食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06281020298
タイトル 国際がん研究機関(IARC)、腎臓がんゲノムにおける変異原性物質へのばく露の地理的変動と題する研究論文を紹介
資料日付 2024年5月2日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際がん研究機関(IARC)は5月2日、腎臓がんゲノムにおける変異原性物質へのばく露の地理的変動と題する研究論文を紹介した。概要は以下のとおり。
 IARCとパートナー機関の研究者らは、腎腫瘍における変異シグネチャー(mutational signature)を特定した。この変異シグネチャーは、複数の、地理的変動する、未発見の変異原性物質へのばく露の存在を示すもので、数千万人に影響を及ぼす可能性がある。この結果はnature誌に掲載された。
 研究者らは、腎臓がんの一種である、淡明細胞型腎細胞がん(clear cell renal cell carcinoma)の患者962人の組織検体の遺伝コードの配列を決定した。検体は、腎臓がんの発生率が異なる11か国から採取された。検査の結果、研究チームは、日本の症例の70%以上で原因不明の変異シグネチャーを発見したが、他の国の症例では2%以下であった。また、全ての国に広く存在する原因不明のシグネチャーも見つかったが、これは腎臓がん発生率の高い国に多く見られた。
 ルーマニア、セルビア、タイのほとんどの症例は、既知の腎毒素及び発がん物質であるアリストロキア酸(aristolochic acid)化合物へのばく露が原因である可能性が高い変異シグネチャーを示した。しかし、本研究は、これらの変異の影響を受ける地理的範囲と人口の割合は、以前に予想されたものよりもはるかに大きく、何百万もの人々に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。
 喫煙、肥満、高血圧も淡明細胞型腎細胞がんの危険因子として知られている。以前に特定された喫煙のシグネチャーは、この研究中に見つかったが、肥満や高血圧と関連する特異的変異シグネチャーは発見されず、このことは、これらの危険因子がゲノムを変異させない方法でがんを引き起こすことを示唆している。
 この新しい変異シグネチャーの発見は、それらが地理的に広範囲に及んでいるか、比較的限定されているかにかかわらず、公衆衛生上の対策の基盤を提供するために、その発生源を特定し、ばく露の程度を決定するための措置を必要としている。
 当該論文は以下のURLから閲覧可能。
Geographic variation of mutagenic exposures in kidney cancer genomes
Sergey Senkin(International Agency for Research on Cancer (IARC/WHO)、フランス)ら
Nature (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-07368-2
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際がん研究機関(IARC)
情報源(報道) 国際がん研究機関(IARC)
URL https://www.iarc.who.int/news-events/geographic-variation-of-mutagenic-exposures-in-kidney-cancer-genomes/
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