食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06260600545 |
タイトル | 英国健康安全保障庁(UKHSA)、食品に使用されるヒドロキシアントラセン誘導体(HADs)の安全性について、食品・消費者製品・環境中の化学物質の発がん性に関する委員会(COC)による暫定見解書をガイダンスとして公表 (前半1/2) |
資料日付 | 2024年4月3日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国健康安全保障庁(UKHSA)は4月3日、食品に使用されるヒドロキシアントラセン誘導体(HADs)の安全性について、食品・消費者製品・環境中の化学物質の発がん性に関する委員会(COC)による暫定見解書をガイダンスとして公表した。概要は以下のとおり。 背景 HADsは、様々な科および属の植物に見られるフェノール系アントラノイドの一種である。最も顕著なのは、ルバーブを含むダイオウ属(Rheum)の植物、センナ(senna)、ナンバンサイカチ(Indian laburnum)、シナモンを含むカシア属(Cassia)の植物、クロウメモドキ(buckthorn)を含むクロウメモドキ属(Rhamnus)の植物、アロエベラ(aloe vera)やビターアロエ(bitter aloe)を含むアロエ属(Aloe)の植物である。議論されている活性化合物の多くは、複数の属の植物に含まれている。 2013年、EFSAの栄養製品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)は、腸機能の改善を目的とした食品中のHADsの使用に関する健康強調表示の評価を発表した。パネルは、この効果(すなわち、大腸運動が刺激され、糞便塊からの水分吸収が減少し、便秘の短期的な緩和につながる)について、因果関係を立証した。パネルは、有益な効果を得るためには、製品は成人集団で1日当たり10 mgのHADsを供給する必要があると考えた。 2018年、欧州委員会の要請を受け、EFSAは食品に使用されるHADs、すなわちエモジン(emodin)、アロエ-エモジン(aloe-emodin)、ダントロン(danthron)及びそれらの製剤の安全性に関する科学的意見書を発表した。この意見書の中で、EFSAの食品添加物及び食品に添加される栄養素に関する科学(ANS)パネルは、HADsは、それに反する特別なデータがない限り、遺伝毒性及び発がん性があると考えるべきであり、HADsを含む抽出物には、不確実性は残るものの、安全性の懸念があると考えられると結論した。ANSパネルは、健康上の懸念を生じさせないHADsの一日摂取量に関する助言を提供することはできなかった。その後、欧州委員会は、アロエ種から調製される栄養補助食品にはHADsが含まれているとして、その規制を提案した。 栄養補助食品業界の代表等は、技術的に可能な限りHADsの含有量を除去したアロエ種の製剤にも制限が適用されると指摘した。さらに業界の懸念は、EFSAが評価したアロエ種製品と比較して、HADsの含有量が低いアロエ種製品もあるということであった。全般的に業界代表等は、他のリスク軽減策(HADsの最大基準値の設定、表示要件の義務化、追加安全性データの収集など)により、EFSAはアロエ製剤がもたらす健康リスクの評価を改善できると考えている。 栄養表示組成及び基準(NLCS)政策グループは、NLCSの暫定的な共通枠組みの下に設置され、英国全体で一貫性のある協調的な政策アプローチを維持している。NLCSの枠組みは、英国保健省(DHSC)、スコットランド食品基準局(FSS)(スコットランド政府を代表する)、ウェールズ政府(WG)及び北アイルランド食品基準庁(FSANI)の職員間のNLCS政策に関する協力のための取り決めを定めている。 栄養に関する今後のすべての政策提案は、NLCS政策グループを通じて4か国ベースで検討され、個々の国やグレートブリテン(GB)だけでなく、英国全体への影響を評価する。暫定的なNLCSの枠組みの範囲内にある法律(栄養補助食品を含む)の改正のリスク評価とリスク管理のプロセスには、必要に応じて、関連する科学諮問委員会からの科学的評価を求めることが含まれる。 NLCS政策グループの要請を受け、英国食品基準庁(FSA)は2018年のEFSA意見書とその発表以降に入手可能となった新たなデータに基づき、HADsの遺伝毒性について助言するため、英国変異原性委員会(COM)に独立した見解を依頼した。 COMによる評価後、HADsの発がん性の可能性に関する意見を求めるために、文書はCOCに持ち込まれた。 FSAはCOCに対し、関連する発がん性研究を再調査し、HADsのリスクを評価し、入手可能な情報から健康影響に基づく指標値(HBGV)が導き出せるかどうかを確認するよう要請した。 NLCSの政策グループは、COMとCOCの結論を考慮して、GBでHADsを含む食品を制限するかどうかを評価する。 ・COMによる遺伝毒性評価の概要 2021年9月、HADsの遺伝毒性の可能性に関する検討のため、EFSAのANSパネルによる2018年意見書の概要と、2018年のEFSA意見書以降の関連出版物の追加文献レビューがCOMに提示された。 COMは2021年9月の会議で、入手可能な証拠、すなわちエームス(Ames)試験(訳注 化学物質の変異原性を評価するための試験)から総合的に判断して、エモジン、アロエ-エモジン、ダントロンはin vitro遺伝毒性があることを合意した。in vitro遺伝毒性に関する結果が文献によってさまざまに報告されている場合、これは、試験に使用された製剤が明確でないことが原因である場合がある:脱色抽出物(HADsの濃度がはるかに低いため、一般に陰性である)と全抽出物(HADsの濃度が高いため陽性である)。しかし、哺乳類細胞アッセイでも遺伝毒性があったと確信するには、より多くの情報が必要である。というのも、EFSA意見書で要約されているマウスのリンパ腫と小核のデータは1996年に発表されたものであり(それ以降、過剰な用量が使用されないようにするなど、遺伝毒性の評価方法に変更が加えられている)、また、Mullerらによって1996年に発表されたデータでは、統計的評価が行われていないからである。したがって、全体として、哺乳類細胞アッセイでの陽性結果が本当に陽性であるのか、あるいはむしろ濃度が過剰に高かったということを反映しているのかは、COMには明確ではなかった。in vivoでの遺伝毒性に関しては、マウスはHADsによる胃腸への影響に対してラットよりも感度が低いようであることにEFSAが同意したため、2018年以降に発表された、マウスで得られた陰性データをどの程度重視すべきか疑問があった。COMは、2018年以降に発表された研究のほとんどはin vivoでの陰性データであり、in vivoでの遺伝毒性作用があるというエビデンスを弱めるものであることに同意した。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06260601545) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国健康安全保障庁(UKHSA) |
情報源(報道) | 英国健康安全保障庁(UKHSA) |
URL | https://www.gov.uk/government/publications/interim-position-on-the-safety-of-hydroxyanthracene-derivatives-for-use-in-food?utm_medium=email&utm_campaign=govuk-notifications-topic&utm_source=511cc4b0-9d30-486d-927b-4c2a0aa3b4c8&utm_content=daily |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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