食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06130400301
タイトル 論文紹介:「ヒト及び動物間のblaNDM遺伝子の伝播メカニズムの解読:2015年から2017年までの期間に中国で分離された様々な分離源に由来する細菌株のゲノム研究」
資料日付 2023年9月14日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  Eurosurveillance(2023, 28(37):pii=2200925、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2023.28.37.2200925)に掲載された論文「ヒト及び動物間のblaNDM遺伝子の伝播メカニズムの解読:2015年から2017年までの期間に中国で分離された様々な分離源に由来する細菌株のゲノム研究(Deciphering mechanisms of blaNDM gene transmission between human and animals: a genomics study of bacterial isolates from various sources in China, 2015 to 2017)、著者 K Chen, S Chen (Department of Infectious Diseases and Public Health, Jockey Club College of Veterinary Medicine and Life Sciences, City University of Hong Kong, 中国)ら」の概要は以下のとおり。
・背景
 中国では2011年以降、ヒト由来細菌分離株からblaNDM遺伝子が検出されるようになった。2014年以降、当該遺伝子の動物及び食品由来細菌分離株からの検出の報告が増加している。
・目的
 著者らは、blaNDMを有する細菌がヒト、動物及び動物由来食品の間でどのように拡散し得るかを理解することを目的とした。
・方法
 2015年から2017年までの期間に、臨床(ヒト)、食料生産動物(ブタ)及び食品(小売豚肉)から、合計288株の大腸菌を収集した(130株のblaNDM保有株及び158株のblaNDM非保有株)。これらの菌株の全ゲノムシークエンス解析及びコアゲノム多座塩基配列型別(cgMLST)が実施された。ヒト、動物又は食品検体で検出されたsequence type(ST)が、臨床、動物又は食用保菌動物に由来した可能性があるかどうかを調べるために、主成分判別分析(DAPC)が用いられた。blaNDMを含むプラスミドの特性評価が行われた。
・結果
 130株のblaNDM保有大腸菌は合計60種類のSTから構成され、ST167(10株/51株)、ST77(6株/33株)及びST48(6株/46株)がそれぞれ臨床由来、動物由来及び食品由来株で最も多かった。一部のST10株とST167株は、それぞれ3つの検体採取源すべてから検出されたことから、これらは分離源間でblaNDMの移行を可能にしている可能性が示唆された。DAPCによる解析により、ST167株についてはヒトから動物へ、またST10株については動物からヒトへ移行した可能性が示された。130株のblaNDM保有分離株のうち114株において、blaNDMはIncX3プラスミド上に位置していた。
・結論
 中国を背景とする当該研究は、可動性因子上にblaNDM を保有する特定のST の大腸菌株の種を超えた伝播を示唆するものであり、これは、腸内細菌科細菌のカルバペネム耐性の拡大を促す可能性がある。生態系におけるblaNDM保有大腸菌の厳格なモニタリングが重要である。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance(2023, 28(37):pii=2200925)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2023.28.37.2200925
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