食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06220620470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、7種類の食品媒介感染症の2022年の年次疫学報告書公表に係るニュース記事を公表
資料日付 2024年2月8日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2月8日、7種類の食品媒介感染症の2022年の年次疫学報告書公表に係るニュース記事を公表した。概要は以下のとおり。
 食品媒介感染症であるリステリア症及び志賀毒素産生性大腸菌(STEC)感染症は欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)で増加しており、2022年ではCOVID-19パンデミック以前よりも高い水準に達した。両疾患とも重篤な症状を引き起こす可能性があり、リステリア症は髄膜炎や敗血症、妊婦においては流産を引き起こす可能性があり、STECは腎不全の原因となる場合があり、多くは罹患した小児が発症する。通常、年間で最も多くの食品及び水媒介疾患患者の原因となるサルモネラ症及びカンピロバクター症については、増加は見られなかった。当該情報は、ECDCが本日(※2月8日)公表した7つの2022年の年次疫学報告書で明らかになった。
 これらの報告書は、EU/EEAで最も多く発生する食品及び水媒介感染症に関するものであり、すなわちカンピロバクター症、サルモネラ症、エルシニア症、STEC感染症、リステリア症、細菌性赤痢及びA型肝炎を対象としている。
 EU/EEAの2022年のリステリア症とエルシニア症の届出率は過去10年間で最も高かった。同様のパターンはSTEC感染症及びSTEC関連溶血性尿毒症症候群(HUS)症例でも観察され、これより高い届出率が報告されたのは、欧州で生鮮スプラウトに関連した複数国にわたる大規模なSTEC集団感染が発生した2011年のみである。リステリア症については、増加傾向の一つの説明として、重症化リスクの高い高齢者人口の相対的な増加が考えられる。さらに、免疫機能が低下した人は健康な成人に比べて感受性が高いことを考慮することが重要である。STEC症例の増加は、診断方法がより感度の高い遺伝的手法に変更され、当該細菌を検出しやすくなったため、より多くの症例が診断されるようになったことが一因である。
 2022年は、主にゲイ、バイセクシャル及びその他の男性間性交渉者(gbMSM)に関連した、広範囲薬剤耐性(extensively drug resistant)赤痢菌株の症例が報告された。このことは、性感染症、薬剤耐性、食品及び水媒介疾患の分野において、臨床及び公衆衛生の能力を効果的に連携し、リスク集団に対し情報を提供する必要性を強調する。2022年に発生した最大の細菌性赤痢集団発生は食品由来の可能性が高く、gbMSMに関連した集団発生とは異なり、集団感染株は広範囲薬剤耐性株ではなかった。
 カンピロバクター症については、報告国の三分の一でマクロライド耐性の減少傾向が観察され、特にCampylobacter coliで顕著であった。サルモネラ属菌及びカンピロバクター属菌の両方でフルオロキノロン耐性が増加している中、マクロライド系抗菌性物質はヒトの重症の食品媒介感染症の治療において重要性を増しているため、これは明るいニュースである。マクロライド耐性が減少した理由として、動物医療における当該系統の抗菌性物質の使用量が減少したことが考えられる。
 サルモネラ症、カンピロバクター症及び細菌性赤痢の症例数は、いまだパンデミック以前を大きく下回っている。可能性のある説明としては、在宅勤務や外食及び旅行の減少など、パンデミック後の人々の行動の変容が考えられる。
 また、EU/EEAでは過去5年間、A型肝炎症例数の急激な減少が明らかになっている。この要因としては、手指衛生を保つ慣習などの予防策や、リスク集団におけるワクチン接種の増加、A型肝炎伝播に対する意識の高まりなどが考えられる。2016年から2018年にかけて発生した、主に男性間性交渉者が罹患した複数国にわたる大規模なA型肝炎集団発生の後、リスク集団において自然感染による免疫保有者が増加したことも一因と考えられる。
 カンピロバクター症に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/campylobacteriosis-annual-epidemiological-report-2022
 A型肝炎に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/hepatitis-annual-epidemiological-report-2022
 リステリア症に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/listeriosis-annual-epidemiological-report-2022
 サルモネラ症に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/salmonellosis-annual-epidemiological-report-2022
 STEC感染症に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/stec-infection-annual-epidemiological-report-2022
 細菌性赤痢に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/shigellosis-annual-epidemiological-report-2022
 エルシニア症に関する2022年疫学報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/yersiniosis-annual-epidemiological-report-2022
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/increase-severe-food-borne-infections-reported-eueea-2022
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。