食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06150510294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/8/31~10/3)を公表(豚インフルエンザウイルス)
資料日付 2023年10月3日
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分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は10月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/8/31~10/3)を公表した(6ページ)。豚インフルエンザウイルスに関する概要は以下のとおり。
・感染状況
 2023年8月30日の前回のリスク評価以降、変異型インフルエンザウイルス感染によるヒト症例1例がオランダから報告され、また別の1例が米国で検出された。
 インフルエンザA(H1N1)変異型ウイルス(A(H1N1)v)、オランダ
 2023年9月2日、WHOはオランダにおけるA(H1N1)vウイルスによるヒト感染例の通知を受けた。患者は成人で、基礎疾患は無く、職業上の動物へのばく露歴もなかった。2023年8月20日、患者は急性呼吸器感染症と一致する症状を発症した。8月21日、患者は急性呼吸器感染症の参加型サーベイランスの一環で症状を報告し、自己採取した鼻及び咽頭スワブの複合検体を検査室に提出した。その後、患者は回復した。
 8月22日、当該検体はオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)のナショナルインフルエンザセンターに送られ、8月23日にA型インフルエンザウイルス陽性及びA(H1N1)pdm09陰性と判定された。さらに、8月24日と25日に、RT-qPCRアッセイによる所定の亜型判定が行われた。季節性インフルエンザウイルス及びH5亜型ウイルスの検査では陰性であった。
8月28日、所定の全ゲノムシークエンス解析とウイルスの分離が開始された。8月30日、シークエンス解析の結果、当該ウイルス(A/Netherlands/10534/2023)は、Eurasian avian-like系統のクレード1C.2.2に属する豚由来インフルエンザウイルスA(H1N1)vであることが判明した。ヘマグルチニン(HA)のゲノムセグメントは、2022年及び2023年のオランダの最近のクレード1C.2.2の豚インフルエンザウイルスと近縁のクラスターを形成した。同国の過去のクレード1C.2.2のA(H1N1)vウイルス(2019年)及びA(H1N2)vウイルス(2020年)とはそれほど近縁なクラスターを形成しなかった。表現型としては、当該ウイルスはノイラミニダーゼ阻害剤であるオセルタミビル及びザナミビルに感受性である。当該ウイルス株は、更なる特性評価のため、英国ロンドンのWHO協力センター及び英国動植物衛生庁(APHA)にある鳥及び豚インフルエンザに関する国際獣疫事務局(WOAH)のリファレンスラボラトリーと共有される予定である。
 調査では、当該人物は養豚場やその他の豚に関わる仕事に従事しておらず、医療関係者でもないことが報告された。従って、感染源は明らかではない。5人の濃厚接触者で症状を訴えた者はいなかった。当該症例が検出された時点では、オランダで検出されたインフルエンザウイルスはわずかであり、今回報告された症例を除けば、特性評価されたウイルスで豚インフルエンザA変異型ウイルスであったものはない。
 インフルエンザA(H1N2)変異型ウイルス(A(H1N2)v)、米国
 2023年9月22日、米国疾病管理予防センター(CDC)は、モンタナ州の18歳未満の人物においてインフルエンザA(H1N2)vウイルス感染が検出されたことを公表した。当該患者は2023年8月5日に終わる週に医療機関を受診し、入院はしていない。地方公衆衛生当局の調査により、患者は発症前に農業フェアに参加していたことが判明した。調査は現在継続中である。当該症例の接触者の間で呼吸器疾患を呈する者は検出されず、当該症例に関連するA(H1N2)vウイルスによる新たなヒトの感染は確認されなかった。
 これは2023年に米国で報告された3例目のA型インフルエンザの変異型ウイルスによるヒト感染例である。
・リスク評価
(1)豚インフルエンザウイルス感染の更なる散発的なヒト症例が発生するリスクは?
 豚インフルエンザウイルスは世界中の多くの地域の豚集団の間で循環している。地理的な位置により、これらのウイルスの遺伝的特性は異なる。ほとんどのヒト症例は感染した動物あるいは汚染された環境との接触を通じて豚インフルエンザウイルスにばく露されている。ヒトの感染はほとんどの場合、軽度の臨床疾患となる傾向がある。これらのウイルスは豚集団で検出され続けているため、更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは引き続き稀である。新たな散発的な症例が検出されたとしても公衆衛生への影響はごく小さい。全体的なリスクは低い(low)。
(2)豚インフルエンザウイルスがヒトからヒトへ伝播する可能性は?
 上述の事例に関連するヒトからヒトへの伝播は確認されていない。現在のエビデンスでは、現在循環している豚インフルエンザウイルスはヒト間での持続的な伝播能力を獲得していないことが示唆されている。従って、今のところ、ヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--3-october-2023
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