食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06170490149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、ナノファイバーのハザード評価に向けたNAMs(New Approach Methodologies)に関するEFSAパイロット プロジェクト ロット2: 「ナノファイバーのリスク評価に向けたgut-on-a-chipモデルの適用の検討」に関する外部機関による科学的報告書を公表
資料日付 2023年11月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は11月9日、ナノファイバーのハザード評価に向けたNAMs(New Approach Methodologies)に関するEFSAパイロット プロジェクト ロット 2: 「ナノファイバーのリスク評価にむけたgut-on-a-chipモデルの適用の検討」に関する外部機関による科学的報告書を公表した(8月4日採択、PDF版85ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2023.EN-8230)。概要は以下のとおり。
 ナノセルロース(NC)は食品業界における新興材料であり、食品包装、新食品、食品添加物に将来応用できる可能性がある。しかしながら、摂取されたNCの潜在的なハザードは十分に特性決定されていない。主たる懸念として、材料のナノスケール特性がそのトキシコキネティクスに関わる挙動に影響を及ぼす可能性が挙げられる。このことから、NCが腸内で局所的な悪影響を誘発する可能性、及び/又は、腸関門を通過して全身ばく露に至る可能性に焦点を当てた特異的な評価が必要となる。
 単一細胞株(Caco-2)に基づく古典的なin vitroモデルは、in vivo腸内環境の複雑性を模倣するには程遠い状態にある。この限界から、ヒトの健康に対するNCの潜在的リスクをさらに適切に予測するため、in vivoを模倣する構造を再現し、かつ、生理学的関連性が向上した細胞反応を示す、複雑性の高いin vitroヒト腸モデルの開発が必要とされている。
 本プロジェクトは、ヒト胃腸管におけるNCの運命及び影響に関する理解に現在存在するギャップをカバーするため、胃腸管におけるNCの潜在的な取り込み、NCの毒性学、NCの免疫反応性の評価に向け利用する、未だ検証されていない新奇かつ複雑な、複数の3D in vitroモデルの適用及びそれらの比較に焦点を当てている。
「研究手法」
 静的器官型3Dシステム(Static organotypic 3D system、MatTek、Life Sciences)及びマイクロ流体ベースのオルガン・オン・チップ デバイス (microfluidic-based organ-on-chip device、Mimetas B.V.)を使用し、NCの局所効果に対するぜん動運動の必要性に着目して調査が実施された。これらのシステムの信頼性及び的中度は、ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)由来腸上皮の細胞再生能力を再現できる胃腸オルガノイドとの比較により、さらに評価された。NCと免疫細胞の相互作用を胃腸管レベルで評価するため、in vitroモデルを組織様単球由来マクロファージを用いて補完した。炎症状態は、選抜した炎症性サイトカインにシステムをばく露することにより誘発した。in vitroモデルを、未使用の状態、及び/又は、in vitro消化を経た状態にある、2種のNC(ナノフィブリル化セルロース(NFC)及びセルロース ナノクリスタル(CNC))にばく露した。NCの潜在的な影響を調査するため、細胞生存率障害/細胞毒性・炎症(誘発性)反応、腸関門の完全性等、特定の機能的エンドポイント及び分子的エンドポイントが、上皮細胞区画及び免疫細胞区画の双方にて評価された。NCの腸内取り込みは、透過型電子顕微鏡(TEM)及び共焦点顕微鏡を使用して、腸細胞由来単一細胞株(分化させたCaco-2細胞)、器官型3Dシステム、初代マクロファージにて調査された。
「結果」
 得られた結果から、CNCではなくNFCが、試験された最高濃度(100 μg/mL)において、組織の生存率に影響を与えることなく、腸関門の完全性を変化させることが示された。対照として用いた炎症性刺激と比較すると、両NCへのばく露からは、統計学的に有意な炎症性サイトカイン(IL-6及びIL-8)の産生亢進は誘導されず、同様の結果が初代マクロファージにおいても確認された。NCの取り込みはマクロファージにおいては観察されたが、上皮細胞では観察されなかった。これらのデータは、本研究にて開発された最先端培養プラットフォームの文脈において、亜慢性ばく露及び/又は反復ばく露後のNCの影響評価を可能にする今後の研究の出発点となる可能性がある。
「考察」
 NCの食品用途における適用が増加していることから、ナノ材料のリスク評価に関するEFSAガイダンス(EFSA科学委員会、2021年)にて確立された原則に従う評価が必要となっている。単一細胞株に基づくin vitroモデルでは、複雑な腸内環境は適切に再現されない。胃腸管運動の再現を含め、複雑性の高いステムの方が、ヒトの胃腸管に対するNCの潜在的影響をさらに適切に評価できる可能性がある。
 探索的である本プロジェクトでは、最先端in vitroモデルを用いた実験を設計し、その信頼性を検証すると供に、潜在的なNCハザードに関するメカニズムの理解を深めることを目的とした。
 実施機関:
・ Institute of Biochemistry and Cell Biology, National Research Council (CNR)、イタリア
・ Institute of Genetic and Biomedical Research (IRGB), UOS of Milan, National Research Council (CNR)、イタリア
・ IRCCS Humanitas Research Hospital, Rozzano-Milan、イタリア
・ Institute of Experimental Endocrinology and Oncology ”G. Salvatore”-Second Unit, National Research Council (CNR)、イタリア
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8230

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