食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06280460482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、ボンクレキン酸による食中毒の予防に関する報告を公表
資料日付 2024年4月24日
分類1 --未選択--
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概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは4月24日、ボンクレキン酸による食中毒の予防に関する報告を公表した。概要は以下のとおり。
 同センターは、ニュースレター「Food Safety Focus」(第213号、2024年4月)に報告「ボンクレキン酸-珍しいが致死性の毒素」(報告者:食物安全センターリスク評価グループ、科学主任・博士荘梓傑)を掲載した。
 2024年3月末、台湾の衛生当局は、台北のレストランで食中毒事件が発生し、34人が中毒になり、2人が死亡したと報告した。33人の臨床検体は、ボンクレキン酸に対し陽性反応を示した。調理人1人の手から当該毒素の陽性反応が出たと報告され、調理人が扱った食品が汚染された可能性が示唆されている。関与が疑われる食品には、ホーフェン(原語:河粉)とチャークイティオ(粿条)(訳注:いずれもライスヌードルの一種)が含まれている。
・ボンクレキン酸とは
 ボンクレキン酸は耐熱性毒素で、細菌 Burkholderia gladioli pathovar cocovenenans (B. cocovenenans)により産生される。B. cocovenenansは土壌や植物中に偏在する細菌で、増殖適温は摂氏30~37度、毒素の産生適温は摂氏22?30度である。最初に報告されたボンクレキン酸中毒事例は発酵させたとうもろこしやココナッツを原料とする食品の摂取によって引き起こされたものである。一部の脂肪酸、特に、ココナッツやとうもろこしに含まれる脂肪酸は、細菌の増殖と毒素の産生を促進する。
 毒素の影響を受ける主な臓器は、肝臓や脳、腎臓で、エネルギー不足、めまい、眠気、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こす。発症までの潜伏期間は30分~20時間で、重症の場合、発症後1~20時間内に死亡に至る可能性がある。中国本土の国家サーベイランスモニタリングデータによると、過去の中毒事例における最大致死率は60%に上る。
・最近リスクがあることが判明した食品
 近年、広東省と浙江省では、漬け戻しきのこや生ライスヌードルの喫食に起因するボンクレキン酸中毒事例が発生している。これらの事例に関与したきのこは、白きくらげ(雪きくらげ)と黒きくらげで、後者の事例が多い。これらの事例では、きのこの多くは2日以上の漬け戻しであって、通常の短時間の漬け戻しではボンクレキン酸は生成しにくいと一般的に考えられている。
 生でん粉製品や生ライスヌードル製品(主原料は米)は、過去数年間の食中毒事例に関連した別の種類の食品である。同様に、毒素生成の主たる原因は、室温での長期保管、特に24時間を超える保管であると考えられている。事例の中には、デヒドロ酢酸ナトリウムと呼ばれる保存料が違法使用された例があった。こうした保存料は、一部の真菌や腐敗菌の増殖を抑制できるが、細菌B. cocovenenansの増殖を抑制することはできない。麺類が傷んでいても味覚的変化が無く、細菌が増殖しているリスクがある。
・予防方法は正しい衛生習慣
 一部の高リスク食品を室温で長期間(一般的には一日以上)置くとボンクレキン酸が産生される。これを防ぐためには、こうした高リスク食品は、調理前であっても、適切に時間と温度を管理する必要がある。白きくらげや黒きくらげを一晩浸す必要がある場合は、冷蔵庫で漬け戻しするべきである。品質保証期間が一日を超える生ライスヌードル製品は、冷蔵温度下で、輸送、保管、販売をする必要がある。この点は比較的温暖な月には特に重要で、こうした時期の温度はB. cocovenenansの増殖にとって好ましいためである。また、微生物による汚染のリスクを低減するには、常に良好な食品衛生を維持することが重要である。
 月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の第213号は以下のURLからダウンロード可能。同記事は1~2ページに掲載。
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF213_2024_04_24.pdf
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL https://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html
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