食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06260040305 |
タイトル | 欧州連合(EU)、食品中のニッケルのモニタリングに関する欧州委員会勧告(EU) 2024/907を官報で公表 |
資料日付 | 2024年3月26日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州連合(EU)は3月26日、食品中のニッケルのモニタリングに関する欧州委員会勧告(EU) 2024/907を官報(PDF2ページ)で公表した。 1.ニッケルは、地球の表層部に広範に存在する成分であり、生物圏に広く存在する。食品中のニッケルの存在は、自然及び人の活動両方の供給源から生じる可能性がある。 2.2015年、欧州食品安全機関(EFSA)は、食品中及び飲用水中のニッケルの存在に関連する公衆衛生へのリスクに関する科学的意見書を採択した(※訳注1)。同意見書は、ニッケルに対する慢性経口ばく露のリスクの特性評価に関する重大影響として、生殖及び発生毒性を特定した。ニッケルに感作されたヒトのニッケルに対する急性経口ばく露に関する重大影響として、湿疹性の発赤反応(eczematous flare-up reactions)及びアレルギー反応の悪化を特定した。 3.食品中及び飲用水中のニッケルの存在に関連するデータは、連合加盟国のうち15か国において利用可能であった。しかしながら、収集された全データの80 %は1つの加盟国において収集されたため、EFSAは、連合全体の食品中のニッケルの存在を検証するためには、地理的により多様なデータセットが必要であると結論した。 4.食品中のニッケルに関するより多くの存在データを収集するために、欧州委員会勧告(EU) 2016/1111により、加盟国は2016年、2017年、2018年において食品中のニッケルの存在に関するモニタリングを実施するよう勧告された。 5.これらの新たな存在データ及び新たな科学的情報を考慮して、2020年9月、EFSAは食品中及び飲用水中のニッケルのリスク評価の更新を採択した(※訳注2)。 6.EFSAは、ニッケルは慢性及び急性影響の原因となる可能性があると結論した。重大影響の流産(pregnancy loss)に基づき、13 μg/kg体重の耐容一日摂取量(TDI)が設定され、EFSAは、このTDIは、幼児、36か月齢~10歳の間の小児、及び場合によっては乳児において超過すると結論した。流産は若い年齢グループに関連する影響ではないが、このTDIは、若い年齢グループに関連する神経毒性等の他の影響に対しても保護的である。したがって、EFSAは、このTDIの超過は、これらの若い年齢グループにおいて健康懸念を提起する可能性があると結論した。EFSAは、重大な急性影響は、ニッケルに感作されたヒトにおいて誘発される皮膚における湿疹性の発赤反応であり、集団の15 %に関連すると確認した。EFSAは、この影響に関する最小毒性量(LOAEL)は4.3 μgニッケル/kg体重であり、この影響に対して保護するためには30以上のばく露マージン(MOE)が必要とされると結論した。このMOE 30は、ばく露量の平均値及び95パーセンタイル値に対しては達成されないため、ニッケルに感作されたヒトに対して健康懸念を提起する。 7.利用可能な存在データを考慮し、欧州委員会規則(EU) 2023/915(※訳注3)において、様々な食品中のニッケルに対する最大レベル(※訳注4)は設定された。 8.しかしながら、ニッケルへのばく露に寄与するいくつかの食品に関して、適切な最大レベルの測定を可能にする利用可能な存在データは不十分である。したがって、これらの食品に関するさらなる存在データを収集する必要がある。特に、ベビーフードのニッケル含有量に対するさまざまな種の魚類及び他のシーフードの寄与を設定するためには、そのような食品の製造に用いる魚類及び他のシーフードをモニタリングする必要がある。 9.試料化されたロット(lot)に関して試料が代表的であり、分析結果が信頼可能及び比較可能であることを確実にするために、欧州委員会規則(EC) No 333/2007に準拠する必要がある。 欧州委員会は、以下のとおり勧告する。 (1)加盟国は食品事業者と協力して、2025年、2026年及び2027年の期間、食品中のニッケルの存在をモニタリングする必要がある。 (2)そのモニタリングは、フードサプリメント、チョコレート、チョコレートスプレッド、ナッツ類のスプレッド、カカオ豆、穀類ベースの製品(特に、朝食用シリアル、シリアルフレーク、及びえん麦を製粉した製品)、非加熱喫食用スープ(ready-to-eat soups)、コーヒー、茶、野菜、海藻、油糧種子、豆腐等の大豆ベースの製品、大豆ベースの飲料、豆類、ナッツ類、魚類及び他のシーフードを含む必要がある。 (3)加盟国は、必要な場合、食品中のニッケルレベルの低減措置に関する知識を収集する必要がある。加盟国はまた、既知の低減措置が確実に農家及び食品事業者に効果的に伝達され、奨励され、これらの低減措置が農家及び食品事業者により着実に実施されるようにする必要がある。 (4)標本抽出及び分析は、規則(EC) No 333/2007に規定された標本抽出及び分析要件に準拠して行われる必要がある。 (5)加盟国及び食品事業者は、1つのデータベースに蓄積するために、EFSAが定めた電子的報告様式で、情報と共に、EFSAに対して定期的に提出する必要がある。チョコレートの試料に関して、試料のカカオ固形物(cacao solids)の含有量を明記する必要がある。茶の試料に関して、ラテン名(訳注 学名)を含む茶の種類を明記する必要がある。海藻に関して、ラテン名(訳注 学名)を含む種類及びデータは生の海藻又は乾燥海藻のいずれに関するものかを報告する必要がある。 (※訳注1) EFSAの「食品中及び飲用水中のニッケルの存在に関連する公衆衛生へのリスクに関する科学的意見書」は以下のURLから閲覧可能 https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.2903/j.efsa.2015.4002 (※訳注2)EFSAの「食品中及び飲用水中のニッケルのリスク評価の更新に関する科学的意見書」は以下のURLから閲覧可能 https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.2903/j.efsa.2020.6268 (※訳注3) 欧州委員会規則(EU) 2023/915は以下のURLから閲覧可能 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32023R0915 (※訳注4) 最大レベル案に関する情報は以下のURLから閲覧可能 https://members.wto.org/crnattachments/2024/SPS/EEC/24_01827_00_e.pdf https://members.wto.org/crnattachments/2024/SPS/EEC/24_01827_01_e.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州連合(EU) |
情報源(報道) | 欧州連合(EU) |
URL | https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=OJ:L_202400907 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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