食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06310053314
タイトル ドイツリスク評価研究所(BfR)、マイクロプラスチックの事実、研究、未回答質問に関するQ&Aを更新 (4/4)
資料日付 2024年6月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (この記事は 4 / 4 ページ目です)
(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06310052314)


 Q18. BfRはMPについて何を研究・評価しているのか?
 A18. BfRのMPに関する研究プロジェクトは、2013年、ムール貝とカキにおけるMP粒子の取り込みに関する研究から始まった。主な目的は、まず、汚染された参照材料の調製のために、定義された粒子でムール貝を汚染するための標準プロトコルを開発することであった。開発された方法論を用いれば、バルト海のムール貝とカキを、実験室内で、参照材料として様々なサイズ、形状、材質のプラスチック粒で、信頼性高く十分に汚染することができる。さらにBfRでは、マウスに様々なMP粒子を28日間食べさせる動物実験が評価された。投与された量は、ヒトにとって現実的なばく露量と思われる量をはるかに超えていた。BfRの調査によると、様々なMP粒子はマウスの腸組織やその他の臓器に有害な影響を与えなかった。さらに、BfRでは、様々なMPやナノプラスチック(NP)粒子がヒトの腸、肝臓、肺、免疫細胞に取り込まれる可能性を調べるin-vitro試験も実施されている。これまでの研究結果は多くの科学雑誌に掲載され、BfRの様々なグループによって研究プロジェクトが続けられている。
 2017年から2021年にかけて、マイクロ・ナノスケールのプラスチック粒子も扱うジュニア研究グループ(訳注 若手研究者グループ)「ナノ毒性学」が食品安全部に設置された。このグループは、環境および食品に関連するポリマーからのMPおよびNP粒子の毒性に関する科学的データの収集に重点を置いていた。得られた成果は、2冊の学位論文と数多くの科学出版物としてまとめられた。若手研究者グループのプロジェクトは、食品安全部門におけるさらなる研究プロジェクトの一環として継続される予定である。
 連邦教育研究省(BMBF)から資金提供を受けたInnoMat.Lifeプロジェクト(https://nanopartikel.info/en/research/projects/innomat-life/)(2019-2022)では、BfRはMPを含む様々な「革新的素材」に注目し、素材のライフサイクル全体にわたる安全性を検討した。InnoMat.Lifeは初めて、二次的なMP (sekundares mikroplastik)として予想されるサイズ分布を持つ、より多くの種類のポリマー粒子を体系的に調査した。その過程で多くの貴重な手法が確立され、リスク評価への重要な貢献となった。
 同時にBfRは、特にフィラメントベースのプロセス(訳注 熱溶解積層法3Dプリンターでは、直径数mmの糸状の熱可塑性樹脂が専用材料(フィラメント)として使用される)に関して、3Dプリンティング中にMPが放出され、ばく露される可能性を調査している。3Dプリンティングでは、気体成分とプラスチック粒子の両方が放出される。粒子は主に、使用されるフィラメントのポリマー材料と、フィラメントに含まれる粒子状の添加剤の一部から構成される。放出されるポリマー粒子の大きさは、材料と印刷特性に依存し、ナノメートル範囲であるため、吸入ばく露の可能性がある。しかし、3Dプリンティングの悪影響に関する詳細なばく露評価や見解のためには、我々の知識にはまだ多くのギャップがあるため、さらなる研究が必要である。
 EUが資金提供するPOLYRISKプロジェクト(https://polyrisk.science)において、BfRは2021年から欧州の協力パートナーと共同で、MPおよびNP粒子による人体への潜在的なリスクについて研究している。その目的は、様々なばく露シナリオにおける様々なプラスチック材料へのばく露とリスク評価に関する知見を得ることである。POLYRISKはCUSPクラスター(https://cusp-research.eu/)の一部であり、MP及びNPを扱ういくつかの国際プロジェクトからなる欧州の研究クラスターである。
 2015年以降、BfRは「BfR消費者モニター」の一環として、MPに関する認識を調査してきた。代表的な人口調査では、特に、食品中のMPに関する国民の認識、情報、懸念が調査された。2021年~2022年に、BfRはEFSAおよびウィーン大学(Universitat Wien)との共同プロジェクトにおいて、ドイツとイタリアにおけるMPの認識も調査した。ヒトの健康や環境に対するMPのリスクの認識や評価に加え、情報源やニーズといった一般的な側面についても、インタビュー調査や人口代表調査で調査した。BfRは、MPの潜在的な健康リスクについて、より多くの人々に情報を提供するために、これらの調査結果を利用している。
 過去および現在の研究プロジェクトについては、BfRのホームページ(www.bfr.bund.de)及び個々の研究プロジェクトのホームページも参照されたい。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/mikroplastik__fakten__forschung_und_offene_fragen-192185.html
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