食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06320650105 |
タイトル | 米国食品医薬品庁(FDA)、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に関する最新情報を公表 |
資料日付 | 2024年6月28日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | 米国食品医薬品庁(FDA)は6月28日、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に関する最新情報を公表した。概要は以下のとおり。 FDAは、米国農務省(USDA)の連邦関係機関とともに、商用乳加工業者が通常使用する工程を用いた初めての研究結果を発表する。本研究の目的は、加熱殺菌処理(パスツール殺菌(pasteurization))が、液体乳及び加熱殺菌処理した乳から製造されたその他の乳製品中のH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 HPAI)ウイルスの不活化に有効であることをさらに確認することであった。 当該研究は、商用乳処理工程をシミュレートするために設計された現在までのところ唯一の研究であり、最も一般的に用いられる加熱殺菌処理の時間及び温度の要件が乳中のH5N1 HPAIウイルスの不活化に有効であることを明らかにした。これらの結果は、小売店で収集された乳製品297検体全てにおいて活性のある(viable)H5N1 HPAIウイルスが陰性であることが確認されたFDAの最初の小売検体調査を補完するものである。 総合すると、これらの研究により商用乳供給が安全であるという強い保証が得られている。 「この商用乳加工シミュレーション研究は、他機関が発表した最近のベンチトップ研究とは著しく異なる。それらの研究では、熱処理に対するウイルスの感受性に関して様々な結果が出ている」と、FDAの食品安全・応用栄養センター(CFSAN)の消費者安全担当官であるStephen Walker博士は述べている。「最近の他の研究はベンチトップ装置に依存しており、それらは高温短時間(HTST)加工条件を正確にシミュレートするには不十分だった可能性がある。対照的に、本日発表された本研究結果は、他の研究が示唆するよりも、ウイルスが商用加熱殺菌処理装置による熱処理に対してはるかに感受性が高いことを強く示唆している。」 本研究のために、研究者らはまず、商業加工に供される未加熱殺菌(生)乳(unpasteurized (raw) milk)(※以下「未殺菌乳」とする)のウイルスレベルを理解する必要があった。これを行うために、研究者らは感染が確認された4州の複数の酪農場から入手した未殺菌乳275検体を検査した。検体採取は感染した牛群が存在する地域に意図的に重点を置いたため、結果は全国を代表するものではない。個々の酪農場は、検体採取期間中に複数回検体採取することができた。未殺菌乳検体のうち158検体がウイルス断片の陽性反応を示し、そのうち39検体から感染力を有するウイルスが検出され、平均濃度は3.5 log10 EID50(50%鶏卵感染量)/mLであった。これは1 mL当たり約3,000個のウイルス粒子に相当する。 次に、研究者らは、161℉(72℃)で15秒間の牛乳の連続フロー処理が、未殺菌乳に含まれるウイルス量を除去するのに効果的であるかどうかを明らかにする必要があった。これらの処理条件は、しばしば「高温短時間」(HTST)又は「flash pasteurization」と呼ばれ、連邦規則集(CFR)及び加熱殺菌処理乳条例(PMO)で要求されている加熱殺菌処理(時間/温度の組み合わせ)であり、乳製品業界で最も一般的に使用されている。 当該研究で科学者は、未殺菌乳検体で検出されたウイルス量よりも高い濃度のウイルスで人為的に汚染した、均質化(ホモジナイズ)された未殺菌全乳を使用した。その平均ウイルス濃度は6.7 log10 EID50/mL(又は1 mL当たり約500万個のウイルス粒子)である。不活化研究を行う際には、通常、高いレベルの不活化を記録するために多量の微生物(organisms)が使用される。このウイルスレベルは、実験室でのベンチトップ試験で使用されたレベルと同等である。 これらのウイルス混入(spiked)乳検体を、商業処理条件を厳密にシミュレートするように設計されたHTST連続フロー加熱殺菌処理システムで処理したところ、合計9回繰り返し行われた試験の各回で、ウイルスは完全に不活化された。 処理の途中で収集された乳検体は、ウイルスが非常に迅速に不活化されたことを示し、FDAの加工技術の専門家は、HTST加熱殺菌処理条件により、1 mL当たり少なくとも12 log10 EID50(1 mL当たり約1兆個のウイルス粒子)が除去される可能性が高いと推定している。これらの結果は、HTST加熱殺菌処理が、乳のウイルスの除去に有効であり、大きな安全マージンがあることを立証している。 「加熱殺菌処理後の最終製品の検査は最終製品の潜在的な問題を検出する戦略の1つであるが、加熱殺菌処理パラメータの有効性を検証することは、商業的な乳加工がHPAIウイルスを制御できることを決定的に実証し、加熱殺菌処理乳とそれらから作られた乳製品が安全であるという幅広い保証を提供する」と、FDAのCFSANの食品加工科学技術部門長であるNathan Anderson博士は述べている。 FDAとUSDAの科学者は、Journal of Food Protection誌に、掲載前の査読のために研究の詳細を記載した原稿を提出した。 この研究と以前の研究の結果において、商用乳供給の安全性は明らかである。FDAは、追加の監視活動、追加の乳製品と場所の小売製品検体採取、PMOで規定する様々な時間・温度の組み合わせの関係の更なる特性評価、このウイルスの熱不活化カイネティクスの特性評価のための研究、及び生の未殺菌乳のウイルスレベルの検査を継続している。FDAはゴールドスタンダードの科学とデータを生み出すことに尽力しており、できるだけ早く追加の結果を発表する予定である。FDAは、引き続きこれらの取り組みの多くでUSDAと緊密に連携していく。 重要な点として、FDAは、加熱殺菌処理されていない乳(生乳)の摂取に関する長年の推奨事項を引き続き強調している。未殺菌乳は疾病を引き起こす病原体に汚染されている可能性があり、過去に多数の集団食中毒と関連していることがあるためである。入手可能な限られた研究及び情報に基づくと、現時点では、感染牛由来の未殺菌乳や未殺菌乳から作られた製品の摂取によってHPAI H5N1ウイルスがヒトに伝播し得るかどうかは不明である。加熱殺菌処理は、公衆衛生を保護する100年の歴史を持つ実証済みの処理工程であり、未殺菌乳の摂取に伴う危険を排除するのに非常に効果的である。 |
地域 | 北米 |
国・地方 | 米国 |
情報源(公的機関) | 米国/食品医薬品庁(FDA) |
情報源(報道) | 米国食品医薬品庁(FDA) |
URL | https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/updates-highly-pathogenic-avian-influenza-hpai |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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