食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06140080307
タイトル スペイン食品安全栄養庁(AESAN)、科学委員会ジャーナル37号において「食品中に存在する可能性のある特定の化合物の潜在的な肥満誘発活性に関する利用可能なエビデンスについての報告書」を公表
資料日付 2023年9月12日
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概要(記事)  スペイン食品安全栄養庁(AESAN)は2023年9月12日、科学委員会ジャーナル37号において「食品中に存在する可能性のある特定の化合物の潜在的な肥満誘発活性(actividad obesogenica)に関する利用可能なエビデンスについての報告書」を公表した。概要は以下のとおり。
 世界保健機関(WHO)によると、肥満及び過体重は世界的な流行に達している。スペインでは、肥満の有病率が高く、特に子どもにおいては過去20年間増加傾向にある。食習慣の改善及び運動の増加が肥満減少の主な焦点となっているが、食習慣及び運動パターンが異なる国々において肥満が急速に増加していることは、肥満の原因となる活性をもつ化学物質へのばく露など、環境因子の存在の可能性を示唆している。肥満の原因となる物質は、脂肪細胞の数を増加させ、既存の脂肪細胞に脂肪を蓄積させることによって肥満を促進する化合物ととして機能的に定義されている。最もよく研究されている肥満の原因となる物質は、ビスフェノール類やフタル酸エステル類などのプラスチック産業で使用される物質、有機スズ化合物、難燃剤、パーフルオロ化合物、ポリ塩化ビフェニル、ダイオキシン、農薬、金属などである。肥満の原因となる物質という言葉には多くの化合物が含まれるため、吸入、経皮、食事などさまざまな経路による肥満の原因となる物質へのばく露があるが、主要となるばく露経路は食事である。
 肥満の原因となる物質の作用機序は多様であり、エストロゲン、アンドロゲン及び甲状腺ホルモンの受容体、そしてペルオキシソーム増殖剤応答性受容体-γなど、脂肪細胞の分化、体重、代謝に関与する遺伝子の発現を直接調節する核内ホルモン受容体の作用の活性化または拮抗によって作用する。これらはまた、様々な免疫-神経-内分泌代謝経路の調節に作用する可能性があり、脂質生成、脂質合成、脂肪分解、免疫、及び食欲とエネルギー消費の中枢調節における病態生理学的影響、並びに腸内細菌叢における変化などを引き起こす可能性がある。肥満の原因となる物質は代謝にとって重要なものであり、青年期及び成人期における永続的な変化をもたらす可能性があることから、肥満の原因となる物質へのばく露が最も危険な時期は、妊娠前、妊娠中及び若齢期であると強調することは重要である。
 この観点から、AESAN科学委員会は、肥満の原因となる物質への食事性ばく露及び健康への影響の可能性に関する既存のエビデンスのレビューを実施した。科学文献は、in vivo及びin vitroの研究において、食品に含まれるいくつかの化合物の肥満の原因となる活性に関するエビデンスを提供しており、疫学的研究はこの仮説を補強している。科学委員会は、それら化合物の肥満の原因となりうる能力、及びエピジェネティックなメカニズムを介した他の世代への影響の伝達の可能性を予測・評価するために、ばく露及び影響のバイオマーカーを標準化しつつ、これらの化合物へのばく露の影響を評価することを目的とした、より多くの研究の実施を提言する。必要なエビデンスが出揃った際には、科学者、臨床医、国内外の規制機関の間で、これらの物質へのばく露を可能な限り減らすためのリスク管理対策実施に向けた、包括的かつ効率的な戦略を策定する調整及びコミュニケーションがなされるべきである。
 当該報告書は以下のURLから閲覧可能(PDF版、P.15~)
https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/publicaciones/revistas_comite_cientifico/comite_cientifico_37.pdf
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
情報源(報道) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
URL https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/web/noticias_y_actualizaciones/noticias/2023/comite_cientifico_37.htm
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