食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06280800105
タイトル 米国食品医薬品庁(FDA)、動物におけるゲノム改変へのアプローチを明確化したと公表
資料日付 2024年5月1日
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分類2 -
概要(記事)  米国食品医薬品庁(FDA)は5月1日、動物におけるゲノム改変(genomic alteration)へのアプローチを明確化したと公表した。概要は以下のとおり。
 本日、FDAは、動物における意図的ゲノム改変(intentional genomic alteration、IGA)に関するFDAの規制プロセスを前進させるための重要な措置を講じた。更新されたガイダンス文書は、革新的な動物製品及び獣医学製品の開発を評価及び支援するためのアプローチをさらに最新化するというFDAの公約を強調し、規制の柔軟性、予測可能性、及び効率性を向上させる。さらに、米国農務省(USDA)と覚書(MOU)を締結し、動物におけるIGAの規制に関する役割及び責任を明確にした。
 動物におけるIGAは、最新の分子技術を用いて作出することが可能であり、それらの技術には、ヌクレオチドの挿入・置換・欠失等のランダムな又は標的を定めたDNA配列の改変や動物のゲノムに特異的な変化を導入する他の技術が含まれる。動物におけるIGAには、以下における応用等、様々な用途がある。
 (1)ヒトの健康(アレルゲン性の低減、ヒト治療薬の製造に使用するために、多くの場合、乳や卵中に物質を産生する「バイオファーマ」動物、ヒトの疾病をモデル化するために使用される動物)
(2)動物衛生・福祉、及び畜産慣行の改善(耐病性、耐熱性等)
(3)生産量及び食品品質の向上(成長促進、飼料効率、栄養上の利点等)
 本日発表された2種類の文書、業界向けガイダンス(GFI)#187Aの最終版「動物における遺伝性意図的ゲノム改変:リスクベースのアプローチ」と、GFI#187Bの改訂案「動物における遺伝性意図的ゲノム改変:承認プロセス」は、動物のIGAに適用される既存の法的及び規制要件を業界が理解し、動物のIGAを規制するためのFDAのプロセスについて国民に情報提供することを目的としている。
 当該ガイダンス文書は、ヒトの健康、動物衛生、環境衛生を保護しながら、安全で革新的な製品の開発を促進し、現代の動物製品及び獣医学製品を規制するためのスマートでリスクベースのアプローチを実施することを目的としたFDAの動物及び獣医学のイノベーションアジェンダ(AVIA)の目標に沿ったものである。
 FDAは、2009年に動物における特定のIGAの規制に関する最終ガイダンスを初めて発行した。2017年1月、IGA技術の科学的進化もあって、FDAは、GFI#187「動物における意図的に改変されたゲノムDNAの規則」の改訂された草案で、ゲノム編集技術を用いて開発された、意図的に改変されたゲノムDNAを有する動物を含めるようにガイダンスの適用範囲を明確にした。
 GFI#187Aの最終版では、動物における全てのIGAを規制するためのFDAの包括的な方針を概説し、遺伝性IGAの監督に対するFDAのリスクベースの規制アプローチについて説明する。この最終的なGFIは、FDAが特定の製品に対して執行裁量権を行使することが適切な場合をどのように判断するかについても説明している。2017年の草案以降、執行裁量権行使の対象となり得る製品の種類は、既存であり、かつ、安全な利用歴を有する同一種の動物と同等となるよう改変された事例等の状況においては、スリック被毛の畜牛(SLICK Cattle、滑らかな毛皮の畜牛)のような食料生産動物におけるIGAを含むように拡大された。補足文書であるGFI草案#187Bでは、FDAの承認プロセスが動物における遺伝性IGAにどのように適用されるかを説明している。
 FDAは、連邦政府全体の規制関係機関と協力して、承認されたIGAが動物にとって安全であり、ヒトにとって安全であり、そして製品が主張どおりに機能することを保証する責任を負っている。2024年4月18日、FDAとUSDAは、特定のUSDA当局の管轄下にもある動物におけるIGAを含むFDAの活動に適用されるMOUに署名した。当該MOUは、機関間の情報交換を強化するための方針と手順を確立し、各機関の規制上の役割を説明し、効率的で円滑な規制プロセスを可能にする方法で規制責任の調整を促進する。開発者向けの規制要件に変更や追加はない。
 FDAは動物におけるIGAの開発者に対し、研究開発段階の早い段階でFDAと連絡をとり、提案する製品の具体的なリスクプロファイル、及び、商用化へ向けた適切な道筋について議論するよう奨励する。適格な製品に対しては、獣医学イノベーション・プログラム(VIP)への参加を推奨する。本プログラムは、動物における特定のIGA等の革新的な動物用医薬品の開発者の支援を目的としており、可能な限り効率的な承認プロセスの実現に向け、承認プロセス全体にわたり集中的な技術的支援及びプログラム的支援を提供する。
 FDAは2024年5月2日から90日間、GFI#187Bに関するパブリックコメントを受け付ける。GFI#187B最終化作業開始前にコメントを検討できるよう、コメント提出の締め切りは2024年7月31日とする。
 詳細情報は、以下のURLから入手可能。
・CVM GFI#187A 最終版「動物における遺伝可能な意図的ゲノム改変:リスクベースのアプローチ」(2024年5月、12ページ)
https://www.fda.gov/media/74614/download
・CVM GFI#187B 改訂した草案「動物における遺伝可能な意図的ゲノム改変:承認手続き」(2024年5月、25ページ)
https://www.fda.gov/media/150658/download
・USDAとの覚書 MOU 225-24-010(2024年5月1日)
https://www.fda.gov/about-fda/domestic-mous/mou-225-24-010
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/食品医薬品庁(FDA)
情報源(報道) 米国食品医薬品庁(FDA)
URL https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-clarifies-approach-genomic-alterations-animals
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