食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06200180510 |
| タイトル | 論文紹介:「グリホサートの使用とY染色体のモザイク損失の関連が評価された」 |
| 資料日付 | 2023年12月6日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | 論文紹介:「グリホサートの使用とY染色体のモザイク損失の関連が評価された」 Environmental Health Perspectives (2023年12月6日電子版https://doi.org/10.1289/EHP12834)に掲載された論文「農業健康調査における男性農業従事者のグリホサートの使用とY染色体のモザイク損失 (Glyphosate Use and Mosaic Loss of Chromosome Y among Male Farmers in the Agricultural Health Study)、著者Vicky C. Chang (National Institutes of Health (NIH))、米国」の概要は、以下のとおり。 背景:グリホサートは世界中で最も一般的に使用されている除草剤であり、特定の血液がん(※訳注1)の発生に関与していると考えられている。ヒトの細胞や動物におけるメカニズムの研究はグリホサートの遺伝毒性効果を支持しているが、ヒト集団におけるエビデンスは乏しい。 目的:私達は、Y染色体のモザイク損失(mLOY) (※訳注2)を男性農業従事者における遺伝毒性マーカーとして、生涯にわたる職業上のグリホサート使用との関連を評価した。 方法:私達は、農業健康調査のサブコホートである「農業調査におけるばく露と影響のバイオマーカー」に参加した50歳以上の農業従事者1,606名の血液由来のDNAを解析し、性染色体の偽常染色体領域(※訳注3)におけるジェノタイピング(genotyping)アレイ強度データ(※訳注4)を用いてmLOYを検出した。生涯の累積グリホサート使用量は、自己申告による農薬ばく露歴を用いて評価した。多変量ロジスティック回帰を用いて、グリホサートの使用と検出可能なmLOY(一般的mLOY)、または細胞の10%以上がmLOY(拡張mLOY)の関連について、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 結果:全体的には、被験者の21.4%にmLOYが、9.8%に拡張mLOYが検出された。グリホサートの生涯総使用日数の増加は、拡張mLOYと関連したが[最高四分位数 vs. 最低四分位数;OR = 1.75 (95% CI: 1.00, 3.07)、p(trend) = 0.03]、一般的mLOYとの関連は認められなかった。拡張mLOYとの関連性は、高齢者(70歳以上) [OR = 2.30 (95% CI: 1.13, 4.67)、p(trend) = 0.01]、喫煙未経験者[OR = 2.32 (95% CI: 1.04, 5.21)、p(trend) = 0.04]、および非肥満者[OR = 2.04 (95% CI: 0.99, 4.19)、p(trend) = 0.03]で最も明らかであった。グリホサートの生涯使用日数をばく露強度スコア(※訳注5)で重み付けした場合にも、同様の関連性パターンが観察された。 考察:グリホサートの生涯使用量が多いほど、より多くの細胞が影響を受けているmLOYと関連する可能性があり、これはグリホサートがクローン性増殖(※訳注6)に関連する遺伝毒性または選択的効果を与える可能性を示唆している。グリホサートの使用とmLOYの関連を調査した最初の研究として、本研究で得られた知見はグリホサートの発がん性の可能性に関する新たなエビデンスとなるものであり、今後の研究での再現が必要である。 (※訳注1) グリホサートの使用と非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma)の発生の関連に関する限定的なエビデンスが、Pahwaらの論文などで報告されている。 M. Pahwa et al., 2019, Glyphosate use and associations with non-Hodgkin lymphoma major histological sub-types: findings from the North American Pooled Project, Scandinavian Journal of Work, Environment & Health, 45, 600-609, https://doi.org/10.5271/sjweh.3830 (※訳注2) Y染色体が異常な細胞と正常な細胞が混在している状態のこと (※訳注3) X染色体とY染色体の間で配列が相同な領域 (※訳注4) ジェノタイピングは、DNA塩基配列の比較に基づいて、集団内での遺伝的配列のわずかな差を検出する方法である。 (※訳注5) 「ばく露強度スコア」は、J. Cobleらによって開発されたアルゴリズムに従って、アンケートから得られた情報(グリホサートの混合または補充、散布方法、散布器具の修理、手袋やその他の個人用保護具の使用)から推定された。 J. Coble et al., 2011, An updated algorithm for estimation of pesticide exposure intensity in the Agricultural Health Study, International Journal of Environmental Research and Public Health, 8, 4608-4622, https://doi.org/10.3390/ijerph8124608 (※訳注6) 突然変異を起こした細胞のクローン増殖は、血液系腫瘍およびその他の悪性腫瘍のリスクの上昇と関連していると考えられている。 |
| 地域 | その他 |
| 国・地方 | その他 |
| 情報源(公的機関) | Environmental Health Perspectives |
| 情報源(報道) | Environmental Health Perspectives |
| URL | https://doi.org/10.1289/EHP12834 |
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