食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06280590465
タイトル フリードリヒ・レフラー研究所(FLI/ドイツ連邦動物衛生研究所)、オオコウモリインフルエンザウイルスH9N2の潜在的な人獣共通感染症の特性についての短信を公表
資料日付 2024年4月30日
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分類2 -
概要(記事)  フリードリヒ・レフラー研究所(FLI/ドイツ連邦動物衛生研究所)は4月30日、オオコウモリインフルエンザウイルスH9N2(Flughunde-Influenzavirus H9N2)の潜在的な人獣共通感染症の特性に関する短信を公表した。概要は以下のとおり。
 最近発表された研究によると、エジプト・ルーセット・オオコウモリ(Rousettus aegyptiacus)由来のH9N2亜型のA型インフルエンザウイルスはフェレット(Frettchen)で十分に複製され、フェレット間でも頻繁に伝播することが示された。また、ヒト肺の外植片培養物にも効率的に感染し、マウスモデルではヒトMxAタンパク質による抗ウイルス阻害作用を回避できる。
 H5N1亜型のA型インフルエンザウイルス(「鳥インフルエンザ」)の動的な感染パターンは野鳥の間でほぼ世界的な動物流行病(Panzootie)となっている。現時点では、米国における感染牛の着実な増加が懸念材料となっている。しかし、A型インフルエンザウイルスは動物だけではなく、場合によってはヒトにも健康リスクをもたらす可能性がある。H9N2亜型によるものを含む、新たなヒトの感染例は継続的に確認されており、最近ではベトナムで重篤な症状を呈した例もある。そこで国際的な科学者グループは、オオコウモリ(R. aegyptiacus)から採取したH9N2亜型の別のA型インフルエンザウイルスを詳細に調査した。その結果、このウイルスはヒトに感染しやすく、またヒト集団内で拡散しやすくなるさまざまな特徴を持っていることを発見した。しかし、今のところ、このコウモリのウイルスが種を超えて感染したという証拠はなく、ヒトの感染例も報告されていないことを強調しておかなければならない。
 H9N2亜型のA型インフルエンザウイルスは、2017年にアフリカのエジプト・ルーセット・オオコウモリから検出され、分離に成功した。さらに、2023年初めに南アフリカのエジプト・ルーセット・オオコウモリからも当該ウイルスが検出されており、このコウモリのH9N2亜型ウイルスがすでにアフリカ大陸に猛烈な勢いで広がっていることを示している。このウイルスについては、これまでほとんど知られていなかったため、FLIの研究者たちは世界的な協力パートナー等とチームを組んでその人獣共通感染症の可能性を調査した。その結果、このコウモリのH9N2亜型ウイルスはフェレットで効率的に複製され、接触動物に伝播する可能性があることが判明した。さらに、七面鳥のひな鳥もこのウイルスに感染し、種の壁を越えて特定の鳥類に感染する可能性がある。
 さらに、このコウモリのH9N2亜型ウイルスは、強力な抗ウイルス作用を持つMxAタンパク質に対して驚くべき耐性を示した。これは、今までパンデミックを引き起こしたヒトインフルエンザウイルスにしか見られていない特性であった。また、ヒト肺の外植片で効率的に増殖することが実証された。従来のインフルエンザワクチンではコウモリH9N2ウイルスのN2タンパク質に対する交差反応性抗体は産生されないという結果に基づけば、プレパンデミックの可能性について判断するためのさらなる研究が必要であり、アフリカでオオコウモリと接触したヒトや動物における分析も行う必要がある。
 科学者たちは、新たなウイルス株を同定し、最新のウイルスの拡散を評価し、他の動物種やヒトへの伝播の可能性を検出するために、コウモリのH9N2ウイルスに関する広範な監視と診断が必要であることを強調している。同時に研究者たちは、動物実験なしにはこのような具体的かつ重要な結果は得られなかったことを指摘している。
 ドイツ、米国、アラブ首長国連邦の研究者らは、科学誌「Nature Communications」の最新号でその成果を発表している。さらに、他の海外科学者が密接な協力のもとにコウモリのH9N2ウイルスを詳細に分析した2番目の論文も同誌に掲載された。この結果は、コウモリのH9N2ウイルスの人獣共通感染症としての可能性を強調し、FLIの調査結果を裏付け、補完するものとなった。
 両論文は以下のURLから入手可能。
Nature Communications (2024, 15:3450、doi: 10.1038/s41467-024-47455-6)
https://www.nature.com/articles/s41467-024-47455-6
Nature Communications (2024, 15:3449、doi: 10.1038/s41467-024-47635-4)
https://www.nature.com/articles/s41467-024-47635-4
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) フリードリヒ・レフラー研究所(FLI/ドイツ連邦動物衛生研究所)
情報源(報道) フリードリヒ・レフラー研究所(FLI/ドイツ連邦動物衛生研究所)
URL https://www.fli.de/de/aktuelles/kurznachrichten/neues-einzelansicht/flughunde-influenzavirus-h9n2-hinweise-auf-moegliche-zoonotische-eigenschaften/

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