食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06240390294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/12/22~2024/2/26)を公表(豚インフルエンザウイルス)
資料日付 2024年2月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は3月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/12/22~2024/2/26)を公表した(8ページ)。豚インフルエンザウイルスに関する概要は以下のとおり。
・最近の状況
 2023年12月21日のリスク評価以降、インフルエンザA(H1N1)変異型ウイルス(A(H1N1)v)によるヒト感染例1例がブラジルから、また別の同ウイルス感染例1例がスペインから報告された。
1. A(H1N1)v、ブラジル
 2024年1月16日、ブラジルはWHOに対し、パラナ州における豚由来インフルエンザA(H1N1)vウイルス感染による検査確定ヒト症例1例を通知した。患者は基礎疾患を有する成人男性であり、2023年12月12日にインフルエンザ様疾患(ILI)の症状を呈し、同月16日に入院した。患者には豚へのばく露歴はなかった。患者は抗ウイルス剤による治療を受けなかったが、12月18日に完全に回復し、同日退院した。疫学調査では、濃厚接触者は確認されなかった。
 検体は12月19日に、インフルエンザ及びSARS-CoV-2の分析のため、パラナ州中央公衆衛生研究所に送付された。当該検体はRT-PCR検査によりインフルエンザA/H1ウイルスであると亜型判別された。2024年1月11日、当該検体は、リオデジャネイロにあるオズワルド・クルス財団(FIOCRUZ)の呼吸器ウイルスに関するナショナルリファレンスラボラトリーであるナショナルインフルエンザセンター(NIC)に確認のため送付され、1月15日にインフルエンザA(H1N1)変異型ウイルスであることが確認された。
 塩基配列解析の結果によると、当該ウイルスは2022年10月にパラナ州のヒト症例から検出されたA/Parana/20675/2022(A/H1N1pdm09-like)ウイルスと99%の類似性を有する。2月1日、当該NICはさらなる特性評価のため、検体を米国疾病管理予防センター(US CDC)のインフルエンザ部門(インフルエンザのサーベイランス、疫学及び管理に関するWHO協力センター)に送付した。
 当該症例は2024年になって最初のブラジルで報告されたインフルエンザA(H1N1)vウイルス感染によるヒト症例である。また当該症例は2015年以降にブラジル・パラナ州で報告された9番目の豚の変異型ウイルスによるヒト感染例である。
2. A(H1N1)v、スペイン
 2024年1月29日、スペイン保健当局はWHOに対し、リェイダ県(カタルーニャ自治州)における豚由来インフルエンザA(H1N1)vウイルス感染による検査確定ヒト症例1例を通知した。患者はリェイダ県の養豚場で働いていた成人男性であり、2023年11月25日にインフルエンザ様症状を呈した。患者は11月29日に外来を受診した後、12月にも二度受診し、気管支炎と診断された。患者は抗ウイルス剤による治療は受けず、完全に回復した。
 12月12日に採取された検体は、12月14日に地域の病院の検査室でA型インフルエンザウイルス陽性と判定されたが、亜型判別はできなかった。当該検体はその後、塩基配列解析のため国家サーベイランスネットワークの検査室に送付され、豚インフルエンザA(H1N1)ウイルスであることが確認された後、2024年1月10日にカタルーニャ州の公衆衛生緊急事態サーベイランス及び対応総局に通知された。検体は確認のため1月19日に国立微生物学研究所に送付され、また、当該ウイルス分離株は英国ロンドンのフランシス・クリック研究所にあるインフルエンザの参照及び研究に関するWHO協力センターとも共有される。今回の症例を含め、スペインではインフルエンザA(H1N1)vウイルス感染によるヒト症例が3例報告されている。
・リスク評価
(1)豚インフルエンザウイルス感染の更なる散発的なヒト症例が発生するリスクは?
 豚インフルエンザウイルスは世界中の多くの地域の豚集団の間で循環している。地理的な位置により、これらのウイルスの遺伝的特性は異なる。ほとんどのヒト症例は感染した動物あるいは汚染された環境との接触を通じて豚インフルエンザウイルスにばく露されている。ヒトの感染はほとんどの場合、軽度の臨床疾患となる傾向がある。これらのウイルスは豚集団で検出され続けているため、更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは引き続き稀である。新たな散発的な症例が検出されたとしても公衆衛生への影響はごく小さい。全体的なリスクは低い(low)。
(2)豚インフルエンザウイルスがヒトからヒトへ伝播する可能性は?
 上述の事例に関連するヒトからヒトへの伝播は確認されていない。現在のエビデンスでは、現在循環している豚インフルエンザウイルスはヒト間での持続的な伝播能力を獲得していないことが示唆されている。従って、今のところ、ヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment-26--february-2024
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