食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06320240298 |
タイトル | 国際がん研究機関(IARC)、タルク及びアクリロニトリル(acrylonitrile)の発がん性の評価結果に関する要約論文を公表 |
資料日付 | 2024年7月5日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | 国際がん研究機関(IARC)は7月5日、タルク及びアクリロニトリル(acrylonitrile)の発がん性の評価結果に関する要約論文を公表した。概要は以下のとおり。 IARCは、タルク及びアクリロニトリルの発がん性を評価した。評価結果は、The Lancet Oncolog誌の要約論文で発表され、2025年に発表されるIARCモノグラフ第136巻で詳説される予定である。 (※以下、プレスリリースより抜粋) 1. アクリロニトリル アクリロニトリルは、主にポリマーの製造に使用される揮発性有機化合物である。 ・アクリロニトリルばく露 職業ばく露は、アクリロニトリルの製造やポリマー製造でアクリロニトリルを使用している最中に発生する可能性がある。アクリロニトリルはタバコの煙に含まれている。一般集団は、主にタバコの煙(副流煙を含む)を吸入することでアクリロニトリルにばく露される。もう一つのばく露源は大気汚染である。アクリロニトリルへばく露のバイオマーカーとして、いくつかのアクリロニトリル代謝物及び付加物が測定されている。 ・アクリロニトリルの評価結果 作業部会は、肺がんについて、ヒトにおけるがんの十分な証拠に基づき、アクリロニトリルを「ヒトに対して発がん性がある(carcinogenic to humans)(グループ 1) 」に分類した。また、膀胱がんについて、ヒトにおける限定的な証拠もあった。証拠は主に、アクリロニトリルを製造又は使用する作業者に関する研究から得られたものであった。加えて、実験動物におけるがんの十分な証拠と、実験系における発がん性物質の主要な特性に関する有力な作用機序の証拠(mechanistic evidence)があった。 2. タルク タルクは天然に存在する鉱物で、世界中の多くの地域で採掘されている。タルクへのばく露は、タルクの採掘、粉砕、加工時、或いはタルク含有製品の製造中に職業環境で起こる。タルクを含有する化粧品やボディパウダーの使用による一般集団のばく露が、最もよく実証されている。しかし、食品、医薬品、その他の消費者製品によるばく露はあまり実証されていないが、起こり得る。 正確な測定が困難なため、タルクのアスベストによる汚染は依然として懸念事項であり、作業者や一般集団のアスベストばく露につながる可能性がある(例: 汚染されたタルクベースの化粧品やボディパウダーによって)。 ・タルクの評価結果 入手可能な科学的文献を徹底的にレビューした結果、29人の国際的な専門家からなる作業部会は、ヒトにおけるがん(卵巣がん)の限定的な証拠、実験動物におけるがんの十分な証拠、及びヒト初代細胞と実験系においてタルクが発がん性物質の主要な特性を示すという有力な作用機序の証拠の組合せに基づいて、タルクを「おそらくヒトに対して発がん性がある(probably carcinogenic to humans)(グループ2A) 」に分類した。 ・タルクの証拠の強さの判定 グループ2Aの分類は、ある物質ががんを引き起こす可能性があるという確実性のレベルが二番目に高い。 会陰部にボディパウダーを使用したと自己申告したヒトにおいて、卵巣がんの発生率の上昇を一貫して示した研究が多数あった。評価は、アスベストを含有しないタルクに焦点を置いたが、ばく露されたヒトに関する研究のほとんどにおいて、タルクのアスベストによる汚染を排除することができなかった。 加えて、疫学研究におけるタルクの使用報告方法の偏りを、合理的な確信をもって否定することができなかった。その結果、タルクの因果関係を完全に立証することはできなかった。卵巣がんの罹患率の上昇は、パルプ・製紙産業でタルクにばく露された女性の職業ばく露を調べた研究でも観察された。しかし、アスベストへの同時ばく露による交絡を排除することはできず、また、罹患率の上昇は、これらの職業研究における少数の卵巣がんに立脚していた。 実験動物において、タルクによる処置は、単一種(ラット)の雌(副腎髄質及び肺)における悪性新生物の発生率の上昇と、雄(副腎髄質)における良性新生物と悪性新生物の併発を引き起こした。 最後に、IARCモノグラフは、発がん性物質の主要特性(KCs)を使用して、物質の発がん性の作用機序の証拠を体系的に評価する。タルクが、慢性炎症を誘発する(KC6)、及び細胞増殖、細胞死又は栄養の供給を変化させる(KC10)等のKCsを示すという有力な作用機序の証拠があった。作業部会は実験的証拠をレビューするにあたり、タルクのアスベスト汚染の可能性がきわめて低い研究のみを対象とした。 当該プレスリリースは以下のURLから閲覧可能。 https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2024/07/pr352_E.pdf 当該要約論文は以下のURLから閲覧可能。 https://doi.org/10.1016/S1470-2045%2824%2900384-X 当該Q&Aは以下のURLから閲覧可能。 https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2024/07/QA-Mono-Vol136.pdf 当該インフォグラフィックは以下のURLから閲覧可能。 https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2024/07/Mono_Vol_136.jpg |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | 国際がん研究機関(IARC) |
情報源(報道) | 国際がん研究機関(IARC) |
URL | https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-evaluate-the-carcinogenicity-of-talc-and-acrylonitrile-iarc-monographs-volume-136/ |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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