食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06240520149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのアシタバ液汁の安全性に関する科学的意見書を公表
資料日付 2024年3月11日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は3月11日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのアシタバ液汁の安全性に関する科学的意見書を公表した(2月1日採択、PDF版20ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2024.8645)。概要は以下のとおり。
 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのアシタバ液汁の安全性に関し、科学的意見を表明するよう求められた。
1. 新食品としての安全性に関する結論
 本申請の対象である当該新食品はアシタバ液汁(Angelica keiskei Koidzumiの植物体に由来する高粘度・黄色の液汁(liquid sap))であり、有機認証栽培によるアシタバ(A. keiskei)の茎から採取される。主成分はカルコン類(1% - 2.25%)及びフラノクマリン類(0.01%未満)である。
 A.keiskeiの慣用名はアシタバであり、セリ科に属する。アシタバは日本原産の多年草で、日本や韓国等、東アジア地域にて栽培されている。日本では野菜やジュースとして摂取されており、アシタバの生葉や乾燥粉末を「蕎麦」やアイスクリームにも添加することもある。アシタバは、茶、ケーキ、パウダー、キャンディー、「八つ橋」と呼ばれる和菓子等の製品にも含有される。
 申請者は、市場投入を意図している製品は日本では食品として市販されていると指摘した。EFSAが日本における上市年数を提示するよう求めたところ、日本市場にて22年以上販売されており、2017年8月から2018年7月の間、市場投入を意図している製品を約1000 kg販売したと報告している。
 申請者は、アシタバ液汁粉末約30%及びシクロデキストリン約70%を含有する凍結乾燥粉末の形態において、当該新食品を市場投入することを意図している。カルコン含有量(少なくとも8%)を用いて標準化し、200 mg/日(当該新食品780 mg相当する)の最大用量にて食品サプリメントに使用される。対象集団は、妊婦及び授乳婦を除く成人集団である。
 成分組成及び提案された使用条件を考慮すれば、当該新食品の成分組成は栄養学上の不利益とはならない。
 提供された試験結果を考慮し、さらに、当該新食品の性質、供給源、製造工程を検討した結果、NDAパネルは遺伝毒性に関する懸念はないと判断する。
 申請者実施の上市を意図している製品を用いた90日間経口毒性試験では、凝固指数及び血小板数に変化が観察された。さらに、血清コレステロール・トリグリセリド・リン脂質の上昇、空腸乳糜管拡張、びまん性肝細胞質空胞変性が認められ、脂質代謝への影響が示唆された。NDAパネルは、提供された90日間経口毒性試験から得られる総合的な無毒性量(NOAEL)は、試験された最低用量である1日あたり100 mg/kg体重であると判断した。
 特定されたNOAEL100 mg/kg体重/日に基づき、さらに、不確実性係数200(10(種間変動性)×10(種内変動性)×2(亜慢性試験期間から慢性試験期間))を適用し、NDAパネルは、上市が意図されている製品に対する安全レベル(safe level)を0.5 mg/kg体重/日と設定する。当該安全レベルは、意図されている対象集団であるデフォルト体重70 kgの成人では、上市が意図されている製品を1日当たり35 mg摂取することに相当する。当該新食品(アシタバ液汁、水分含有量上限92.9%)、及び、上市が意図されている製品(30%アシタバ液汁粉末及び70%シクロデキストリン)の比率に基づくと、当該新食品の摂取量は1日当たり137 mgに相当し、申請者提案の用量より低くなる。
 NDAパネルは、当該新食品Angelica keiskei植物体の茎に由来するアシタバ液汁は、上市が意図されている製品(アシタバ液汁粉末30%、シクロデキストリン70%)35mg/日に相当する、137 mg/日の最大摂取量において、対象集団に対し安全であると結論する。
2. 規則(EU)2015/2283第26条に準拠する独自データの保護に関する結論
 NDAパネルは、申請者が独自であると主張するデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関し、結論に達することはできなかったと考える。
 ・ 植物源の特性に関するデータ
 ・ 原材料証明書
 ・ 分析方法
 ・ 分析証明書
 ・ 細菌復帰突然変異試験2件(未発表)
 ・ in vitro哺乳類細胞染色体異常試験(未発表)
 ・ in vitro哺乳類細胞小核試験(未発表)
 ・ in vivo小核試験(未発表)
 ・ 急性経口毒性試験(未発表)
 ・ 90日間経口毒性試験2件(未発表)
 ・ 90日間経口毒性試験で観察された病理組織学的所見に関する報告(未発表)
 ・ ヒト臨床試験(未発表)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8645
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