食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06240310314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、穀粉(flour)や生地に含まれる大腸菌に関するQ&Aを公表
資料日付 2024年1月15日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は1月15日、穀粉や生地に含まれる大腸菌に関するQ&Aを公表した。概要は以下のとおり。
 大腸菌は、動物やヒトの腸内に自然に存在する細菌である。食品から大腸菌が検出された場合、糞便汚染の重要な指標と見なされる。特定の大腸菌は毒素を産生するため、動物やヒトに重篤な病気を引き起こす可能性がある。大腸菌は糞便を介して環境や様々な動物性及び植物性食品に侵入する。動物とヒトとの間や、ヒトからヒトへの直接的伝播も起こり得る。
 ヒトにとって特に重要なのは、志賀毒素を産生する大腸菌である。これらはSTECと略される。ヒトに重篤な病気を引き起こすSTECは、腸管出血性大腸菌(EHEC)として知られている。
 近年、ドイツの公式食品モニタリングでは、穀粉、ベーキングミックス、生地の検体からSTECが繰り返し検出されている。2009年以降、米国及びカナダでは、これらの細菌に汚染された生地や穀粉に起因する感染症が数件発生している。重症化した事例もある。フランスでは、冷凍ピザ生地に関連した食品媒介EHEC感染症が発生し、2人が死亡した。
 消費者は、キッチンでの衛生ルールを守り、未焼成のパン、ケーキ、ピザ、ビスケットの生地の喫食を避けることで、STEC/EHECの感染から身を守ることができる。
 Q&Aの項目は以下のとおり。(一部回答略)
1. STEC/EHECとは?(回答略)
2. 穀粉がSTEC/EHECに汚染されるのはなぜか?
(回答)穀物などの植物性原料は、汚染された水、天然肥料又は野生動物の糞便を通じてSTEC/EHECに汚染される可能性がある。製粉所で穀物から穀粉に加工される過程で、混入した細菌が最終製品に入る、又は特定の加工工程で増殖する可能性がある。最終製品である穀粉は乾燥食品であるため、STECの増殖性は低いが生残することはある。
3. 穀粉を介して、ヒトはどのようにSTEC/EHECに感染するか?
(回答)ヒトは通常、経口経路でSTEC/EHECに感染する。汚染された食品を喫食する際に当該病原体を摂取することが多い。これには加熱不足の生地も含まれる。キッチンの不衛生も感染の原因となり得る。STEC/EHECは穀粉の中でも生残する可能性がある。感染用量(感染に必要な最小数)は非常に低く(100細胞未満)、すぐにその数に達する。これは特に、室温で長時間放置された(液状の)生地に当てはまる(室温での放置が細菌の増殖を招くため)。サルモネラ属菌の場合、成人の感染用量は10,000細胞程度である。
4. 潜伏期間の長さはどのくらいか?(回答略)
5. どの種類の穀粉が影響を受ける可能性があるのか?
(回答)最近の情報では、小麦粉、ライ麦粉、スペルト小麦粉及びそば粉が関係する可能性がある。STECはまた、様々なベーキングミックスからも検出されている。
6. 穀粉からの感染を防ぐには?
(回答)原則として、基本的な衛生規則を守ることで感染リスクを減らすことができる。穀粉を使用する際には、以下のことを守る必要がある。
・食品の調理前及び穀粉に触れた後は、石鹸と水で手をよく洗い、丁寧に乾燥させること。
・そのまま喫食する食品と穀粉との接触は可能な限り避け、まな板、皿、ボウル、ミキシング用具も使い分けること。
・穀粉に触れた後は、表面や物を洗浄液とぬるま湯でよく洗い乾燥させること。
・未焼成のパン、ケーキ、ピザ及びビスケット生地を喫食しないこと。特に免疫機能の低下した者や小児は生地の生食を避ける必要がある。
7. STEC/EHECはどのように死滅させることができるか?
(回答)STEC/EHECは茹でる、焼く、油で炒める、揚げることで死滅する。必要条件は、食品のすべての部分を70℃で2分間以上加熱することである。これらの数値は、乾燥加熱(dry heat)の使用について言及したものではないことに注意を要する。STEC/EHECは、乾燥穀粉中(含水率約13%)では70℃では確実には死滅しない。これらの細菌はまた、酸、低温及び脱水にも比較的強い。つまり、STEC/EHECは冷凍庫でも確実には死滅させることはできない。しかし、生地では概してそうであるように、(卵、牛乳又は水などで)水分量を増やすことで、従来の加熱調理法でSTEC/EHECを死滅させることができる。したがって、完全に焼かれた生地のSTECに関しては、健康への悪影響は予想されない。
8. 乾燥穀粉をオーブンで加熱処理することは、STEC/EHECへの感染の防御に有効か?
 STEC/EHECは乾燥加熱(dry heat)に比較的強い。そのため、このような処理では穀粉中のSTEC/EHECを完全に死滅させ安全にすることはできない。
9. STEC/EHECは焼き菓子にも存在するか?(回答略)
10. 既製の生地がSTEC/EHECに汚染されることはあるか?(回答略)
11. 生のビスケット生地のつまみ食いは(STEC/EHEC感染の点で)危険か?
 原理的には、穀粉を介した生地の汚染もあり得る。これはSTEC/EHEC感染リスクをもたらす。したがって、BfRは一般的に、未焼成の生地を食べないよう勧告している。特に、免疫機能が低下している者や幼児は一般的に生地の生食を避けるべきである。
12. 工場やベーカリーで働く人は特にリスクが高いのか?(回答略)
13. 家庭ですり潰した(home-mashed)シリアルフレークからもSTECに感染する可能性があるか?穀粉と同じか?(回答略)
14. 穀粉で作られた塩粘土(salt dough)や自家製の造形用粘土などの遊び用の生地(play dough)から、幼児もSTECに感染する可能性があるか?(回答略)
15. ペットもSTEC/EHECに感染するか? (回答略)
16. 消費者をSTEC/EHECから守るためにBfRが行っていることは? (回答略)
 当該Q&Aの英語版は以下のURLから閲覧可能。
https://www.bfr.bund.de/en/escherichia_coli_in_flour_and_dough___what_is_important_for_enjoyment_without_remorse_-314395.html
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/escherichia_coli_in_mehl_und_teig___was_ist_wichtig_fuer_einen_genuss_ohne_reue_-314171.html
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