食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06230260378
タイトル 欧州委員会(EC)、持続可能な農薬使用に関する規則(SUR)案の撤回に言及した、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の欧州議会本会議での演説を公表
資料日付 2024年2月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州委員会(EC)は2月6日、持続可能な農薬使用に関する規則(SUR)案の撤回に言及した、フォン・デア・ライエン(von der Leyen)欧州委員会委員長の欧州議会本会議での演説を公表した。概要は以下のとおり。
・欧州理事会会合、特に2024年2月1日の特別欧州理事会会合の結論に関するフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の欧州議会本会議での演説
 (前略) 欧州理事会の会期中に、欧州各地からの農業従事者が街頭で抗議デモを行っていた。彼らの多くは、窮地に追い込まれていると感じている。農業従事者は、気候変動の影響を真っ先に感じている。干ばつと洪水は彼らの収穫を壊滅させ、家畜を脅かしている。農業従事者は、ロシア戦争の影響を感じている。インフレ、エネルギーや肥料の価格高騰。それでもなお、我々が食べる良質の食物を生産するために、彼らは毎日懸命に働いている。このことについて、我々は彼らに感謝し、謝意と敬意を払うべきだと思う。
 それは本当である。近年、問題は悪化している。欧州の農業従事者の声に当然耳を傾けるべきである。農業従事者が、農業の将来、そして農業従事者としての自分たちの将来について懸念していることを私は知っている。しかし、彼らもまた、自分たちの農場が今後何年にもわたって利益を上げ続けるために、農業がより持続可能な生産モデルへ移行する必要があることを知っている。そして我々は、このプロセスにおいて、農業従事者が依然として主導権を握っていることを確認したいと考えている。
 これが、我々が欧州連合(EU)における農業の未来に関する戦略的対話(Strategic Dialogue on the Future of Agriculture in the European Union)を開始した理由である。我々は、農業部門、若手農業従事者、農村コミュニティ、種子・肥料産業、食品部門、加工部門、さらには金融部門、協同組合銀行部門、消費者団体、環境団体、そしてもちろん科学の広範囲の代表者を招いた。我々は共に状況を分析し、考えを共有し、そして何よりも将来のシナリオを作る必要がある。我々は対立する議論を打開し、そして信頼を築く必要がある。信頼は、実行可能な解決策のための極めて重要な基盤である。
 我々全員にとって、多くの問題がある。欧州の食品生産システムは独特である。欧州のスーパーマーケットに並ぶ製品は、我々の文化や伝統の多様性を反映している。欧州は、欧州の農業従事者のおかげで、世界で最も健康的で高品質な食品に恵まれている、彼らは、このシステムで中心的役割を担っており、当然のことながら、その対価として適正に報酬が支払われなければならない。確かに我々はこの部門に莫大な支援を行っている。欧州の共通農業政策(Common Agricultural Policy: CAP)は、EUの予算によって大きく支えられている。資金は重要だが、それが全てではない。健全な天然資源も、高収量の維持に重要である。特に肥沃な土壌は、欧州の農業従事者の生活を支えてきた。そして現在、欧州の土壌の60%~70%がやせた状態にあることがわかっている。我々はこうした傾向を覆すことができる。そして、多くの農業従事者がまさにそれを実践している。しかし、我々はさらに行うべきことがある。
 効果的な自然保護には、介入するための手厚いインセンティブが提供される必要がある。農業従事者には、自然配慮対策にとって価値のあるビジネスケースが必要だが、おそらく我々はそれを説得力を持って示していない。単なる収量の損失を超える真のインセンティブが必要である。公的助成金は、そのようなインセンティブを提供することができ、一例として、小売業者や製造加工業者との協力による、プレミアム表示が挙げられる。言い換えれば、自然保護はボトムアップとインセンティブに基づくアプローチによってのみ成功させることができる。なぜなら、欧州の農業従事者が自分たちの土地で生活できる場合にのみ、彼らは将来に投資するようになるからである。そして、我々が気候変動と環境の目標を協力して達成した場合にのみ、農業従事者は生計を立て続けることができるだろう。
 欧州の農業従事者はこのことをよく理解している。そして我々は、彼らをもっと信頼すべきである。一例を挙げよう。ECは、化学植物保護製剤のリスクを低減する価値のある目標である、持続可能な農薬使用に関する規則(Sustainable use of pesticide regulation: SUR)を提案した。しかし、SUR案は対立の象徴となった。欧州議会はこれを否決した。欧州理事会でも何の進展も見られない。したがって、我々は何かをしなければならない。そのため、私は委員会(College)に対し、本提案の撤回を提案する予定である。しかし、もちろんこの議題は残る。そして前進するためには、一層の対話と異なるアプローチが必要である。これを踏まえて、ECはステークホルダーと協力して、より一層成熟した内容の新しい提案を行うことができるだろう。
 これからの数か月は容易ではないであろう。しかし、我々は今、重要なチャンスを迎えていると思う。農場をはじめとする欧州の農業食品部門には、長期的な展望と、互いの意見に耳を傾け、共通の解決策を模索する意欲が必要であることは、この議場にいる誰の目にも明らかである。我々は、責任のなすり合いを避け、問題に対して共に解決策を見つける必要がある。EUにおける農業の未来に関する戦略的対話からの報告は、夏の終わりまでに提出される予定であり、それは非常に重要なものとなる。この対話の結果と提言は、欧州議会で加盟国と議論され、EUの将来の農業政策の基盤となるだろう。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州委員会(EC)
情報源(報道) 欧州委員会(EC)
URL https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/speech_24_661
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。