食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06110740470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第30週号(7月23日~7月29日)において、フィンランドの毛皮農場の鳥インフルエンザ感染及びスペインで発生したボツリヌス症に関する最新の情報を紹介
資料日付 2023年7月28日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は7月28日、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第30週号(7月23日~7月29日)において、フィンランドの毛皮農場の鳥インフルエンザ感染及びスペインで発生したボツリヌス症に関する最新の情報を紹介した。概要は以下のとおり。
1. 毛皮農場における鳥インフルエンザ(フィンランド、2023年)
・更新情報
 2023年7月26日、フィンランド食品局(Finnish Food Authority)は、キツネ(ホッキョクギツネ(blue(arctic) fox)及び交雑種のキツネ)、タヌキ及びミンクを飼育する毛皮農場8か所でさらに鳥インフルエンザA(H5N1)が確認されたことを報告した。
・概要
 フィンランド食品局の更新情報によると、2023年7月13日以降、フィンランド国内の20か所の毛皮農場で鳥インフルエンザA(H5N1)が検出されている。これらの農場はポフヤンマー地域のEvijarvi、Halsua、Kauhava、及びKaustinenに所在し、キツネ(ホッキョクギツネ、ギンギツネ及び交雑種のキツネ)、タヌキ及びミンクを飼育している。2023年7月21日、フィンランド食品局は、予備的な分析に基づくと、毛皮動物から採集されたウイルスの系統はカモメ類から採取されたウイルス株の1つと一致し、哺乳類細胞での複製を促進する1か所の変異を有することが示されている。フィンランドのミンク、キツネ及びカモメ類から採取されたウイルスの塩基配列はGISAID EpiFluデータベースに投稿されている。
 同局によると、当該事例はフィンランドの飼育毛皮動物において鳥インフルエンザが検出された初めての例である。しかし、同国では過去に2件、野生のキツネでの同ウイルス感染が検出されている。
・ECDCの評価
 感染した野鳥が地域で観察され、感染鳥類やその糞と飼育動物との接触を防ぐ対策が講じられていない場合、毛皮農場に鳥インフルエンザが侵入することは予想外ではない。過去にスペインのミンク農場で発生した事例があった。ウイルス解析を行い、哺乳類での適応に関連するマーカーを解析するために塩基配列データを共有することが極めて重要である。キツネや他の感染哺乳類とヒトとの間の伝播は、今のところ観察されていない。しかしながら、感染した哺乳類及びばく露された人々を特定し、10?14日間監視し、症状があらわれた場合に検査を開始できるようにしておくことが重要である。
・行動
 ECDCはフィンランド当局及びその他の関連機関と共にフォローアップを行っている。
2. スペインで発生したボツリヌス症(2023年)
・更新情報
 2023年7月24日、スペインの保健当局は、すでに感染が報告されている自治州からさらに2例の推定例(probable case)を報告した。
・概要
 2023年7月11日、イタリアの保健当局はスペインの保健当局に対し、スペインでの包装済みポテトオムレツの喫食を報告した2例のイタリアのボツリヌス症例について通知した。7月14日、2つのスペインの自治州(マドリード州及びバレンシア州)が、同じ製品の喫食を報告した2例のボツリヌス症推定例を報告した。全てのスペインの自治州に全国的な警告が発せられ、スペイン当局はスペイン国外のリスクの可能性について評価するために連絡を取っている。
 2023年7月24日時点で、ボツリヌス症の確定症例5例及び推定例4例が、様々なスペイン自治州の複数のブランド及びスーパーマーケットに由来する包装済みポテトオムレツの喫食を報告している。確定症例3例は集中治療室での治療を要し、今のところ死亡者は報告されていない。推定症例は、ボツリヌス症に合致する症状を呈し、疫学的に関連する患者と定義されている。確定症例は、検査により確認されたものである。発症日は2023年6月21日から7月22日まで、年齢範囲は23歳から63歳まで(年齢中央値49歳)である。
 スペイン食品安全栄養庁(AESAN)によると、症例4例については、これらの製品の製造業者は同一である。しかし、原因と疑われる製品やその製造工程からは、当該病原体やその毒素は検出されていない。調査は継続中である。予防措置として、製造会社は当該製品を自主回収し、製造を停止し、購入した原因と疑われる製品すべてを返品するよう消費者に呼びかけた。
 2023年7月24日、スペインの食品安全当局はRASFFに、当該製品がフランス及びポルトガルに流通していたことを報告した(RASFF 2023.4941)。
・ECDCの評価
 当該事例はポテトオムレツ(トルティージャ(tortilla))が媒介食品と疑われる、9例のボツリヌス症(確定症例5例及び推定症例4例)が発生した国境を越えた集団発生である。当該製品はスペインで製造され、フランス及びポルトガルに流通していた。当該製造業者及び当局はリコール及び一般住民への情報提供を開始している。当該集団発生の原因を特定するための調査が継続中である。
 入手可能な情報に基づけば、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)市民のリスクは低い(low)。
・行動
 ECDCは疫学的情報収集活動を通し当該事例を監視しており、新たな関連情報を入手でき次第、当該事例の情報を更新する。
 当該報告書(20ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/communicable-disease-threats-report-week-30-2023.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/communicable-disease-threats-report-23-29-july-2023-week-30
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。