値、1年に1回1食分の摂取)に基づく推定長期ばく露量は、TWIを超えるという結論に達している。(※補足2)したがって、報告されたレベル(平均値)を含有する野生イノシシのレバーを摂取したヒトの健康への悪影響の可能性は、中程度である。
 ・健康への影響の可能性を評価する際には、消費者がさまざまな食品を通じてPFASを摂取していることを考慮しなければならない。食品全体を通じて4種類のPFASの合計への長期的なばく露の総量と比較すると、野生イノシシのレバーを1年に1回摂取することは、すでにPFASの摂取に大きく寄与している。
 ・BfRは、食品中のPFASレベルを下げる努力を続けることを推奨している。PFOSは2006年以降、PFOAは2020年7月以降、使用がほとんど禁止されている。2023年の初めから、PFASグループの使用に関する差別化された制限の提案がEUレベルで策定中にある。基礎となる技術資料は、ドイツを含む5か国の専門当局によって提出された。
 本意見書の内容は以下のとおり。
 1. 評価の対象
 2. 結果
 3. 根拠
 3.1 リスク評価
 3.1.1 ハザードの特定と特性評価
 3.1.2 ばく露の推定と評価
 3.1.3 追加の内部ばく露の推定
 3.1.4 リスクの特性評価と結論
 3.2 行動の枠組み、対策の推奨
(※補足1) シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の野生イノシシのレバーで検出された4種類のPFASの合計レベルは105~1,332 μg/kg (平均472 μg/kg (n = 12))であった。イノシシのレバーなどの狩猟肉については、規則(EU)2023/915により、2023年1月1日から4種類のPFASの合計レベルの最大値は50μg/kgと定められている。
(※補足2) BfRによるPFASばく露量の推定では、ドイツの成人において、食品全体(飲料水を除く)の摂取を通じた当該4種類のPFASの合計(以下、PFAS(4種類)と略記)に対する長期的な総ばく露量は、EFSAが設定したTWI (4.4 ng/kg体重/週)の範囲の平均レベル(摂取量の中央値)、またはTWIの約2~5倍(平均値または摂取量の95パーセンタイル)に相当する。また、PFAS(4種類)のヒト体内における半減期は長い(最大の割合を占めるPFOSのヒトにおける半減期は1.9~18年(平均5.7年)(参考文献1))。これらを考慮すると、体重70 kgの人が中程度のレベルのPFASを含有する野生イノシシレバー125 gを1回摂取した場合、PFAS(4種類)の血漿中濃度5.6 μg/Lが追加される。EFSAのTWIでのPFAS(4種類)摂取は、血漿中濃度6.9 μg/LのPFAS(4種類)ばく露に相当する(参考文献2)。ドイツ連邦環境庁のGerES V研究(GerES)は、ドイツの青少年を対象にした環境調査)のデータ(12~17歳におけるPFAS(4種類)血漿中濃度の中央値は約4.2 μg/L (参考文献3))に基づくと、野生イノシシのレバー125 gを1回摂取することによって、PFAS(4種類)血漿中濃度は2倍以上になる。
(参考文献1) 評価書 有機フッ素化合物(PFAS) 令和6年(2024年) 6月、食品安全委員会、有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ
(参考文献2) EFSA, Scientific Opinion on the risk to human health related to the presence of perfluoroalkyl substances in food. EFSA Journal., 18(9), 6223 (2020). https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2020.6223
(参考文献3) A. Duffek et al., Per- and polyfluoroalkyl substances in blood plasma - Results of the German Environmental Survey for children and adolescents 2014-2017 (GerES V). Int. J. Hyg. Environ. Health., 228, 113549 (2020). https://doi.org/10.1016/j.ijheh.2020.113549
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/cm/343/der-verzehr-von-wildschweinleber-traegt-zu-einer-hohen-aufnahme-von-pfas-bei.pdf
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