食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06210070510
タイトル 論文紹介:「様々なアルコール飲料における多環芳香族炭化水素に関する研究がレビューされた」
資料日付 2024年1月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  論文紹介:「様々なアルコール飲料における多環芳香族炭化水素に関する研究がレビューされた」
 Environmental Health Perspectives (2024年1月19日電子版https://doi.org/10.1289/EHP13506)にレビューとして掲載された論文「アルコール飲料と多環芳香族炭化水素に関する最新科学レビュー (A State-of-the-Science Review of Alcoholic Beverages and Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)、著者Liam King (University of British Columbia、カナダ)」の概要は、以下のとおり。
 背景:アルコールと特定のがんの関連はよく知られているが、エタノールとその代謝産物であるアセトアルデヒド以外にも、アルコール飲料におけるベンゾ[a]ピレン(グループ1に分類されている発がん性物質)などの多環芳香族炭化水素(PAH)など発がん性化合物がアルコール飲料に含まれることについてはほとんど知られていない。
 目的:アルコール飲料中のPAH濃度に関する既報論文を要約し、今後の研究に役立てるための潜在的な知見のギャップを明らかにした。
 方法:ウイスキー、ラム酒、ブランデー、ジン、ウォッカ、ワイン、ビールなど様々な種類のアルコール飲料中のPAH濃度を定量した論文を、主要な研究論文として文献データベースMedlineとScopusで検索した。なお、検索対象期間は、1966年1月~2023年11月に設定した。主要な文献ではない研究論文は除外し、特定のアルコール飲料中のPAH含有量を定量した研究論文のみを対象とした。
 結果:1966年~2019年に発表された10報の研究論文がレビューの基準を満たした。飲料の種類以外では、検査されたアルコール製品の検体の選択基準が報告された論文はなかった。研究論文では、PAHを検出するために様々な分析方法が用いられていた。10報のうち、7報は2000年以降に発表された論文であり、6報では20種類未満の製品が評価されていた。そのうち7報では蒸留酒、3報ではビール、4報ではワインが、それぞれ分析されていた。ベンゾ[a]ピレンは、蒸留酒、特にウイスキーに最も多く含まれ(※訳注1)、全般的に、そのレベルは飲料水の許容レベルを超えていた。ビールやワインの中にもPAHを含むものがあったが(※訳注2)、蒸留酒よりもレベルと頻度は低かった。
 考察:PAHはいくつかのアルコール飲料に含まれており、飲料の種類によって異なるようである。しかし、現在入手可能な様々なアルコール飲料の代表的な検体におけるPAHの存在とレベルについての理解は不完全である。このギャップに対処することは、アルコールとがんの関係についての理解を深める可能性があるとともに、公衆衛生やアルコール飲料の規制に重要な影響を与える可能性がある。さらに、直接的な質量分析法などの新しい分析法によって、この関係をさらに調査するための検体のより徹底的な分析が容易になる可能性がある。
(※訳注1) ウイスキーに含まれるPAHは、主に麦芽製造過程における発生と内部が炙られた貯蔵樽(熟成樽)からの浸出によると考えられている。
(※訳注2) ビールに含まれるPAHは、大麦などの穀物が発酵前に焙煎される過程で発生し、ワインの場合は、熟成樽からの浸出による。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) Environmental Health Perspectives
情報源(報道) Environmental Health Perspectives
URL https://ehp.niehs.nih.gov/doi/10.1289/EHP13506
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