食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06160270475 |
| タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、小児がんとブドウ畑の近接居住との関連性に関する研究について情報を提供 |
| 資料日付 | 2023年10月18日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月18日、小児がんとブドウ畑の近接居住との関連性に関する研究について情報提供を行った。概要は以下のとおり。 科学的研究GEOCAP-Agriは、「Environmental Health Perspectives」誌に掲載されたところである(※)。その目的は、小児がんと子供の住居近くのブドウ畑の面積との潜在的な関連性を調査することであった。本研究は、疫学統計学研究センター(CRESS)の研究室(フランス国立衛生医学研究所(Inserm)/パリ・シテ大学)により、フランス公衆衛生局の協力のもと、フランス本土全域において実施された。 ANSESは、植物保護製剤が健康及び環境に及ぼす有害影響を監視することを目的とする植物保護製剤監視(フィトファーマコビジランス(phytopharmacovigilance))システムの枠組みで、本研究に出資した。本研究は、農薬に関する医師の警告(Alerte des Medecins sur Les Pesticides (AMLP))の会の要請を受け、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏で植物保護製剤へのばく露との関連が疑われる一連の小児がんの症例を踏まえて行われた。 GEOCAP-Agriのために、Insermの研究者は、2006年～2013年の小児がんに関する全国登録(RNCE)データを使用した。そして、フランス本土で白血病に罹患した15歳未満の子供の住居から最も近いブドウ畑の区画までの距離とブドウ栽培面積を算出し、この結果を同年齢の非罹患児の同じデータ(ブドウ栽培面積、距離)と比較した。 その結果、フランス本土におけるがん症例の集積性の傾向は明らかにされなかった。研究結果によると、居住地の住所から1キロメートル以内にブドウ畑が存在することは、健康な対照群においてよりも、白血病の罹患児において多くはなかった。 一方、研究者が実施した統計分析により、居住地の住所を中心にして半径1キロメートル圏内でブドウ畑の密度が高くなるのに応じて、リンパ芽球性白血病のリスクが緩やかに上昇することが明らかにされた。平均して、ブドウ畑の面積が10%増加すると、リスクは5%～10%上昇する。 関係する植物保護製剤の使用は10年以上前にさかのぼるため、時期やデータの入手可能性の理由から、この統計結果を、製品の使用又は子供のばく露と照合することはできない。 本研究の枠内で、地図を作成することにより、住居の近くのブドウ栽培区画の面積を特定し、定量化することができた。GEOCAP-Pestと呼ばれる新たな研究は、小児がんの主なタイプについて、これらのデータと作物の種類ごとに使用されている植物保護物質を比較する予定である。2023年末にInsermが開始する予定のこの研究の目的は、小児がんのリスクと、子供の住居の近くで行われている農作業で使用されている製品へのばく露との潜在的な相関関係を検証すること、そしてリスク上昇の原因となる製品群、化学物質群、さらには有効成分を特定することである。 植物保護製剤の使用が周辺住民の健康に及ぼす影響を理解し、管理対策を実施するためには、散布された作物の近くに居住する人々のばく露量を推算する必要がある。これは、ANSESとフランス公衆衛生局が実施したPestiRiv研究(※訳注: ブドウ栽培地域住民の農薬ばく露に関する調査)の目的の一つである。 GEOCAP-Agriにより知見が得られたこととは別に、本研究のプロトコルは、植物保護製品に起因する有害影響の原因を特定することの難しさを浮き彫りにした。ANSESが特定した原因の一つは、農地の区画別、作物別、年別の植物保護剤の使用に関するデータベースの欠如である。このため、周辺住民の製品へのばく露を解析する能力が制限され、その結果、必要な行動手段の特定が妨げられている。現行のフランスの規制のもとでは、製品の使用に関するデータは、農業使用者によって記録・保存されなければならないが、限られた期間しか記録・保存されない。したがって、ANSESは、デジタルデータベースを構築し、今後の研究、特に報告された影響の分析にこのデータベースを動員できるようにすることが、製品の使用者を含む全ての人にとって有益であると考えている。 (※)当該研究に関するInsermのプレスリリースは以下のURLから閲覧可能。 https://presse.inserm.fr/une-etude-de-linserm-sinteresse-au-lien-entre-le-risque-de-leucemie-pediatrique-et-le-fait-dhabiter-a-proximite-de-vignes/67576/ |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | フランス |
| 情報源（公的機関） | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
| 情報源（報道） | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
| URL | https://www.anses.fr/fr/content/liens-cancers-pediatriques-residence-vignes |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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