食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06310150108
タイトル 米国環境保護庁(EPA)、有機リン系農薬ジクロトホス、ジメトエート、テトラクロルビンホスに関する最新情報を公表
資料日付 2024年6月18日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  米国環境保護庁(EPA)は6月18日、有機リン系農薬ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)に関する最新情報を公表した。概要は以下のとおり。
 EPAは、3種類の有機リン系(OP)農薬について、ジクロトホス及びジメトエートの登録審査(再評価)暫定決定案(PID)、並びにテトラクロルビンホス(TCVP)の登録審査暫定決定(ID)を発表した。
 OPは、農業(食用作物等)及び非農業用地(ゴルフコースの芝生、運動場、芝生農場、工業地帯等)で使用される農薬のグループで、神経系に影響を及ぼすため、昆虫に対しては効果的であるが、ばく露レベルによってはヒトを含む哺乳動物にも影響を与える可能性がある。これらの農薬は現在、登録審査を受けている。これは、登録された農薬を15年毎に審査し、その農薬がヒトの健康と環境に不当な有害影響を与えることなく、その意図された機能を発揮できることを確認する手続きである。
 EPAは、OPがヒトの健康及び環境を保護するための連邦基準を引き続き満たしていることを確認するために、当該OPに関する多数の研究を評価した。農薬登録をサポートする毒性試験により、様々な動物種、ライフステージ、期間、及び経路にわたる、神経系、消化器系、循環器系、及び泌尿器系等の主要な臓器系における様々な潜在的な健康転帰に関する情報が提供されている。OPの場合、酵素アセチルコリンエステラーゼ(AChE)との相互作用によって発生する神経毒性が最も感受性が高い影響であることが判明しており、EPAは長年にわたり、OPのヒトの健康リスク評価の基準として、AChEレベルにおける10%の変動(訳注:阻害)を用いている。EPAはまた、これらのOPが、妊娠中又は小児期の神経系の正常な発達に影響を与える発達神経毒性(DNT)を引き起こす可能性についても評価した。
 EPAは、各OPについて、利用可能な疫学研究(健康転帰のパターン及び原因に関するヒト集団の調査)、実験動物で実施された動物毒性試験、及びヒトの神経系発達に極めて重要なプロセスにおける様々な潜在的影響を評価する一連(battery)の17のin vitro試験(神経系由来の細胞を用いた試験)(DNTバッテリーと呼ばれる)を調査した。これら3系統の証拠全てのデータが、証拠の重み付け分析(WOE)を使用してDNTの可能性を評価するために使用された。このWOEは、関連する全ての証拠を統合し、各系統の証拠の長所と限界を検討するプロセスである。
 EPAは、DNTの可能性に関するWOE評価と、その他の検討事項(毒性データベースの完全性、神経毒性の証拠、感受性(sensitivity/susceptibility)の証拠、ばく露データベースにおける残留の不確実性等)を使用して、各OPに適切な食品品質保護法安全係数(FQPA SF)を決定する。当該FQPA SFは、妊娠中又は小児期の追加の発達リスクを考慮して10倍の安全マージンを追加することを意図しているが、信頼できる科学的情報によってそのような追加のリスクが存在しないことが実証された場合は、このマージンを減らすことができる。
1. ジクロトホス
 ジクロトホスは、アザミウマ、カメムシ(stink bugs)、カスミカメムシ(tarnished plant bugs)、及びその他の害虫の防除のために綿花にのみ使用される。本日発表されたジクロトホスのPIDは、2015年の生態学的リスク評価案と、本日発表された更新されたヒト健康リスク評価案(HH DRA)に基づいている。EPAは、PIDの時点では係数の低減を裏付ける十分な証拠がないと結論したため、ジクロトホスの10倍のFQPA係数は維持された。
 更新されたHH DRAでは、作業員及び第三者(bystander)に対する神経毒性に関する潜在的な健康リスクが特定された。
 EPAは、作業員、第三者、及び生態系のリスクに対処するために、ジクロトホス製品について以下の低減策を提案している。(略)
2. ジメトエート
 ジメトエートは、ブロッコリー、とうもろこし、綿花、オレンジ類、及びトマト等の農作物につくアブラムシ、ダニ、甲虫(beetles)、ゾウムシ、及びヨコバイ等の害虫を防除するために使用される。本日発表されたジメトエートのPIDは、2015年の生態学的リスク評価案と、本日発表された更新されたHH DRAに基づいている。更新されたHH DRAでは、FQPA SFを10倍から1倍に低減することを裏付ける、信頼できるデータがあると結論した。EPAによる疫学データ、動物毒性試験、及びDNTバッテリーの評価では、妊娠中又は小児期にDNTが発生する可能性があることが判明したが、この証拠では、DNTの影響は、AChEレベルの変動を引き起こす濃度の約270~5,400倍の濃度で発生することも示された。したがって、神経毒性(AChEレベルの変動で示される)から人々を保護することは、DNTからも人々を保護することにもなる。
 最新の評価では、ジメトエートのラベル表示に現在適用されている保護対策を考慮すると、懸念されるような人体への健康リスクは予想されないことが判明した。
 EPAは、懸念される生態学的リスクを特定し、ジメトエート製品について以下の低減策を提案している。(略)
3. TCVP
 TCVPは、家畜やその施設、ペット、ゴミ集積場、犬小屋、住宅の芝生、及びレクリエーションエリアに生息するノミ、ダニ、シラミ、及びハエの駆除に使用される。本日、EPAはTCVP製品登録用のIDを公開する。
 TCVPのPIDは、2023年9月に改訂されたHH DRAとともに公開された。TCVPの10倍のFQPA係数は、EPAがHH DRAの時点でその削減を裏付ける十分な証拠がないと結論したため、そのまま維持された。
 作業員が家畜及び家畜施設の処理中にばく露することにより、潜在的な神経毒性の懸念があることが判明した。
 流出(特に糞尿施肥由来)による、鳥類、哺乳動物、淡水無脊椎動物に懸念される生態学的リスクが判明し、低減策が提案された。
 本日最終決定した当該IDでは、EPAはリスクに対処するために必要であると特定された、以下を含む低減措置の概要を示している。(略)
 関連文書は以下のURLから、docket番号「ジクロトホス」(EPA-HQ-OPP-2008-0440)、「ジメトエート」(EPA-HQ-OPP-2009-0059)、「TCVP」(EPA-HQ-OPP-2008-0316)を検索して入手可能。
https://www.regulations.gov/
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/環境保護庁(EPA)
情報源(報道) 米国環境保護庁(EPA)
URL https://www.epa.gov/pesticides/epa-releases-updates-organophosphate-pesticides-dicrotophos-dimethoate-and
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