食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06120290108
タイトル 米国環境保護庁(EPA)、化学物質アセフェートの更新されたリスク評価を公表
資料日付 2023年8月30日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国環境保護庁(EPA)は8月30日、化学物質アセフェート(acephate)の更新されたリスク評価を公表した。概要は以下のとおり。
 EPAは、農業用途及び非農業用途の両方で登録されている有機リン系農薬(OP)であるアセフェートの、改訂されたヒト健康リスク評価案(HH DRA)及び精緻化された飲料水評価(DWA)を公表した。アセフェートの当該HH DRAには、メタミドホス(同じくOP化合物であり、アセフェートが代謝される際に生成する)の評価が含まれている。改訂された当該HH DRAにより、非農業用途を含むアセフェートの登録された用途での、飲料水に由来する重要な食事リスクの懸念が示された。EPAはまた、大量使用農地(販売重量(ポンド)で計測)の上位2作物(綿花及び大豆)のみを考慮した場合の、食事リスクの懸念を特定した。
 改訂された当該HH DRAには、食事リスクに関する追加情報、及び職業作業者や散布後のシナリオ、職業作業者でない第三者(bystanders)、及び居住ばく露について特定されたリスクが含まれている。改訂された当該HH DRAは、以前のリスク評価以降の、多数の更新を反映しており、これには、食品品質保護法(FQPA)の安全係数(SF)の再評価が含まれる。このSFは、妊婦及び小児に対する追加のリスクを全て考慮して、追加の10倍(10×)の安全マージンを与えることを意図しているが、そのような追加のリスクが存在しないと科学的に判断された場合、このマージンは低減あるいは削除され得る。
 「有機リン系農薬の発達神経毒性の可能性を評価するためのアプローチ」と題する文書では、3つの主要な一連のエビデンス(疫学研究、動物毒性研究、及び多数のin vitro分析)に由来する高品質な化学物質特異的データを用いて、妊婦及び小児に対するOPの発達神経毒性(DNT)の可能性を化学物質毎に評価するというEPAの決定が概説されている。これらのデータは、エビデンスの重み付け(weight of evidence、WOE)アプローチを使用してDNTの可能性を評価するために使用される。これは、各一連のエビデンスの長所及び限界の考慮を可能にする意思決定を裏付けるために、全ての関連するエビデンスを統合するプロセスである。
 前述した文書に記載されている原則をアセフェートに適用して、EPAはFQPA SFの決定を更新し、アセフェート及びメタミドホスの化学物質特異的データを用いて妊婦及び小児に対するDNTの可能性のWOE分析を含めるようにした。このWOE分析は、「FQPAの安全係数について情報提供するための、アセフェート/メタミドホスの発達神経毒性の可能性についての評価」と題する文書に記載されている。
 DNTの可能性についてのWOE評価を考慮し、アセフェート及びメタミドホスは既知の神経毒性物質(neurotoxicants)(すなわち、神経系の正常な活動に障害を与える化学物質)であるが、アセフェート又はメタミドホスが発達神経毒性物質(developmental neurotoxicants)(すなわち、妊娠中又は小児期の神経系の正常な発達に影響を与える化学物質)であるというエビデンスは、ほとんど~全くない。したがって、妊婦又は小児にアセフェート又はメタミドホスのばく露が発生する場合の追加のリスクはない。アセチルコリンエステラーゼ(神経毒性作用を引き起こすが、発達神経毒性作用はない)の変化は、引き続き、アセフェートのヒト健康リスク評価の最も敏感かつ健康保護上のエンドポイントである。結果として、EPAはアセフェートFQPA係数を1倍(1×)に減らすことを裏付けるための信頼できる化学物質特異的データがあると結論した。
 EPAは、進行中の登録再評価手続きを通じて、アセフェートの利点及び代替策を引き続き評価している。これらの評価は、改訂されたHH DRA及び精緻化されたDWAと同様に、来年中に完了する予定のアセフェート暫定決定案(PID)に情報提供されるであろう。これら文書の公表に伴い、EPAはアセフェート登録者に連絡をとり、改訂されたHH DRAで特定されたヒト健康リスクと、2017年3月の生態学的リスク評価で以前に特定された生態学的リスクについて議論する予定である。今年の初め、EPAは、作物でのアセフェートの使用と非農業用途の散布の重要性及び便益に関して米国農務省から情報を受け取った。PIDの公開後、意見公募が行われ、ステークホルダーは、その時点の改訂されたHH DRA及び精緻化されたDWAについて意見を提出することも可能である。
 アセフェートは、現在登録再評価中の18種類のOPの1種であり、2024年から2026年の間に暫定決定が予定されている。HH DRA、DWA、及び裏付け文書を含むアセフェートの登録再評価の詳細情報については、以下のURLから、docket番号「EPA-HQ-OPP-2008-0915」を検索して入手可能。
https://www.regulations.gov/
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/環境保護庁(EPA)
情報源(報道) 米国環境保護庁(EPA)
URL https://www.epa.gov/pesticides/epa-publishes-updated-risk-assessments-chemical-acephate
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