食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06321150322
タイトル スイス連邦保健局(BAG)、年次報告書「スイスにおける環境放射能と放射線量2023年」を公表
資料日付 2024年7月8日
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概要(記事)  スイス連邦保健局(BAG)は7月8日、年次報告書「スイスにおける環境放射能と放射線量2023年」を公表した。概要は以下のとおり。
 BAG放射線防護部門の環境放射能課は、モニタリング計画の一部として実施された測定結果に基づいて、スイス国民に対する放射線学上のリスクを判断し、その結果を年次報告書で公表している。
(※以下、報告書より抜粋)
 モニタリング計画は、大気から降水、土壌、牧草、地表水・地下水、飲料水、堆積物、食品まで、多くの環境部門を扱っている。
「2023年のモニタリング結果」
 2023年に、スイスの食品約300検体(イノシシに対する特別調査活動を除く)と輸入食品の200検体において放射能分析を実施した。
・牛乳
 スイスの牛乳では、セシウム137濃度は、全般的に検出限界を下回り、1 Bq/L前後又はそれ以下にとどまっている。2023年に分析された牛乳の150検体のうち、セシウム137の放射能が1 Bq/Lを超えたのは、1検体のみであった。Centovalli(※訳注: スイス南部の町)産のこの検体のセシウム137濃度は14 Bq/Lであったが、これはTchernobyl(チョルノービリ)条例で許容されているセシウム137の最大値600 Bq/kgをはるかに下回っていた。
 実際、この微量のセシウム137は、Tchernobyl(チョルノービリ)原子力発電所事故後のスイス国土の汚染によるものである。スイスでは、アルプス山脈の南に位置する地域、そして特にTessin(※訳注: スイス南部の州)では、1986年に放射性降下物によって最も大きな被害を受けており、事故から40年近く経った今でも、これらの地域でセシウム137が一部の検体から測定される原因となっている。
 Bale-Ville州(※訳注: スイス北部の州)、放射線物理学研究所(IRA)、Spiez検査室が牛乳の62検体で測定したストロンチウム90濃度は、2023年には、最大値0.21 Bq/L、中央値0.008 Bq/Lと非常に低かった。スイスで測定されたストロンチウム90は、1960年代の核実験による放射性降下物に由来する。したがって、降水量が多い高地の地域は、平野地域よりも被害を受けた。
・イノシシ
 Tessin州は、2013年にBAGと共同で確立した同州管轄地域で捕獲されるイノシシの体系的な管理を2023年も継続した。したがって、2023年には681頭のイノシシが、線量測定器を用いて現地で実施された選別措置の対象となった。22頭(約3%)が、Tchernobyl(チョルノービリ)条例で600 Bq/kgと定められたセシウム137の最大値を超えていた。検査室での検査措置により、セシウム137の最大値が4,830 Bq/kgであることが明らかになった。州の獣医師は当該イノシシを押収した。イノシシが、セシウム137を蓄積する非食用のツチダンゴ属のキノコ(※訳注: Elaphomyces granulatus)を食べることが、イノシシの汚染の原因である。Tchernobyl(チョルノービリ)原子力発電所事故後に地表に降下したセシウム137は、後にこの種のキノコが生育するより深い地層に移行した。Tessin州のように、地表への降下が極めて多かったスイスの地域では、E. granulatusのセシウム137濃度は、10,000 Bq/kgを超えることがある。このキノコが大好物のイノシシは、地中からこれを掘り出して食べるため、イノシシの肉にセシウム137が移行する。
・キノコ
 一部の自生の野生キノコ(特にbolets bais(※訳注: Imleria badia(ニセイロガワリ、イグチ科のキノコ)と思われる)やショウゲンジ(※訳注: Cortinarius caperatus))は、依然としてセシウム137の値が上昇している。しかし、Grisons州(※訳注: スイス東部の州)、Berne州(※訳注: スイスの中央からやや西に位置する州)が2023年に分析した自生キノコの9検体のいずれにおいても、Tchernobyl(チョルノービリ)条例でセシウム137に定められた最大値600 Bq/kgは超過していなかった。記録された最大値は、95 Bq/kg(生鮮重量)であり、平均値は17 Bq/kgであった。
・ミネラルウォーター
 Bale-Ville州検査室は2023年に、主にスイス産のミネラルウォーター中の放射能を測定する調査活動を実施した。30検体のうち7検体から微量のラジウム226が検出された。最も高い値は、スイス産ミネラルウォーター1検体の53 ± 22 mBq/Lであった。30検体のいずれにも、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、鉛210、ポロニウム210、ラジウム224、トリチウム(3H)は含まれていなかった。分析された検体はいずれも、飲料水及び公衆が利用できる水浴・シャワー施設の水に関する条例の附属書3で指標値として定められている総線量0.1 mSv/年を超えていなかった。
・日本産食品
 福島第一原子力発電所事故後、スイスは欧州連合(EU)と同様、日本産食品を管理する計画を開始していた。スイスは2023年8月、日本からの食品の輸入規制を解除し、日本産の又は日本からの食品の輸入に関する条例(RS 817.026.2)は廃止された。
 当該報告書(240ページ、フランス語、ドイツ語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.bag.admin.ch/dam/bag/fr/dokumente/str/ura/jahresberichte/JB_2023_internet.pdf.download.pdf/JB_2023_internet.pdf
地域 欧州
国・地方 スイス
情報源(公的機関) スイス連邦保健局(BAG)
情報源(報道) スイス連邦保健局(BAG)
URL https://www.bag.admin.ch/bag/fr/home/das-bag/publikationen/taetigkeitsberichte/jahresberichte-umweltradioaktiviaet.html
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