食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06130300475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、動物からヒトへの抗生物質耐性の伝播を制御する上で、優先的に監視すべき細菌/抗生物質グループの組合せのリストに関する意見書を公表
資料日付 2023年9月14日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は9月14日、動物からヒトへの抗生物質耐性の伝播を制御する上で、優先的に監視すべき細菌/抗生物質グループの組合せのリストに関する意見書を公表した。概要は以下のとおり。
 ANSESは、ヒトの健康における極めて重要な課題を考慮し、動物において優先的に監視すべき「細菌/抗生物質グループ」の11の組合せのリストを作成した。本評価は、動物衛生分野における抗生物質の使用削減に関して、すでに達成された進展を継続させることを目的とした国家計画Ecoantibio 3の策定の一環を成している。
1. 動物用抗生物質の使用削減を継続する
 2011年~2021年に、動物の抗生物質へのばく露量は全体として47%減少した。この傾向は、連続した2つのEcoantibio計画の枠組みで行政当局が推進した、畜産業者と獣医師による抗生物質の使用削減努力の表れである。
 ヒトの医療においては、フランスは数年前から、抗生物質を最も多く消費する欧州諸国の第4位にランクされており、その90%が外来部門で処方・調剤されている。そのため、動物衛生と同様、ヒトの健康においても、抗生物質の使用を削減し続けることが、抗生物質耐性、ひいては感染症を予防する戦略の優先事項であり続けなければならない。
2. 優先順位の高い5つの細菌/抗生物質グループの組合せ
 ANSESはその評価の一環として、ヒトの健康にとって重要な意義があるため、動物において優先的に監視すべき細菌/抗生物質グループの組合せに関する初めてのリストをフランスレベルで作成した。本リストは、3つの公衆衛生基準、すなわち、抗生物質耐性の伝播性、代替抗生物質を使用する可能性、そして、それらに起因する感染と死亡の件数に基づいている。
 本リスト収載の11の組合せのうち、以下の5つは、優先度が高いものとして分類されている。
・Enterobacterales/カルバペネム系抗生物質
・Enterobacterales/第3世代及び第4世代セファロスポリン系抗生物質
・Staphylococcus aureus/メチシリン
・Enterobacterales/フルオロキノロン系抗生物質
・Enterobacterales/ポリミキシン系抗生物質
 この優先順位の高いリストに属する抗生物質グループに耐性のある細菌が、治療中に家畜や愛玩動物から検出された場合、ANSESは、本細菌のゲノム全体を把握するためにゲノム解析の実施を推奨している。その目的は、レゼルボア(病原体保有動物)がこのような耐性菌のヒトへの伝播にどの程度寄与しているかを評価し、定量化することである。
3. 輸入食品と輸入動物に注意を払う
 フランスでは、動物-ヒト間の細菌耐性の伝播は、特に農場でのバイオセキュリティ対策、獣医クリニックでの適正衛生規範の遵守や食品の加熱調理によって制御されている。
 しかし、世界レベルでの貿易の激化により、抗生物質耐性の病原菌が急速に広まる可能性がある。そのため、ANSESは、欧州連合(EU)域外の国からの水産養殖製品と生きた家畜を含めた、食品中の抗生物質耐性菌の監視の拡大を呼びかけている。そのような輸入品は、新たな耐性遺伝子を保有する細菌、さらには多剤耐性菌のフランスへの侵入を助長する可能性がある。多剤耐性菌は、治療の行き詰まりにつながる可能性があるため、公衆衛生にとって重大なハザードとなるであろう。
4. 現場の状況を考慮し、参加型のマルチステークホルダー・アプローチを促進する(省略)
 当該意見書(228ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.anses.fr/system/files/SABA2020SA0066Ra.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/resistance-antibiotiques-animaux
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