食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06180020108
タイトル 米国環境保護庁(EPA)、プラスチック容器から農薬及びその他の製品に溶出するPFASから人々を守るための措置を講じることを公表
資料日付 2023年12月1日
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分類2 -
概要(記事)  米国環境保護庁(EPA)は12月1日、プラスチック容器から農薬及びその他の製品に溶出するPFASから人々を守るための措置を講じることを公表した。概要は以下のとおり。
 EPAは、Inhance Technologies LLC(Inhance社)に対し、フッ素加工高密度ポリエチレン(HDPE)プラスチック容器を製造する際に発生する化学物質であるパーフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)を製造しないよう指示する命令を発出した。有害物質規制法(TSCA)に基づき実施される本措置は、様々な家庭用消費財、農薬、燃料、自動車、その他の工業製品に使用される容器中に含まれる危険なPFASへのばく露から国民を守ることにつながるであろう。
 米国疾病管理予防センター(CDC)及びその他のデータによると、検査を受けた人のほぼ100%が、Inhance社が製造する7種類のPFASのうち少なくとも1種類をすでに血液中に有していた。Inhance社が製造するPFASの一種であるパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は、それ以上のばく露がなくても、一回のばく露で体外に排出されるまでに10年以上かかる。
 2019年、マサチューセッツ州イーストンの町の飲料水からパーフルオロオクタン酸(PFOA)が検出された。その後、地元の水域が検査されてPFASが検出され、州当局が使用していた蚊駆除剤に辿り着いた。2020年9月、EPAは当該蚊駆除剤のPFAS汚染を認識させた。その後EPAの科学者は、蚊駆除剤中から検出されたPFASは、Inhance社が製造した製品の保管に使用されたHDPE製容器に由来することを特定した。EPAは、Inhance社が容器をフッ素加工する際に、PFOAを含む多種類のPFASを製造していることを特定した。EPAは2021年3月、これらのPFASは農薬のような液体製品に浸出する可能性があり、時間の経過とともに浸出し続ける可能性があると発表した。
 2022年3月、EPAは、PFAS製造の開始前にEPAに通知しなかったとして、Inhance社に違反通知を発出した。Inhance社は、2015年にEPAの長鎖PFASの重要新規使用規則(Significant New Use Rule、SNUR)が提案されてから2020年に最終決定されるまでの5年間、その手続きの一環として長鎖PFASを製造していることをEPAに通知する必要があった。この通知の後、EPAの施行・遵守保証局(Office of Enforcement and Compliance Assurance、OECA)は、Inhance社が規制対象PFASの製造を中止したかどうかを判断するために、Inhance社に関与した。Inhance社が現在も規制対象PFASを製造しており、フッ素加工処理を継続する意向であると判断したため、OECAは司法省(DOJ)に取締りを委ね、DOJはEPAに代わってInhance社を2022年12月に提訴した。Inhance社は、こうした措置の後に初めて、同社が製造する9種類のPFASに関する重要新規使用通知(SNUN)を2022年12月30日に審査のためEPAに提出した。
 Inhance社はこれまで、年間2億個もの容器をフッ素加工してきた(米国内の世帯数より多い容器数である)。これら9種類のPFASが2.2 kg放出されれば、飲料水の重大な汚染を引き起こし、何百万人もの人々に健康への有害影響が及ぶ危険性がある。例えば、EPAは最近、飲料水中のPFOAについて、最大汚染レベル(MCL)を4 一兆分率(ppt)とすることを提案した。さらにEPAは、飲料水中のPFOAに健康への有害影響のリスクがないレベルは存在しないとも提案している。仮に2.2 kgのPFOAが飲料水源に放出された場合、1,450億ガロン(約5,489億リットル)以上の水が、この法的強制力のあるレベル案を超えるレベルまで汚染されることになる。これは、ニューオーリンズ市のほぼ3年分の水使用量に相当する。
 SNUNを審査した結果、また新規PFAS及びPFASの新規用途に対処するための枠組みと整合するように、EPAは、PFASのうち3種類(PFOA、パーフルオロノナン酸(PFNA)、パーフルオロデカン酸(PFDA))は毒性が高く、製造禁止以外では防止できない不合理なリスクがあると判断した。そのためEPAは、TSCA第5条(f)に基づき、HDPEのフッ素加工により生成されるPFOA、PFNA及びPFDAの継続的な製造を禁止する。EPAはまた、Inhance社が製造している9種類のPFAS化学物質のうち残りの6種類についても、健康及び環境に不当なリスクを及ぼす可能性があると判断し、TSCA第5条(e)に基づき、同社に対してこれらの化学物質の製造を中止し、製造を再開する場合は追加試験を実施するよう求めている。しかし、現在Inhance社が行っているプラスチック製品のフッ素加工処理工程では、PFOA、PFNA、及びPFDAを含む、これらの命令の対象となる9種類のPFAS化学物質が全て同時に製造されている。したがって、フッ素加工工程においてPFOA、PFNA、及びPFDAの製造を続ける限り、他の6種類のPFASの製造を再開することはできない。これらの命令は2024年2月28日に発効する。
 このフッ素加工工程には、多くの部門が必要な保護包装を施した製品を提供し続けることを可能にする代替工程が存在する。さらにEPAは、Inhance社が全てのPFAS製造をなくすという明確な目標を掲げて工程の変更に取り組んでいることを理解している。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/環境保護庁(EPA)
情報源(報道) 米国環境保護庁(EPA)
URL https://www.epa.gov/newsreleases/epa-takes-action-protect-people-pfas-leach-plastic-containers-pesticides-and-other
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