食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06130460104
タイトル 米国疾病管理予防センター(CDC)、テホコテの根と表示された減量サプリメントにキバナキョウチクトウの含有が確認された2022年の事例に関して注意を喚起
資料日付 2023年9月15日
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分類2 -
概要(記事)  米国疾病管理予防センター(CDC)は9月15日、テホコテ(Tejocote、Crataegus mexicana)の根と表示された減量サプリメントにキバナキョウチクトウ(Cascabela thevetia)の含有が確認された2022年の事例に関して注意を喚起した。概要は以下のとおり。
 米国において、ダイエタリーサプリメントは食品医薬品庁(FDA)の規制下にある。規制では、ダイエタリーサプリメントの製造に使用される全成分の同一性検査を義務とし、かつ、全成分は合理的に予測される汚染物質を含有しないことを義務としているが、潜在的に危険と見なされる物質を含有する、法令違反となる不正な(mislabeled)ダイエタリーサプリメントが頻繁に検出されている。テホコテ(Tejocote、Crataegus mexicana(バラ科サンザシ属))の根は、ソーシャル メディア上で減量効果が宣伝されているサプリメントであり、オンライン小売業者から容易に入手可能である。最近、Alipotecというブランド名にて販売されている、テホコテの根含有と表示された製品は、DNAフィンガープリントから、100%キバナキョウチクトウ(Cascabela thevetia)であることが判明した。キバナキョウチクトウには、ジゴキシンやその他のカルデノリドと同様の臨床効果を有するカルデノリド テベチンB(cardenolide thevetin B)が含有されており、猛毒となる可能性がある。
「調査及び結果」
 2022年9月8日、ニュージャージー中毒情報教育システム(NJPIES)は、Eva Nutrition製のメキシコ産テホコテの根を摂取した後に、吐き気及び嘔吐の症状を示した生後23ヶ月の子供に関する通報を受けた。当該製品は減量用サプリメントとして販売されており、患者の母親が購入していた。患者の心電図(ECG)は、カルデノリド毒性と一致する結果を示していた。NJPIESの指示により実施された血清中ジゴキシン・アッセイの測定値から、NJPIESは非ジゴキシン強心配糖体との交差反応に起因する結果であると解釈した。ジゴキシン特異的抗体フラグメント(FAB(Fragment, antigen binding)、ジゴキシン過剰摂取の解毒剤)による治療の後、患者のECG及び血圧は正常に復帰したが、12時間後に再度ECG検査したところ、再びカルデノリド毒性のエビデンスが示された。2回目のFAB投与を受けた後、患者のECGは正常に復帰した。
「暫定的な結論及び措置」
 法令違反・不正である可能性のある当該製品に起因する公衆衛生上の懸念に対処するため、2022年12月、NJPIESは、テホコテと表示され減量用サプリメントとして販売されている10製品をオンラインにて購入した。超高圧液体クロマトグラフィー - 精密質量 - 飛行時間型質量分析(ultra-high pressure liquid chromatography?accurate mass-time of flight mass spectrometry analysis)を用いて、購入されたサプリメントと真正性認証済みとして調達したテホコテの根、及び、民族植物学研究者により真正性が認証されている検証結果と比較した。テホコテと表示された10製品のうち9製品はキバナキョウチクトウであり、テホコテの根であるというエビデンスは得られなかった。
 試験結果から、容易に入手可能なこれらのダイエタリーサプリメントは法令違反であり不正であると考えられ、臨床上かつ公衆衛生上の懸念となる毒性物質を含有していた。最近FDAは、特定の植物性減量用製品においてNuez de la Indiaと表示されている有毒性キバナキョウチクトウに関し、消費者への警告を発出した。臨床においては、強心配糖体ばく露を示す徴候や症状のある患者は、テホコテ、Nuez de la India、あるいは、他の減量用サプリメントと表示されている製品にばく露された可能性があり、非ジゴキシン強心配糖体ばく露の症例に適用される手法と同様の手法による処置が有効である可能性を認識する必要がある。有毒性のキバナキョウチクトウにばく露された患者は、本報告書の症例のように、免疫アッセイにおいて交差反応により血清中ジゴキシンが陽性となる可能性があり、FABに反応する可能性がある。しかしながら、キバナキョウチクトウの毒性症状を回復させるには、ジゴキシン毒性症例に通常使用されるよりも高用量のFABが必要となる可能性がある。血清中ジゴキシン・アッセイは、テベチンBやジゴキシン以外の強心配糖体の検出に関しては確度が低い。検査にて検出されるジゴキシン量は、ジゴキシン以外の強心配糖体の血清中濃度を正確には反映しないとの報告がある。本報告書にて取り上げたサプリメント類には猛毒性の物質が含有されており、複数の小売業者から容易に入手可能であるため、公衆衛生上の懸念事項となる。今後の予防対策として、当該製品類をFDAに報告し、危険な製品を認識せずに販売している可能性がある小売業者に警告する必要がある。医療従事者は、毒性強心配糖体にばく露されたエビデンスを示す患者には、減量用サプリメントの使用歴を確認し、治療法としてFABを検討する必要がある。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) 米国疾病管理予防センター(CDC)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7237a3.htm
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