食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06180130535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ビスフェノールA:オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の報告書BPA Part 2 (TOX/2023/61)を公表
資料日付 2023年12月1日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は2023年12月1日、ビスフェノールA:オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の報告書BPA Part 2 (TOX/2023/61)を公表した。概要は以下のとおり。
 2023年4月、欧州食品安全機関(EFSA)の食品接触材料、酵素および加工助剤に関するパネル(CEPパネル)は、新たな耐容一日摂取量(TDI)を0.2 ng BPA/kg体重/日と設定した。この新しいTDIは、当初提案されたレベル0.04 ng/kg体重/日よりも高いが、すべての年齢層の平均的および高水準の消費者は、新たなTDIを2~3桁上回ることになる。
 COTは、2022年2月の臨時会議でEFSAの意見書案について議論し、パブリックコンサルテーションにコメントを提出した。2023年5月の会議で、EFSAの最終見解と、欧州医薬品庁(EMA)およびドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)による見解の相違が議論された。
 2023年5月に暫定見解表明書草案は委員会に提出され、議論を経て、2023年9月の委員会で再度議論された。当該暫定見解表明書には、英国の関連法規と欧州または国際的な機関が定めたBPAの健康影響に基づく指標値(HBGV)に関する追加情報が添付された。
 最近(2016年)BPAに関する情報を公表した機関の一つに、RIVMがある。RIVMは、新たな知見に基づき、現行のEU基準を再検討し、可能な限り短期的にBPAばく露を減らす必要があると指摘した。これにより、発育中の胎児、乳児、幼児は成人よりもBPAの影響に敏感であるため、小さな子供、妊婦、授乳中の女性の保護に特別な注意を払う必要があるとした。RIVMは2014年にBPAに関する報告書(Part 1)を発表し、BPAに関する当時の知見の概要を説明した。
 科学的知見を評価し、考えられる健康リスクについて議論することを目的とした報告書Part 2は、9月の会議では事務局に提出されなかった。その後、RIVMの好意によりPart 2(リスク管理への提言)へのリンクが提供されたことから、以下に主な点をごく簡単に要約する。なお、当該報告書の第6章では、BPAの代替物に焦点が当てられているため、ご参照願いたい。
 2016年、RIVMは、当時のヒト健康有害性基準とばく露に関する情報に関して、次の(1)~(4)を結論として導き出した;(1)2015年にEFSAが推定した食事ばく露レベルではBPAに対する健康上の懸念はない、(2)総ばく露(食事および非食事)の懸念は低い、(3)集中治療室の新生児にリスクの可能性がある、(4)BPAの製造に携わる労働者、BPAを使用するすべての工程で働く労働者の皮膚感作性、および妊娠中の労働者の経皮ばく露による胎児へのリスクがある。
 RIVMはまた、Menardら(2014) (参考文献1)が発表した免疫学データも考慮し、BPAは現在の欧州基準で想定されているよりも低用量で食物アレルギーの発症につながり、感染症に対する抵抗性に悪影響を及ぼす可能性があることを示唆した。新生児、乳児、幼児はより影響を受けやすいようである。RIVMは、2015年のEFSAと同じアプローチで暫定耐容一日摂取量(tTDI)を導き出し、EFSAがtTDIの根拠としたヒト等価用量(HED)より10倍低いHEDで動物に影響が認められると結論した。RIVMは、新たな研究結果は現行基準の再検討を正当化するものであると結論した。そして、RIVMは、オランダ政府に対して、EFSAに対しTDIを再検討するよう、欧州委員会に対し職業ばく露限界値(OEL)を再検討するよう、欧州化学品庁(ECHA)に対しBPAの健康への有害影響の評価を再開するよう、それぞれ要請することを提言した。
 リスク低減は代替物によって達成される可能性があり、RIVMは報告書の中で多くの代替物をリストアップしている。ただし、RIVMは、そのほとんどについての毒性評価が欠如していると指摘している。
 RIVM報告書BPA Part 2の全文は、次のURLから閲覧できる。
https://www.rivm.nl/publicaties/bisphenol-a-part-2-recommendations-for-risk-management
 本委員会の意見が求められる質問
1. 委員は、RIVM報告書Part 2についてコメントはあるか?
2. 委員会は、他に追加のコメントはあるか?
(参考文献1) S. Menard et al., (2014), Perinatal exposure to a low dose of bisphenol A impaired systemic cellular immune response and predisposes young rats to intestinal parasitic infection. PLoS One, 9, e112752.
(注) 当該資料は、2023年12月12日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Bisphenol%20A:%20The%20Dutch%20National%20Institute%20for%20Public%20Health%20and%20the%20Environment%20%28RIVM%29,%20BPA%20Part%202
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。