食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06120970328
タイトル 英国環境・食料・農村地域省(Defra)、特定の新ゲノム技術により作出される植物及びそれに由来する食品・飼料を規定し、かつ、規則(EU) 2017/625を改正する、欧州議会及び理事会規則に対する欧州委員会の提案に関する解説的覚書を公表
資料日付 2023年8月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国環境・食料・農村地域省(Defra)は8月18日、特定の新ゲノム技術により作出される植物及びそれに由来する食品・飼料を規定し、かつ、規則(EU) 2017/625を改正する、欧州議会及び理事会規則に対する欧州委員会の提案に関する解説的覚書(explanatory memorandum: COM(2023)411)を公表した。概要は以下のとおり。
 1. 欧州連合(EU)は、遺伝子編集(イングランドでは精密育種(Precision Breeding)、EUでは標的突然変異誘発として知られている)のような新ゲノム技術(NGT)により作出された植物、及びそれに由来する食品・飼料に関する新たな規則の枠組みを構築するための新規則を提案している。この枠組みには、標的突然変異誘発やシスジェネシスにより作出されたNGT植物、及びこれらの植物を含有する、これらの植物から構成される、生産される食品・飼料に対する新たな要件が含まれる。NGT植物は現在、遺伝子組換え作物(GMO)に関するEU法(指令2001/18/EC、規則(EC) No 1829/2003、規則(EC) No 1830/2003)の対象である。
 2. これらの既存のEUのGMO法は、負担が大きすぎ、リスク不相応であり、農作物の改良品種開発の障壁となっていると考えられている。特に遺伝子編集のような技術は、従来育種でも生じうる遺伝的変化を導入する可能性がある。現在、EUのGMO法の対象である生物の育種は、食品・飼料として販売するために長い認可プロセスを踏む必要がある。GMOを輸入するための申請書の提出から、EUがそれを認可するかどうかを決定するまで(リスク評価を含め)、平均で約6年かかる。中小企業が、申請書が受理される前に実施される完全性チェックを通過するにはさらに15カ月を要することもある。
 3. 2018年、欧州司法裁判所(ECJ)は、GMOの定義は、伝統的な育種法により作出されたものを含め、遺伝子編集などNGTにより作出されたすべての生物に適用されるとの判決を下した。オランダとエストニアは、ECJの判決を受け、EU加盟14カ国の連合を率いて、「新たな植物育種技術」に適応するためにGMO法を更新するようEUに要請した。その他の賛助国は、ベルギー、キプロス、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、英国である。スペインはこの政策分野の熱心提唱者であり、EU理事会の議長を引き継いだ今、英国はその任期中に進展があることを期待する。
 4. 欧州委員会の最近の「NGTの現状に関する研究」では、EUの現行のGMO法が科学的な進展に対応するには限界があることを認め、現行の規則が目的に適合していないと結論している。この研究を受けて、EU委員会は2022年に、NGTにより作出された植物に関する新たな法規の策定提案に関する公開協議を実施した。参加者の80%が、EUのGMO法の現行規定がNGTにより作出された植物には適切ではないとの意見に同意した。
 5. その結果、EUの提案は、適格なNGTを現行のGMO規制要件の適応除外とし、よりシンプルでより負担の少ない規制プロセスを導入するものとなった。この提案では、規制要件が異なる2つのNGTカテゴリーが作成される。カテゴリー1・NGT(NGT1)は、上市前に届出が必要であるが、それ以上の認可やリスク評価の必要はない。カテゴリー2・NGT(NGT2)には、付与される特性に適合させたリスク評価、表示及びトレーサビリティ要件が義務として課される。EUのNGT1の定義は、2023年遺伝技術法(精密育種法)の定義とほぼ一致しており、伝統的育種により作出される同等の特性を備えた品種との実質的同等性に着目しており、EUはNGT1植物の規制緩和に対して、英国と同じ理論的根拠を適用している。一方、NGT2の定義には、NGT1の基準を満たさない、標的突然変異誘発(遺伝子編集)及びシスジェネシスにより作出された生物が含まれる。NGT2は、より詳細なリスク評価、表示及びトレーサビリティ要件が義務として課される。この提案には、栄養、持続可能性、食料安全保障を改善するNGT2の申請に対するインセンティブが含まれており、法定期限の短縮が認められる可能性がある。また、申請者が特定した起こり得るリスクに関してEFSAからの助言が得られる申請前助言サービスや、トレーサビリティ対策費用の免除等、中小企業支援が盛り込まれている。
 6. 既存のGMO規則及び公的管理に関する規則(EU) 2017/625は、ウィンザー枠組みに基づき北アイルランドに直接適用される数少ないEU法に含まれるため、この規則への提案が採択された場合、北アイルランドに適用されることになる。
 本政府提言の詳細は下記のURLにて入手可能。
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1179622/EM_COM_23_411_PDF_WITH_CORRECT_DATE.pdf
 (訳注)
ウィンザー枠組み(Windsor Framework):2023年2月27日に公表、2023年3月24日に正式に採択された、EUと英国の間のBrexit後の法的協定である。欧州単一市場と英国の間の商品の移動に関する、現在の北アイルランド議定書における問題に対処するために策定された。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)
情報源(報道) 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)
URL https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1179622/EM_COM_23_411_PDF_WITH_CORRECT_DATE.pdf
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