食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06120950149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としての使用済み大麦及び米に由来する部分加水分解タンパク質の安全性に関する科学的意見書を公表
資料日付 2023年9月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は9月1日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としての使用済み大麦(Hordeum vulgare)及び米(Oryza sativa)に由来する部分加水分解タンパク質の安全性に関する科学的意見書を公表した(5月24日採択、PDF版28ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8064)。概要は以下のとおり。
 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としての使用済み大麦及び米に由来する部分加水分解タンパク質に関し、科学的意見を表明するよう求められた。
1. 安全性に関する結論
 当該新食品は、使用済み大麦及び米に由来する部分的に加水分解されたタンパク質であり、使用済み大麦45 - 70%と使用済み米30 - 55%を含み、ビール製造において生じる固形副産物(訳注: ビール粕)から得られる残留物である。
 タンパク質の加水分解度は1.11 - 5.55%であり、分子量分布は主として0.5 - 30 kDaの範囲内にある。遺伝子組換えAspergillus niger NZYM-BE株由来グルカン1,4-α-グルコシダーゼ、Bacillus licheniformis NZYM-LU株由来プルラナーゼ及びセリンプロテアーゼを用いて加水分解される。酵素類は加熱処理により失活させている。部分加水分解物は、複数の機械的処理工程(遠心分離、濾過、水分蒸散、噴霧乾燥)を経て最終製品となる。製造工程は十分に説明されており、安全性上の懸念を提起しない。
 NDAパネルは、当該新食品は十分に特性決定されていると判断している。
 NDAパネルは、当該新食品が全有効保存期間(entire shelf life)にわたり提案された規格限界に準拠する限り、安定性に関し安全性上の懸念はないことに留意する。
 当該新食品は粉末状であり、乳製品、ベーカリー製品、パスタ、果物及び野菜のスプレッド、スナック、減量用単回食事代替品(ingle meal replacement)等の多様な食料品の成分として使用することが提案されている。対象集団は一般集団である。
 EFSAの包括的欧州食品摂取データベース(Comprehensive European Food Consumption Database)に基づき、一般集団を対象として、当該新食品が成分として添加された食品を介して摂取される当該新食品の摂取量推定が実施された。推定摂取量の最高値は、3歳から10歳未満の小児に対して算出され、95パーセンタイルにおいて1日あたり229 - 903 mg当該新食品/kg体重の範囲であった。NDAパネルは、提案された用途及び用量において当該新食品を摂取しても、全年齢集団の95パーセンタイル推定摂取量の最高値において、分析された望ましくない物質(重金属、マイコトキシン)への総食事性ばく露に大幅には寄与しないことに留意する。
 提案された用途及び用量を考慮すると、分析された微量栄養素は、既存の上限値を何れも超過しない。当該新食品において報告された抗栄養因子の濃度は、他の食品中の濃度と同等である。
 タンパク質の品質という側面から判断すると、当該新食品は乳児の栄養摂取において適したタンパク質源ではない。より高品質である他のタンパク質源を当該新食品で完全に置換すると、タンパク質総摂取量が少ないケースでは、乳児以外の年齢層のタンパク質摂取にも悪影響を与える可能性がある。当該新食品が食事性タンパク質の唯一の供給源ではなく、多様かつ複合的な食事に組み込まれていることを条件とし、加えて、欧州連合集団の平均タンパク質摂取量は高く、往々にして食事参照値(dietary reference values)を超過していることを考慮すると、当該新食品の摂取がタンパク質摂取に悪影響を与えるとは予想されない。成分組成及び提案された使用条件から、NDAパネルは、当該新食品の摂取は栄養学的に不利益とはならないと結論する。
 NDAパネルは、当該新食品を用いた毒性学的研究や臨床研究は提供されていない点に留意する。製造工程、成分組成に関する詳細な特性決定、及び、原材料の利用歴を考慮し、NDAパネルは、当該新食品に関して毒性学的研究は必要ないと判断した。
 NDAパネルは、当該新食品により摂取者が感作される可能性があり、さらに、大麦及び/又は米にアレルギーのある摂取者においてはアレルギー反応(共感作又は交差反応)が誘発される可能性があると考えている。規則(EU) No 1169/2011附属書IIにおいて、大麦は表示対象となるアレルゲンとして収載されている。
 NDAパネルは、使用済み大麦及び米に由来する部分的に加水分解されたタンパク質である当該新食品は、潜在的アレルゲン性を除き、提案された使用条件下において安全であると結論する。
2. 規則(EU) 2015/2283第26条に準拠する独自データ保護に関する結論
 NDAパネルは、申請者が独自であると主張する以下のデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関する結論に達することはできなかったと考える。
・ タンパク質の品質
・ 含有される酵素の不活化に関する情報
・ Aspergillus nigerが産生するマイコトキシン及びその他の二次代謝産物が酵素調製物中に含有されないことを示す情報
・ 成分組成データ(バッチの分析証明書)に関する報告書
・ 安定性調査報告書
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8064
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